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検診は大事だよ その4

検診の日。直前までガクガクしながら朝のルーティーンである家事をこなす。テレビをぼーっと眺めては気を逸らすが最悪のシュミレーションは常に頭をぐるぐるしていた。

意を決して病院に向かう。

診察券を出して診察室の前で待つ。2人他に待っていたが私が一番に呼ばれる。なぜや?一番最後でいいのに心の準備がががが。

「くじらりおさーん」

心の中でもう診断は出ている。あとは聞くだけだと思い、ノックをして診察室の中へ入る。

目の前にはちょっと歳の行った先生が座っていた。

「検査結果くじらりおさんは左右非対称乳房でしたので念のため精密検査になりました」

との事。それはどういう?

「右と左が違うふうに写っていて白く映るところが多かったのでよりわかりやすい検査が必要となります。エコー検査がすぐできるので受けられますか?」との事だったので受けることにした。

その前に触診もしたが

「んー触診では硬いところなかったですね」

との見解でエコー再検査となったのだった。とりあえずいきなり入院とかいきなり宣告とかいうドラマみたいな展開は免れてちょっとほっとしてエコー検査を受け、また診察室に。

「結果は明日以降でわかりますがいつ来られますか?」

と言われ、先延ばしにしたくなかった私は

「では明日に」

と次の日の予約を取って病院を後にした。

結果は持ち越しか。でもまだ油断はできない。

その夜はぬか喜びはできないがお刺身を買ってビール片手に夫と慎ましやかに食べた。

そして、次の日…。

もう結果は出ている、とまた前日の緊張が蘇ってくる。最悪の結果ならもう覚悟はできた。大きい病院に紹介状を書いてもらうんだと考えながら病院を訪れる。

受付を済まし診察室の前で待つ。2〜3人いたはずなのにやっぱり私が一番に呼ばれるの世界の七不思議に認定したい。

ノックをして診察室に入る。
目に飛び込んできたのはおっぱいに針を刺す絵。これはもう一回さらに踏み込んだ再検査なのかと天井を仰いだ瞬間先生から…。

「くじらりおさんのエコー検査の結果は、嚢胞という良性の空洞でした」  

へ?空洞?映像は確かに暗く写っていた。

「痛いというのも年齢特有の乳腺症という症状でして、閉経すると治ります、ただ稀に癌化することもあるので定期検査はしてください」

との事でした。

じゃあ癌的なものではない?

「そういうことですね。お大事にしてください」

また天を仰いだ。そして診察室を出ると大きなため息と共に体が脱力した。なんだか生きながらえた気分だった。


【あとがき】

あの流行病があれども3年検診してなかっただけでこんなに変化があるのかとびっくりと共にこれからは何があろうとちゃんと毎年検診を受けようと固く心に誓うのだった。娘っこの成長をこの目でずっと見るために元気でいたいと心から願った事案だった。

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