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【論文レビュー】社員が自発的に働くために必要なこと。:Parker, Bindl & Strauss (2010)

組織で求められる行動を先回りして自発的に行動することをプロアクティヴ行動と言います。変化が激しい時代においては、受動的ではなく自発的に働くことが求められ、また個人の自律性が重視されている現代において、プロアクティヴ行動は注目されている概念の一つです。

自発的に働くことが重要なのはわかるし、先回りして対応することが重要なのもわかる。では、どうすれば良いのか?この疑問に答えるのが本論文です。

Parker, S. K., Bindl, U. K., & Strauss, K. (2010). Making things happen- A model of proactive motivation. Journal of management, 36(4), 827-856.

著者たちが重視しているのは、自発的な目標を設定すること(proactive goal generation)と、そこに向けて努力すること(proactive goal striving)の二点です。自発的な行動の前提として、目標を自ら作り遂行するというプロセスがあるということです。

このプロセスに影響を与えるのが自発的に動機付けられる状態性(proactive motivational states)です。ここでは三つのものが明らかにされていて、①できること(can do)②理由があること(reason to)といった合理性に関するものと、③活動的であること(energized to)という感情面に関するものとが挙げられています。

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ここまで挙げた二つの項目と、それらが何から影響を受けて何を媒介しているかが上の図にまとまっています。個人の持っている特性や環境要因も影響を与えていることが分かります。

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