【読書メモ】組織コミットメントと近い概念があるけど何が違うの？：高木浩人著『組織の心理的側面 組織コミットメントの探求』（4/8）
第4章では組織コミットメントと類似する概念との相違について検討がなされます。ワークコミットメント、職務満足度、離転職の意志、知覚された組織サポート（POS：Perceived Organizational Support）、心理的契約、との関連が考察されています。
職務満足度との関連
まず相違点について二点挙げられています。第一に、職務満足度はある時点での職務に対する満足度であるのに対して、組織コミットメントは組織全体に対する感情です。二つ目は時間軸の相違で、組織コミットメントが中長期的に安定しているのに対して、職務満足度は日常の業務に影響を受けるものです。
両者は関連性が強いと以前から言われてきましたが、どちらがどのように影響するかが検討されてきました。現時点では、職務満足度が組織コミットメントの先行要因とされています。
離転職の意志との関連
これは直観的にわかりやすいと思いますが、組織コミットメントと離転職の意志との関連性はあり、前者が高ければ後者は低いという関係性です。つまり、組織コミットメントを高めることができれば、社員の離職率を下げることができると言えます。
先ほどあげた職務満足度と絡めれば、職務満足度が高い→組織コミットメントが高い→離転職の意志が低い、という関係性になります。このように概念と概念とを繋いでいくと、実務における示唆も見出しなすくなります。
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