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【論文レビュー】会社と個人が共同して職務を設計するとモティベーションが上がる!?:森永・鈴木・三矢(2010)

本論文では、職務自律性(職務を社員がどの程度自律的に行えるか)とジョブ・クラフティング(以下JC)が内発的動機付けに影響を与えることが明らかにされます。

森永雄太, 鈴木竜太, & 三矢裕. (2010). 職務設計を通じた動機づけ戦略- 自律的な職務設計とジョブ・クラフティングに注目して. 神戸大学経営学研究科 Discussion paper, 2010.

より詳細に言えば、職務自律性とJCはそれぞれが単独で内発的動機付けに影響するとともに、両者が内発的動機付けに対して交互作用効果を持つことも示されています。

本論文が提供する理論的意義として二点挙げられています。

①職務設計は社員も行うことができる

従来は、組織が社員のモティベーションを「管理」するという考え方から、職務デザインを組織(上司)が行うことが当たり前でした。しかし、職務自律性やJCといった社員自身による職務設計が内発的動機付けに有効であることが示されたことによって、職務設計を個人が行うことの有効性が示されることとなりました。

②組織の職務設計と社員の職務設計は両立可能

また、従来の組織による職務設計と社員による職務設計とは両立可能であることも示されました。むしろ、動機付け効果を高めるためには、それぞれを単独で行うのではなく両立することが必要であるという結果まで示されています。

この二点から私たちが大事にしたいことは、組織と個人とを切り離して考えないということでしょう。ともすると、「会社が〇〇をしてくれないから」と社員側は思い、会社側は「社員は〇〇くらいしてくれないと困る」とお互いに被害者意識を持ちます。しかし、被害妄想に逃げるのではなく、両者が協力することで、社員の自発的な工夫とそれによる動機付けの向上のあり方を検討したいものです。


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