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【論文レビュー】労働意志はキャリア・アダプタビリティを媒介してエンプロイヤビリティを高めます。:Kwon(2019)

本論文では、労働意志(Work Volition)はキャリア・アダプタビリティを媒介してエンプロイヤビリティを高める、という関係性を実証しています。論文を読んでいただくと理解いただけると思うのですが、ここでのエンプロイヤビリティは本人の認識を測るもの(Perceived Employability)ですので、その点はご注意くださいませ。

Kwon, J. E. (2019). Work volition and career adaptability as predictors of employability- Examining a moderated mediating process. Sustainability, 11(24), 7089.

全体像

本論文での仮説モデルを見ていただくと冒頭の関係性がわかりやすいと思います。いずれの仮説も検証されました!と著者たちは結論づけています。

p.6

こうした仮説モデルを、韓国での大学生を対象とした定量調査で実証しているのが本論文です。

エンプロイヤビリティの尺度

「学生がエンプロイヤビリティを測るとはどういうこと?」と思われるかもしれません。日本ではちょっと意外な感もある気がします。ただ、学生を対象にして、初職に就くためのエンプロイヤビリティを測ることは海外では通常のようでして、Rothwell & Arnold(2007)の16設問で測定しています。たとえば以下のような内容です。

“I can easily find out about opportunities in my chosen field.”
“I am generally confident of success in job interviews and selection events.”

p.7

項目を見ていただくと、学生でも回答できるものであることは何となく伝わるのではないでしょうか。

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