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【論文レビュー】測定不変性とは何か?:Chen(2007)

測定不変性(measurement invariance)について学ぶならこの論文がいいですよ!」といつもゼミでお世話になっている立教の田中聡先生に教えていただいた論文を読んでみました。分かりきったかというと甚だ怪しいものですが、現時点で理解できたポイントを備忘的にまとめます。

Chen, F. F. (2007). Sensitivity of goodness of fit indexes to lack of measurement invariance. Structural equation modeling- a multidisciplinary journal, 14(3), 464-504.

前置き

念のためですが、測定不変性は主に(実証)研究で使われるものであり、ビジネス実務で使われることは稀と思われます。そのため、いつもよりさらにマニアックな内容である自覚がありますので、「あ、違うな」という方は以下に進まないことをオススメします。

測定不変性

では測定不変性とは何かについて見てみます。本論文では以下のように説明されています。

Tests of measurement invariance examine whether an instrument has the same psychometric properties across heterogeneous groups.
(ざっくり和訳)
測定不変性の検定は、(測定のための)ある道具が異なる集団間で同じ心理測定特性を持っているかどうかを調べるものである。

p.465

「同じ心理測定特性を持っているかどうか」ということが焦点となりますので、異なるグループ間である心理的概念を測定してその回答の傾向が同じ構造を持っているかどうかを確認するためのもの、と言えそうです。

適合度の検証

それぞれのモデルの適合度についてはSRMR(Standardized Root Mean square Residual)、CFI(Comparative Fit Index)やRMSEA(Root Mean Square Error of Approximation)で検証するようです。

SEMで適合度分析となると、やはりというかこのあたりになるようです。因子負荷量、切片、残差をみる上ではCFIとRMSEAが適していて、因子負荷量の不変性の欠如に対する検証にはSRMRを用いることが適していると本論文ではしています。すごく乱暴に言ってしまえば、CFIとRMSEAを以て適合度の検証を行えば良さそうとも解釈できます。

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