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【論文レビュー】社員が革新行動を取るために必要なこと。:Janssen(2000)

本論文も、先日の大学院での論文に関する面談をいただいた際にご紹介されたものです。端的に言えば、職務要求(Job Demand)革新的職務行動(Innovative Work Behaviour)へと影響すること、またその際に努力が公正に評価され報われるという認識(perceptions of effort-reward fairness)が媒介していることが明らかにされています。

Janssen, O. (2000). Job demands, perceptions of effort‐reward fairness and innovative work behaviour. Journal of Occupational and organizational psychology, 73(3), 287-302.

革新的職務行動とは何か

本論文において革新的職務行動は以下のように定義されています。

the intentional creation, introduction and application of new ideas within a work role, group or organization, in order to benefit role performance, the group, or the organization(288頁)

この定義に含意されていることは、目覚ましい結果を提供するための意図的な努力を提供することが大事だと著者は述べています。その上で具体的には、アイディアの①創造(idea generation)、②促進(idea promotion)、③実現化(idea realization)という三つから構成されているとしています。

職務要求と職務革新行動との関係

会社から必要以上に高い職務要求が社員に対してポジティヴな影響を与えることがあります。ただしそこには条件があります。本論文では、高い要求に対する努力が公正に扱われる場合、社員の職務革新行動にポジティヴな影響を与えます。

職務をコントロールできる感覚を持つこと

さらに、社員が職務をコントロールできる感覚を持つことができれば、職務要求と職務革新行動との関係はさらに強化されます。つまり、自分自身でコントロールできる職務の範囲が大きいと感じられれば、難しい職務要求に向かって職務革新行動を行うようになることが示されています。


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