「うかうかと半世紀生きてしまったものの…」エッセイ ♯1「チョコザップ始めた」


チョコザップに入会した。
1月31日だと入会費無料という煽り文句にうかうかと乗せられたのだ。
 
しかし、家から245メートルという場所にチョコザップができたとなったら、うかうか乗せられてしまうのも仕方ないのではなかろうか。
 
実は今までにも3回ほどジムに通ったことがある。そして、毎回挫折し解約してきた。
その原因は、ジムが遠かったせいだ…と思っている。
 
とはいえ、どのジムも家から30分以内ではあったし、最後に通ったジムは、徒歩15分だった。
でも、どうしても、最初の3か月くらいしか続かなかった。
 
もう、ジムなんか通うものか…要は運動してりゃいいってことでしょ?
 
なるべく毎日歩くとか、ここ数年週1か、週2くらいで細々と続けている卓球で十分じゃないの?
あと、家で細々とストレッチとかやってれば。
しかし、やらない。
どこに行くのにも歩こうとしてはいるが、疲れたり、持病の股関節痛が酷い時や、雨の日だったり、忙しすぎると自分に言い訳して歩かない。
 
卓球は、気が付くとへとへとになるほど夢中になってしまうが、気が付くと、立ち上がれない程、腰が痛くなったり、やはり股関節が痛くなり、足を引きずらないと歩けなくなってしまう。
 
股関節に関しては、20代の時から散々接骨院や鍼灸に通っていた。
一時的によくなりはする。
だが、必ずぶり返してしまう。
50歳を過ぎて、いよいよ痛みがひどくなった。
整形外科を受診して、「両臼蓋形成不全」という、股関節の「つくりが悪い」とか、「かぶりが浅い」と言われる状態で、変形性股関節症に移行しやすい体と診断されたのだった。
今のところ、変形はしていないのだが、変形しないようにしっかりと股関節周辺や、インナーマッスルを鍛えないといけないらしい。
 
習った体操を細々で頑張っていたが、とうとうリハビリ期間が終了してしまい、後は自力で頑張るように言われてしまった。
家で、細々でこの運動を続ける自信がない、何か強制力がないと・・・と思っている時に、近所にチョコザップがオープンしたのだった。
 
「家で洗濯物を干したら」、「皿を洗ってから」、「おやつを食べてから」…などと先延ばしにしてしまいがちなリハビリを、とにかく朝一で家から逃げ出し、チョコザップに駆け込むことができれば、強制的にリハビリ体操を頑張るのではなかろうか?
このチョコザップは私の股関節を救うために、タイムリーにオープンしたのではなかろうか?!しかも今なら入会費無料…!
 
こうして駆り立てられるように入会してしまった。
 
おそるおそる入ってみると、3人くらいの人が黙々とトレーニングに励んでいた。
私は最初、ストレッチコーナーさえあれば、そこで、リハビリ体操をしよう…と思っていたが、ストレッチコーナーは、畳3畳分もなく、狭かった。
今まで通ったジムに比べたら、マシーンの数は少ないが、マシーンがあれば、マシーンを使ってみたくなるのが人情。
レッグプレスやら、アダクションやら、ラットブルダウンやらを、めぐってトレーニングをしてしまう。どうせなら、リハビリの先生に
「お股を締めて」
「肋骨を締めて」
「下腹を出さない」
と、言われたことを心掛けてやってみると、なんかいい感じ・・・な気がする。
 チョコザップはジムのくせに、エステやらネイルやらホワイトニングやら、およそジムらしくないオプションもたくさんある。
そういったオプションには、今のところあまり興味はないが、予約をすれば、20分だけ机が使えたり、自転車こぎをしながら、持参したPCを打てたりもするようだ。
不登校児童の息子プン助が家にいて、気が散って家では全く仕事にならないのが、悩みの種だった。
そんな私にとって、家を抜け出して最初の一仕事をする弾みにもなりそうな空間。
 
コインランドリーも予約できるので、洗濯をしている間に筋トレやリハビリをすれば、家で洗濯ものを干す手間も省けそう。
 
しかし、早くも近隣から騒音の苦情が来たのか、トレッドミルという歩いたり、走ったりできるマシーンが使用不可になっていた。
オープンして、数日なのに苦情が来たということに雲行きの怪しさを感じるが、今のことろ私にとっては、一筋の希望になりそうな空間ではある。
 
3か月後に、自分が色々理由をつけて、退会している可能性も多々ある。
自宅245メートルはやはり遠すぎた…もっと近くないと…と、思うかもしれない。
とりあえず、頑張りすぎずに適当にやってみたいものだ。

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