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AKB48チーム8  春の総決算祭り 9年間のキセキ 昼の部

チーム8の活動休止というのは秋元康系アイドルを追いかけている人間なら誰もが予想していたことだと思う。
というか、活動休止と言っているが事実上の解散だと思う。映画館がつぶれても閉館でなく休館と言ったり、雑誌の発行をやめても廃刊でなく休刊と言うのと同じで、ファンや支持者に少しでも希望を持たせるためにマイルドに言っているだけだと思う。

チーム8の活動をサポートしていた、要はスポンサーのトヨタが2021年に降りた時点で、誰もがチーム8というプロジェクトが終わると思っていたので、それから2年も続いたことは逆に驚きだったと思う。

チーム8として初のオリジナル曲であり代表曲でもある“47の素敵な街へ”の歌詞を読めば分かるようにチーム8はトヨタの宣伝部隊だったんだよね。だから、全国どこでも宣伝イベントができるように47都道府県それぞれの代表という形でメンバーを選んでいたわけだし。

また、現在のAKB48における人気メンバーがチーム8に多いというのもチーム8を事実上の解散・廃止にせざるを得ない理由ではないかと思う。

AKB48グループは2018年を最後に選抜総選挙をやらなくなってしまったので明確なメンバーの人気順は分からなくなっている。
コロナ禍になってからは握手会をやっていないので“握手券売り上げ”という形で人気メンバーを明確化するのも難しくなっている。代替のオンラインお話し会などでは応募するモチベーションが保てないというファンも多いだろうしね。

非オタ以外にも知られているメンバーは現役では柏木由紀しかいないと思うが、彼女を除くと、秋元系以外のファンも含めたドルオタに人気・知名度があるメンバーにチーム8所属が多いというのが現状だ。岡田奈々が恋愛スキャンダルで卒業したので、現在はK-POPグループIZ*ONEでの活動を終えて国内に戻って来て2年となる本田仁美(ひぃちゃん)、ドラマ出演も多く写真集も出している小栗有以(ゆいゆい、いつの間にか小文字表記しなくなったね…)、舞台出演も目立つ山内瑞葵なんてあたりが人気上位だと思うが、このうち、ひぃちゃんとゆいゆいはチーム8メンバーだからね…。

だから、印象がどうしても薄くなってしまう他のチームを盛り上げるためにチーム8メンバーを他のチームとの兼任にしたのだと思う。

そして、チーム8の“ラストコンサート”前日にチーム8以外のチームも活動休止となることが発表された。事実上のチーム制廃止だ。

チーム制をやめる最大の理由はおそらく劇場公演が回せないからだと思う。

NMB48が一時期チーム制をやめてユニットごとの活動にしたり、HKT48がチーム数を減らしたのも同じ理由だと思う。NGT48のチーム制廃止は例の暴行事件の影響だと思うからこれは別かな。

表題曲に選抜されたりグラビア仕事が多いような人気メンバーや、人気メンバーではないかも知れないが芸能事務所所属で舞台出演などグループ活動とは別のいわゆる村外の仕事が多いメンバーなどを除くと、劇場公演(表題曲選抜もそうだが)の基本である16人参加が確保できないということなのだろう。

AKBに関してはチーム8所属と研究生を除くと40人もいないから、ここから選抜メンバーや村外仕事の多いメンバーを除くと、確かに4チームあるはずのチーム制で劇場公演を回すのは無理があるしね。

まぁ、劇場公演に出られないメンバーだらけだと、チームわけなんて必要ないよねってなるのは当然だと思う。そもそも、AKBは会いに行けるアイドルをキャッチフレーズにしていたのだから、至近距離で見られる劇場公演に出ないメンバーなんてチームに所属している意味もないしね。
というか、2009年にオリコンで初めて1位を獲得した頃の時点で既に選抜メンバーは劇場公演に出ないことも多かったようなイメージだったしね。
だから、古参オタはチームスピリッツがなんちゃらとか主張するけれど、とっくの昔にチーム制の意義は薄れていたとは思う。

しかし、劇場公演まで選抜制にしてしまうと、表題曲に選抜されず、グラビアや舞台、ドラマなどの仕事もない、事務所にも所属していないようなメンバーはさらに出番がなくなってしまう。

これは事実上のリストラなのではないかという気もする。

それから、現役メンバーも含めたOUT OF 48という秋元康がプロデュースしない企画も進行しているが、これの正式メンバーに選ばれたら、選抜常連以外は事実上これの専属みたいになるだろうし、この企画が進行している間は最終メンバーになろうとなるまいとオーディション参加メンバーが劇場公演に出演する機会も減るだろうし、劇場公演を存続させる=出演者を確保するためにはチーム制をやめるしかないってことなんだろうね。

乃木坂46の選抜とアンダーみたいな感じで、選抜メンバーと劇場公演出演メンバー、さらにOUT OFメンバーという感じで分裂するのかな?

AKBの所属レコード会社が長年のキングからユニバーサルにかわったが、その背景には全盛期(ポニシュ新規という言葉が生まれた“ポニーテールとシュシュ”をリリースした2010年から国民的大ヒット曲となった“恋するフォーチュンクッキー”を発表した2013年くらいかな)のビジネスモデルから抜け出せないキングのやり方では利益が生み出せないと運営側が判断し、ビジネスライクな外資系のユニバーサルに移ったのではないかと推測したくなってしまう。

ユニバーサル移籍第1弾シングル“どうしても君が好きだ”のパッケージも何か安っぽいし、同じく現在はユニバーサル系の所属となっているNGT48の最新CDシングル“渡り鳥たちに空は見えない”にはMV収録のDVDが付いていなかったし、といったことを考えると経費削減がユニバーサル移籍の目的なんじゃないかとも思えてくるしね。

つまり、チーム8の事実上の解散も、他のチームを含めたチーム制の事実上の廃止も、利益を生むための判断なのかなと思う。おそらく、今後、卒業していくメンバーは増えるんじゃないかなという気はする。

そんな不安要素もある中、チーム8の“ラストコンサート”に参戦した。ぶっちゃけ、チーム制の事実上の廃止はこれが終わってから発表して欲しかった気もする。チーム8のことだけに意識を集中できるようにして欲しかったってところかな。

自分が見に行ったのはチーム8の歴史を振り返るような内容の公演となった昼公演の方だ。ちなみにAKBグループのチケットセンターではなく、イープラスで応募したということもあってかクソ席だった。

そのせいでアリーナ席やスタンド席前方の盛り上がりが分からなかったし、自分がいた3階席は基本着席での鑑賞だったし、前後左右に叫びたがるような輩もいなかったので、“ラスコンで声出しOKなのにこんなにおとなしくていいの?”というのが正直な感想だ。

チーム8のファン、いわゆるエイターと呼ばれる人たち(関ジャニ∞のファンもそう呼ばれるが)って厄介のイメージがあっただけにちょっとびっくりした。コロナ禍になって、しばらく声出し禁止が続いていたが、その間にファン層が変わったのかな?

まぁ、騒ぎたいだけの連中は地下アイドルに行ったり、櫻坂46とか日向坂46やイコノイジョイに流れたりしたんだろうなという気はするが…。

まぁ、迷惑な客は皆無ではなかったけれどね。発達障害なのかそれとも足腰が悪いのか知らないが、自分の席に着こうとしている客が通りかかっても全く動こうとしない奴がいたのは腹立ったけれどね。動けないなら、車椅子用スペースとかに回してもらうように頼めよって思った。

一応、チーム8のオリジナルの持ち曲は全てやったし、OG(卒業メンバー)も出てきて最大60人でのパフォーマンスを披露したりもしたけれど、ちょっと詰め込みすぎだったような気はしたかな…。

結局、時間がなくて(昼夜2公演のため)、冠バラエティ番組の再現コーナーは中途半端に終わってしまったからね。

寸劇コーナーとか、AKB48姉妹グループのカバーやユニット曲コーナーはもう少しコンパクトで良かったのではないかという気もした。

まぁ、チーム8のラスコンでHKTの“桜、みんなで食べた”を聞くことになるとは思ってもいなかったので、うるうると泣きたくなってしまったが…。

そして、オリジナル曲ではないが、最初の持ち歌となった“恋チュン”の替え歌である2014年発表の“恋する充電プリウス”まで披露してくれたのも驚きだった。

開演前に場内BGMでも流れていたとはいえ公演内でやるとは思わなかった…。開演前に流れていた音源は酷かったね。9年前はこんなに音痴だったのかと驚いてしまった…。

そうそう!当時、トヨタのイベントに公私混同ではあるが取材しに行ったことを思い出した!
まぁ、その時の目当てはチーム8ではなく、このイベントに参加した“恋チュン”オリジナル版のセンター、さしさんだったけれどね。

それにしても、この替え歌が発表された頃は海外セレブの多くがマンセーするほどプリウス人気は高かったのに、いつの間にか世界的にEVシフトが進み、ハイブリッド車はオワコン扱いになってしまったんだよね…。時の流れを感じずにはいられないね…。

そして、もう一つ思い出したことがある。実はゆいゆいと一度だけ仕事をしたことあるんだよね。
2016年、チーム8は高校野球出場校を応援するプロジェクトに参加していて、東京代表メンバーであるゆいゆいは、東京代表校を応援するためにTOKYO MXの報道情報番組にゲスト出演することになった。
その時に、前日の試合の結果のナレーションをゆいゆいが読むことになり、当時、その番組でデスク兼ディレクター兼記者兼編集マン兼AD兼バイトみたいなめちゃくちゃな業務を担当していた自分は、その高校野球の試合結果を伝えるコーナーも担当していた。その際に、ゆいゆいが読む原稿を書き、ゆいゆいのナレーションも自分が機材を操作して収録したんだけれど、何しろMXだからブースがめちゃくちゃ狭い。だから、ファンが見たらブチ切れるんじゃないかというくらいの至近距離でナレーションを収録したんだよね。
そんなこともあって、それからずっと、チーム8の一番の推しはゆいゆいになってしまっていた。

なので、チーム8の事実上の解散は本当、残念だと思う。チーム8オリジナル曲は良曲だらけだしね。
ラスコン直前でAKBはレコード会社を移籍してしまったから難しいかも知れないけれど、チーム8オリジナル曲だけをまとめたアルバムとか出して欲しかったなという気はする。そういえば、一時期、単独デビューの噂もあったしね。
まぁ、チーム8はチームなのか、姉妹グループなのか分からない立ち位置だったしね。でも、皮肉なことにそうした中途半端な存在だったチーム8がAKB本隊を上回る勢いの人気になってしまったんだよね。現在のAKBはひぃちゃんとゆいゆいのチーム8メンバー2人が2トップみたいなものだしね。

チーム8のオリジナル曲を自分の好きな順にランク付けするとこんな感じかな。

①47の素敵な街へ(2014)
まぁ、言いたいことはドルオタならみんなあると思いますよ。
②夢へのルート(2016)
本格的にチーム8に興味を持ったのはこの曲。
③蜂の巣ダンス(2018)
この頃のチーム8の勢いはすごかった。
④ 好きだ 好きだ 好きだ(2019)
蜂の巣に続く曲で注目度は高かった。
⑤ サヨナラじゃない(2023)
どこかで聞いた曲ではあるが、一応ラストソングだし…。というか、出だしがTrySailっぽい。

結局、古い曲ほど好きってことか…。ただの懐古厨だな…。

《追記》
ぴあアリーナMMって客に対して上から目線だよね。無意味に遠回りさせたり、客を近隣施設にとって迷惑な存在扱いしたり、建物の外観すら撮影させなかったりとかね。チケット業界の老舗的存在だから見せてやってあげているだけありがたく思えという態度がにじみでているんだよね。
映画館のTOHOシネマズもそうだけれど、エンタメ界の老舗・トップってこういうところが多いよね。


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