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運動療法の有用性

『変形性膝関節症に対するエビデンスに基づいた理学療法戦略』シリーズ、第12回目となります。

私自身が現在、変形性膝関節症(以下、膝OAと記載致します)を対象とした研究も遂行しておりますので、そこから得られている現実的・臨床的なことを踏まえ、机上の空論のような話とならないよう、なるべく臨床に活かせる知見をピックアップして、私の見解とともにお伝えしていきたいと思います。

膝OAのリハビリテーションを中心とした領域における評価や治療について、科学的な視点から、あるいは国際的に有名なガイドラインから、日本の臨床でも比較的応用ができそうな有益な情報をお伝えしていきます。

本記事のナレッジレベルについて

私が今回からお伝えしていく情報の難易度に関する“ナレッジレベル”についてご説明致します。

新人さんでもおそらく記事を読むだけで何とか理解はできそうな知識を“ビギナー”レベル、としております。
初学者の方でも、記事を読み、必要に応じて補足勉強なされることで比較的理解しやすい内容ではないかと思います。

いくらか(1〜5年程度)臨床での経験を積み始め、一定の膝関節に関する知識・経験等があれば記事を読むことで理解可能な知識を“ベーシック”レベル、としております。

そして、膝関節を普段から多めにみることが多い方、ありきたりなアプローチで妥協しない、通常以上の改善効果を出していきたい方向けの知識を“アドバンス”レベル、としております。

今回は、“ベーシック”レベルの記事になりますので、よろしくお願い致します。

今回も、質の高い臨床家にとって有益な研究報告等や、視覚的に分かりやすくまとめたスライドなども併記して、紹介しております。

それではcheckしていきましょう。

運動療法の有用性

膝OAにおける治療は、Osteoarthritis Research Society International (OARSI) guidelineで変形性関節症に対する非外科的治療法のアルゴリズムが報告されています。1)

また、2020年にオランダの理学療法学会から膝OA患者に対する理学療法のガイドラインが発表されています。2)

第12回からは、オランダの理学療法学会から発表された内容を深堀して参ります。
今回は、“運動療法の有用性”に関する内容を説明致します。


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