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千葉市 「スーパーソニック」後援取り消しは当然の対応

音楽フェス「スーパーソニック」に関して、開催地の千葉市が規模の縮小もしくは中止や延期を求めていることに対して、主催側が応じないことから、市側が後援の取り消しを発表したが、これは至極当然のことだと思う。

国や自治体の援助を受ける以上は、国や自治体の要請・ガイドラインに従うべきであり、それに従わないイベントや公演などに対する援助を打ち切るのは当たり前のことだ。
これを、日本の政治家は文化・エンタメを軽視しているという話に結びつけてはいけないと思う。
しかも、アーティストにしろ、音楽ファンにしろ、五輪やパラリンピックの開催を批判していた人の中にそういう意見を述べるのが多いのだから、呆れてしまう。
自分の好きなものは認めるが、嫌いなものは認めないという単なる自分勝手な奴でしかない。

中止・延期をしたくないなら、せめて、五輪やパラリンピックのように無観客開催(オンライン配信含む)という妥協案くらいは提示しても良かったのではないか?

中止や延期、規模縮小、無観客開催といった対応に変更できないのは観客がチケット購入に支払った代金や、国・自治体からの援助で得た金を既に運営上の“予算”として使ってしまっているからなんだと思う。

だから、中止に限らず、延期や規模縮小、無観客開催になった際に発生する払い戻しに対応する金がないので、強行開催しているのだと思う。

延期されれば、その日程では会場に足を運ぶことができなくなるファンはいるし、規模縮小にすれば入場が認められなくなった観客も出るので、払い戻しに応じなくてはならないしね。

また、無観客開催でも、チケット購入者は全員オンラインで見られるという措置にしたとしても、肉眼で見られるからこそチケットを購入したのにオンラインでしか見られないなら返金して欲しいというファンだっているし、中にはオンライン視聴の環境が整っていない人だっているから、そうなったら、一旦は払い戻して、それから配信チケットを発売ってなるしね。

結局、音楽フェスや各アーティストの単独ライブに限らず、演劇でもなんでもそうだが、日本のエンタメ界というのは自転車操業なんだよね。
だから、本来なら公演終了後の精算に使うべきであるチケット収入や、国・自治体からの補助金を公演前に使ってしまうんだろうね。

コロナ禍になって、チケットが電子になった公演が増えたにもかかわらず、そういう公演の支払いが現金オンリーだったり、あるいは、クレジットカードなどキャッシュレス払いに対応していても、振り込みやコンビニ払いといった現金払い希望者の当選が優遇されていると思われるケースが多いのはその証拠だと思う。今すぐ現金が欲しいんだろうね。

そういう自転車操業体質を改善しないと、withコロナ時代のライブエンターテインメントなんて運営できないよ!

そして、問題なのは運営側やアーティストだけではない。観客の態度もおおいに問題があると思う。

世間一般的にはオタクというのは厄介で不衛生的な存在として扱われているが、ライブエンターテインメント現場のマナーの良さをジャンル別で見ると、フェスだろうと、単独公演だろうと、

アニソン>アイドル>一般邦楽>サブカル系邦楽(クラブ系やヒップホップなど)>洋楽

という感じになるのではないだろうか(クラシックやジャズ、演歌などはとりあえず、ここでは除く)。

アニオタというのは、一般向けの実写映画も上映されているシネコンであろうと、コミケ帰りの乗り換えに利用する新橋駅だろうと、どこでも独特な列の作り方をするからね。何だかんだ言って、規律重視派なんだよね。運営やアーティスト、会場などの要請には結構、従順だしね。
まぁ、アニオタにはネトウヨ思想とシンクロしている連中も結構いるから、上からの命令には素直に従うんだろうね。だから、ライブ会場でのマナーもきちんと守れる。

同じオタクでもドルオタに関しては、中高年オタはネトウヨ化しているから、運営やアーティストの言うことには従うけれど、若いファンには厄介と呼ばれるような暴れたいだけの連中もいるので、必ずしも一枚岩ではないって感じかな。

一般邦楽に関しては、たまにしかライブエンターテインメント現場に来ない人も多いから、マナーやルールを知らない人がいるって感じかな。
オタクは公演前に公演やアーティストの公式ホームページやSNSを見るけれど、数年に1回しかライブに行かないような人とか、友達や家族、彼氏・彼女の付き添いで行った人なんて、いちいち、そんなの見ないしね。

サブカル系邦楽に関しては、言いなりにならないのがカッコいいと思っている連中が多いから、そりゃ、この前のヒップホップ系フェス「波物語」ではないが、言うことを聞かない輩が多いのも当然といった感じかな。

洋楽に関しては、外国人や帰国子女といった日本人的思考を持たない観客も大勢やって来るからね。そもそも、彼等は日本語で書かれた注意書きなんて読まないから、運営側がお願いしたって通じないしね。

通常なら洋楽アーティストも参加するのに、今回は邦楽アーティストだけで実施した「フジロック」ですら、観客のマナーが悪いと批判された。客席もかなり密な状態だったし。
しかも、開催終了後すぐに、フェス参加者にコロナ陽性者はいなかったみたいなアホなことを発表して大バッシングを浴びた。

ところが、その翌週に不織布マスク着用者は参加NGとうたったダンスフェス「GLOBAL ARK」と、ノーマスクな上に飲酒もしている観客だらけで、しかも、超密な状態。そして、運営やアーティストもそれを煽っているヒップホップ系フェス「波物語」の酷さが明らかになると、一気に「フジロック」がまともな扱いになってしまった。

そして今、開催の是非が議論されている「スーパーソニック」は洋楽アーティストの参加もアナウンスされている。

先程の観客マナーチャートでいえば、最下位に位置するジャンルだ。
外国人や帰国子女など、日本国内では当たり前とされているマナーやルールが通じない人の参戦が予想される。そりゃ、「フジロック」や「波物語」以上に酷いことになるのは間違いないと思う。

だから、自治体側が中止や延期などを要請し、マスコミが批判するのも当然だと思う。

イベンターやアーティスト、音楽ファンは、今後も音楽業界がまともな産業として認められる存在でいて欲しいと思っているなら、五輪パラリンピック憎し、マスゴミ憎しみたいな一時的な感情は捨てて、「スパソニ」を中止もしくは、延期、規模縮小、無観客開催などの方向に進むように動くべきたと思う。

以上、あらゆるジャンルに足を突っ込み、浪費しまくっている1人の音楽マニアの意見でした。

※写真は音楽フェスのイメージとして「@JAM EXPO」の会場で撮影したものを使用しました。

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