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時代に逆行した本物のお酒造りを追求 板倉酒造 小島杜氏

こんにちは。「日本酒」を通じて、夢を叶えるために挑戦中の鈴木貴大です。どんな事をしているのか?と気になる方は、ぜひこちらのnoteを覗いてみてください。

noteを開設して、まず第一弾は、僕が日本酒にどっぷりとハマるきっかけとなった酒蔵さん、杜氏さんを紹介させていただきます。

島根県出雲市にある板倉酒造 小島さんのところへ伺って参りました!
今回、2回目の板倉酒造さんへの訪問になります!


自己紹介のnoteにも書きましたが、僕の日本酒に対するイメージは、「呑むと頭が痛くなる、気持ち悪くなる、次の日に残る」でした。しかし、小島さんが造る「天穏」と出会って、日本酒の概念を180度覆されました。

時代に逆行したお酒造り

お話をする中で、小島さんは真っすぐとした想いをお持ちで、ご自身の大切な軸を持って、お酒造りと向き合われていることを強く感じました。

初めて蔵を訪れた際、「酛すり」の作業を見させていただきました


そんな小島さんがチャレンジしていることの一つに「時代に逆行したお酒造り」があります。

一般的に行われている「乳酸」で水を酸っぱくして、酵母を添加する速醸という方法でお酒造りが行われています。この製法でお酒を造る場合、味をコントロールしやすいというメリットがあります。

一方で、小島さんが挑戦しているのは、昔ながらの製法です。現代のお酒造りから徐々に遡り、明治時代、江戸時代の製法を経て、今は室町時代に奈良で行われていた水もと造りといわれる製法でお酒造りに挑戦しています。

自然醸造という製法

現代の造りから逆行して、奈良時代のお酒造りをすると、本当のお酒の味と姿を見ることができると、小島さんは話してくださいました。

現代のお酒造りでは、乳酸と酵母を添加することで、お酒造りの酛(もと)となる酒母を造ります。
しかし、小島さんが新たに挑戦をしているのは、米ぬかの乳酸菌を使い、水の中でその乳酸発酵が進んだ「ぞやし水」を使って、お酒造りをします。

現代の造りと比較をすると、味の予測ができず、同じお酒を造り続けることがとても難しい製法になります。

「その予測ができない世界で、自分ができる酒造りのスキルと予測ができない面白さを掛け合わせることで、しっかりして、安定している中に、何とも言えない曖昧さを表現することができる。意図せぬ奇跡を求めて挑戦している。」

現代のお酒は、現代の人だけが美味しいと言いながらお酒を楽しむが、小島さんが挑戦されている造りをすると、「『過去の人も、今の人も、未来の人も絶対美味しい』と思えるお酒を造ることができる。時代や時間、人の違いに影響を受けないお酒こそが、いいお酒」とお話してくださいました。

お酒を一緒に楽しむことで一体になる

酒には、お米とお水と人(ご先祖様)が入っていると言われています。そのお米は土からできますが、田んぼで土を手のひらにとってみると、その取ったわずかな土の量でも、微生物など、とても多くの生命が存在しています。その多くの生命の中には、ご先祖様の記憶も含まれています。

人間も火葬が始まる前は日本でも土葬をしていました。その記憶を微生物が土に還すことで生命が循環しています。土にご先祖様の記憶が含まれているのです。その土からお米が作られています。お米には神がやどっていて、ご先祖様からいただいているものだから、1粒も残してはダメと教えられる理由には、このようなルーツがあります。

ご先祖様が宿っているお米で酒をつくると、お酒にはその土地の記憶が全部入っていることになります。「同じ空間、時間でこのお酒を飲むことで、土地と自分が一体になったり、一緒に飲んでいる人と一体になったりと、あなたも飲んだ。一体になっている。だから、僕らは土地を共有する同じ群れだね」となるのがお酒を飲むことのルーツ。

現代でもサラリーマン同士がお酒を交わすことで、一体に感じたり、仲間意識が芽生えたりしますね。今でもお酒の本来の役割は変わっていません。

仕組みを作ることができる酒、「イトナミ」を具現化したもの

「イトナミ」とは、過去、現在、未来があるものという意味です。「イトナミ」があるものは、過去に誕生し、今でも残っており、未来へと伝えられるもので、日本酒以外だと、歌舞伎や相撲なども「イトナミ」があるものといえるかもしれません。

みんなが共有するものをカタチにすること、それが文化として、現代まで伝わってきており、今後も続いていくでしょう。

お金が出発点になるのではなく、ヒトとヒトの繋がりから生まれるもの、ヒトからヒトへ伝え続けられるものこそ、「イトナミ」のあるものとして、過去も現在も未来も愛されます。

「イトナミ」という考えを大事にしながら、過去の人も、今の人も、未来の人も全員が美味しいと思えるお酒を追求されています。

尖りのない「万人受け」ではなく、「突き詰めた先の『万人受け』『誰からも愛される』」を目指されている小島さんの熱い想いがとても印象に残っています。

心に沁みる小島杜氏の「天穏」

「時代や時間、人の違いに影響を受けないお酒こそが、いいお酒」と話す小島杜さんが造るお酒はやはり格別でした。

小島さんの想いのこもった「天穏」は口の中で味わいが広がるだけではなく、心、お腹にまで味わいがじわーっと広がっていくような、そんなお酒です。(もう少し味の表現を豊かにできるようになりたいですね)

島根県内でしたら地元のスーパーでお取り扱いは在りますが、関東近郊だとなかなかお見掛けしない銘柄ですよね。島根県外にお住いの方は、こちらの板倉酒造様のオンラインストアから、お買い求めください。

今回は僕自身が日本酒にハマったきっかけとなる酒蔵、杜氏さんとして、島根県出雲市にある板倉酒造の小島さんをご紹介させていただきました。
小島さんのように、想いがある造り手の方を今後もどんどん紹介させていただきたいなと思っています。

造り手の方の顔がわかる、想いを知っている、という状態でいただく日本酒は今までとはまた一味違う味わいになると思います。

この記事を読んでいただき、気になった方はぜひ板倉酒造さんのオンラインサイトで購入してみてください。

どんどん造り手の方の想いやビジョンを知る方が増えていってくれることがとても嬉しいし、楽しみなので、これからも引き続き紹介させていただきます!

今回は、ご協力いただきました、板倉酒造様、小島様、本当にありがとうございました!!!

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