見出し画像

「君は社会人に向いていないよ」

皆さんは「厳しい言葉」を
もらったことがありますか


若手社員や受講生へ話を聞くと
『 社会人になって「叱られる」ことがない 』
『 叱られなさ過ぎて距離感を感じる 』
という話を良く聞きます



それを聞くと
「いい時代だったんだな」
と昔を思い出します



頭の中の消しゴムが
記憶を美化してます





そんな今思えば「いい時代」に
先輩から言われた言葉



私はこれまでも
そしてこれからも
絶対に忘れません









社会人1年目
私は東京でシステム開発をしていました

入社して4月がもうすぐ終わる頃
開発プロジェクトへ参加する前に
社内研修を受けていました

社内研修の発表会へ向けて準備をしていた時
突然先輩がやってきた


先輩)「明日からプロジェクトに入ってくれるかな」
私)「とっ突然ですね わかりました」


突然過ぎて驚いたが
内心は
(おっ必要とされている やった)
と思っていた


そう思っていた

1週間ぐらいまでは




(やばい 倒れる)




最初の1週間は天国だった
プロジェクトの説明
メンバー紹介
優しい眼差しのプロジェクトメンバー



朝8時に出社
夜22時半に退勤

開発現場で良くある
「炎上プロジェクト」だ


初日に周囲が向けていた目は
「可哀想に 地獄へようこそ」
という
哀れみの目だった



1ヶ月後



先週いた人が
月曜日にいなくなり
新しい人が入ってくる



そんな光景も見慣れてしまえば
何も感じなくなるものだ


そして
朝7時出社
翌3時仮眠
朝7時起床+出社
夜22時退社
土日祝は出社

となり


340時間労働/月
という異常な労働が
数ヶ月続いた頃
システムがリリースされた


リリースされた時の
歓喜に満ちた声は
今も覚えてる


あの頃のやばい状況は
絶対に後輩へ経験させたくない


ただ
あの頃のやばい状況が
「どんなに疲れても折れない心」
を生み出してくれた


過去の経験として感謝している





そんなプロジェクトを
一緒に最後まで頑張った 先輩
結構尊敬していた 先輩
折れそうな時に色んな雑談をしてくれた 先輩

あの時
なぜあんなことを言ったんだろう





社会人2年目の冬
年度末に退職することを伝えに
先輩へ会いに行った

色々話をしてくれ 笑い合った
そして最後の別れ際に


「君は社会人に向いていないよ」



と伝えられた


別れ際だったのと
お酒を飲んでいて気持ちがふわふわしてたから
その言葉を重く受け取っておらず

私)「ははは 何言ってるんですか(笑)」
と返した



帰宅している最中
酔いも覚めてきて

その言葉が頭の中から消えない


これは どんな意味があったんだろうか

へらへら ちゃらちゃらしてるお前は
社会人なんて向いてないぞ
ということだったのだろうか




それとも
社会人じゃなく「天竜人テンリュウビト」になれ
ということだったのだろうか



(後者なのだろうと思うけど)




先輩

あの時の言葉

十数年経った今でも

毎日忘れずにいます


グループリーダーになった日も
執行役員になった日も
子供が2人産まれ
仕事に追われ
忙しい毎日を過ごしている時も
ひと時も忘れずに
ずっと頭に残ってます



この言葉に悩まされているわけではない

むしろ
日々の行動に
「社会人らしさってなんだ」
と自問自答するきっかけになっています




先輩


私は


あの頃と比べて
3倍以上稼げる様になりました





先輩



私は



天竜人テンリュウビトになれましたか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?