【レポート】初期配属の重要性:マイナビ(2020年11月4日公開)
新卒入社で最初にどこに配属されるかが重要なのはなんとなくイメージを持ちやすいのではないでしょうか。個人的にもすごく重要だったと思います。マイナビさんが入社半年後の影響についてデータを取得し分析したレポートを今回は扱います。なお、本調査は2019年10月〜11月実施のものなのでコロナ前のデータをもとにしたものであることは予めご承知おきください。
調査概要
冒頭で調査時期については指摘しましたが、それ以外の調査対象をはじめとした基礎データは以下の通りです。
後で述べますが、文系と理系とで分けて調査・分析を行っています。新卒という観点では両者で異なる採用や配置がなされる傾向がありますので、実態に即したものと言えそうです。
配属先の重要性
本レポートの結果として、入社半年後の満足度は将来のキャリア展望を上昇させ、転職意向を下降させるという影響を与えることが示唆されました。新入社員の中長期的なリテンションを経営から強く求められる昨今において、いかに入社半年後の満足度を高めるかが重要と言えそうです。
では、入社半年後の満足度に何が影響するのでしょうか。本調査では、福利厚生の充実、研修満足度、企業への満足度、上司動労への満足度、労働条件への満足度なども調査しているのですが、最終的に用いているSEM(構造方程式モデリング)では配属先への評価が入社半年後の満足度に影響していると結論づけています。端的に示すと以下の図のとおりです。
企業は配属部署を配慮しつつある!?
新入社員の配属が重要であることが本レポートでわかった重要な示唆です。それに対して企業はどのように対応しているのでしょうか。以下では、新入社員側の回答にはなりますが、配属先に対する満足度の調査結果です。
レポート内の指摘にもあるように、配属部署を限定的にして採用する理系だけではなく、文系においても配属先への満足度は意外に高い状況です。経年変化を見ているレポートではないものの、企業が新入社員の配属先に心を配っている状況になりつつあるとも言えそうです。もっと言えば、採用の段階で配属先まで留意した活動を行っている企業が増えてきているのでしょう。
研修の満足度
職業柄、研修の成果に対する満足度についても最後に見てみます。新卒入社社員への研修としては内定者研修と新入社員研修があり、本レポートでもそれぞれについて調査されています。
ま、こんなものですよね。調査概要にもあるように、この調査は入社半年が過ぎた後での回顧的に回答しているものです。そのため、配属現場で日々仕事をしている中で「まあ研修って可もなく不可もなくだったな」と思うのが普通でしょう。
他方、不満足回答をしている新入社員も2割弱と思いのほか多くいます。これらの社員に聞いてみると、次年度以降の研修施策の改善に向けて良いのかもしれません。ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
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