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舞台「千と千尋の神隠し」2024/3/29(金)18:00

2022年の初演は何度挑戦してもチケットをゲットすることができなかった。おそらく、家族連れやカップル、若者を優遇して当選者を決めていたから、自分のような中途半端な属性の者は対象外となっていたのだろう。

スタジオジブリというか、パヤオの最大のヒット作の舞台化だし、主人公・千尋役は橋本環奈と上白石萌音という人気女優のWキャストだから、どうしても非オタ層中心の客層になるのは仕方ないんだけれどね。

今回、場内で明らかに劇場スタッフに軽視される態度を取られたので、初演時にオタク寄りの客を排除していたことは間違いないと思う。

親子連れの客を優遇したいのか何だか知らないが、そちらのケアをしたいがために、帝国劇場のスタッフがこちらの座席の前にずっと立ち尽くしていて、こちらはいつまで経っても座れなかったし、その後も何度もこの親子連れに声掛けしにやってきて、何度もこちらの視界やスペースを遮っていた。本当、腹立つ!親子連れやカップル、女性グループでない男の客は虫ケラ扱いする方針なのか帝劇は?ふざんな!



話を戻すが、今回の再演はその初演以来となる東京公演だ。ハシカンや萌音だけで回すのはスケジュールに難しいと判断したのか、千尋役には初演時からの2人に加えて、川栄李奈と福地桃子も起用され、4人で回すというかなりイレギュラーなキャスティングとなっている。



自分が見たのは川栄バージョンだ。チケットをゲットできなかった初演の時はハシカン版が見たかったが、今回は川栄のキャスティングが発表された時点でハシカンよりも川栄の方が見たいと思った。その判断は正解だった。

アイドル出身だから身体能力が高いのは勿論だが、彼女は声優演技にも定評があるから、実年齢と大きく異なる世代の役も違和感なく演じられるんだよね。本当に子どもに見えたくらいだ。川栄バージョンしか見ていないので偉そうなことは言えないかも知れないが、4人の中で一番、千尋がハマリ役となっているのは川栄だと思う。



ところで、アニメ版の時から千尋が“強制労働”させられることになる湯屋はソープランドとか遊郭といった風俗や水商売などのメタファーだとよく言われていたが、この舞台版を見てその説はその通りだなと思った。

千尋が本名を奪われ、その店のトップが決めた千という名前にさせられるってのは、風俗嬢やキャバ嬢、ホストなどの源氏名システムそのものだしね。

まぁ、本名の一部が残されているって考えると、風俗や水商売よりも地下アイドルっぽい芸名の付け方かも知れないが。

それから、カオナシがいい人にも悪人にも見えるのも、店からすれば厄介でも嬢からすればいい人だったりするみたいな関係にも思える。

あと、老魔女姉妹もどちらが本当は悪人か分からないようにミスリードしていたし、千尋の両親は普通の中流階級の夫婦かも知れないが、無銭飲食して豚にされたりもしている。

ハクだって、マインドコントロール下にある時は冷酷だったりする。

この「千と千尋の神隠し」という物語は誰しも二面性を持っているし、善悪の境界は曖昧だということが一番伝えたいことなのかも知れないと思った。

やっぱり、パヤオって左翼だよねというのがこういうので分かる。

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