「秘密」という言葉が持つ秘密の力 人は「秘密」と言われるだけで、重要で正確で信用できると思ってしまう。
「非凡きわまりないものも、
隠すだけで美にあふれる」
(作家 オスカー・ワイルド)
「秘密とは『自分が何者かを
探すための自由をくれる、安全な港だ」
(精神科医 ゲイツ・サルツ)
「何を語るかではなく、何を胸のうちに
とどめたかが、人をその人たらしめるのだ」
(作家アルベール・カミュ)
誰もが持っていて、誰もが関心のあるもの
それが「秘密」です。
本日は、「秘密」という言葉の「秘密」を
一緒に見ていきましょう。
1. 「秘密」という言葉は、1521年に生まれた
「秘密」という言葉が、はじめて
うまれたのは1521年と言われています。
宗教改革で有名なマルティン・ルター
(1483年~1546年)が
「秘密(Geheimnis)」という言葉を
ドイツ語の翻訳の中で生み出したのです。
heimは「我が家・故郷に属するもの」を
意味しています。つまり、自分の内々に
よく知っているものを示します。
それまでは秘密に類する言葉として
ギリシア語の”myo(口を閉じる)"
という言葉がありました。
英語のミステリー(mystery)の語源です。
しかし、そこには「自分が隠す」という
ニュアンスはなく、単に説明のつかない
現象を示しているに過ぎませんでした。
2. 同じものでも「秘密」というカバーをつけると
2013年、コロラド大学の
マーク・トラヴァースらは
こんな研究結果を発表しました。
50人の大学生に
ある1通のメモを読んでもらいます。
それは、国民安全保障理事会の
メンバーが1978年に作成した
台湾へのF-5戦闘機の販売に関する
文書でした。
研究チームは、この1通のメモが
交渉の決め手になったことを告げ
それをふまえて理事会の行為を
11段階で評価するように求めました。
このときある仕掛けが登場します。
学生たちは2つのグループにわけられ
メモに関してそれぞれ異なる
情報が与えられたのです。
A群
「このメモ自体は常に
公開されている文書です。」
B群
「実はこのメモは評議会だけで秘密裏に
保管されていたけれど、情報公開法で
ようやく表に出てきた極秘文書なんです。」
当然ながら、こう言われたところで
みんなが見たメモの内容が
変わることはありません。
しかし、結果は意外なものでした。
3. 「秘密」と言われると、重要・正確・信頼できると感じてしまう
実験の結果、このメモを
公開文書だと聞かされたグループAは
平均【6.86】の行動評価をしました。
これに対して、秘密文書だと
聞かされたグループBは
平均【8.2】の行動評価をしたのです。
繰り返しますが、判断材料であるメモは
両グループとも同じものを見ているはずです。
しかし、グループBの方が
この文書の価値を重要なものと
評価しました。
そしてこれに基づいた
国家安全保障理事会の行動を
【慎重で賢明な】ものだったと
コメントしたのです。
面白いですよね。
この一言だけで、人間の評価は
変わってしまいます。
人は経験的に
「秘密扱い」されているだけで
その情報を【重要】で【正確】で
【信頼できる】と思い込んでしまう。
その内容自体の価値に関わらず。
研究チームはこうした僕らの傾向を
「秘密の発見的手法”secrecy heuristic”」
と名付けました。
4.「秘密」というラベルに会ったら一呼吸おこう
でも、同時にこうした傾向は
素晴らしいことでもあります。
秘密を解き明かしたい
研究心・探究心・好奇心は
間違いなくあなたの人生の
幅を広げてくれます。
もし今度「秘密」のラベルに出会ったら
一呼吸おいてみましょう。
そしてそれでも好奇心を
おさえきれなかったら
ぜひ飛び込んでみてください。
それはきっとあなたの人生の
向きをかえてくれますよ。
本日もお読みいただき
ありがとうございました。
私が知った秘密の中で最も長く
影響を受けたのが、こちらのメソッドです
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参考文献(P.36、121、123、146)
参考論文
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