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見える子ちゃん

萌えをこえたエロ、しかも女子高生を主人公にした作品でやるのはどうかと個人的には思う。

漫画やアニメなどエンタメ作品における性的・暴力的な描写に対する規制という流れは世界的なものであり、いくら、オタクたちが“表現の自由”だなんだと主張したって、日本国内では通用しても海外では通用しなくなりつつあるのが現状だ。

漫画やアニメというのは日本が海外に輸出できる数少ない文化的産業なのだから、海外展開する作品に関しては、表現をマイルドにしなくてはいけないのは当たり前のことであり、これを理解できない人に対しては“老害ネトウヨ”と呼ばざるを得ないと思う。

日本のフェミとかリベラルとかパヨクと呼ばれる人たちのモノの言い方は確かにムカつく部分は多い。でも、自治体とか公共機関のキャンペーンなどに巨乳を強調したキャラやミニスカートをはいたキャラを使うのは世界的な視点で考慮すれば非常識もいいところと言えるのではないだろうか。

日本のオタクには政治経済どころか、エンタメやアートに関しても、海外に関する知識や興味がない者が多いので、彼等にはそうした世の中の変化が理解できないのだと思う。
だから、オタクはフェミやリベラル、パヨクは単にオタクが嫌いだから、オタクがイケメンでないから、オタクの好きなものを批判しているだけと思っているのだろう。
 
そのオタクのフェミやリベラル、パヨクに対する劣等感のようなものをうまく利用しているのが自民党だ。

自民党なんて、フェミやリベラル、パヨク以上にオタクを見下している連中だらけだが、フェミやリベラル、パヨクが規制を主張する性的・暴力的な描写というのは、自民党の基本思想である前近代的な男尊女卑的家父長制度に通じるものがある。要はセクハラ、パワハラ当たり前の世界だ。

だから、その部分をうまく規制描写に絡めて、自民の保守思想こそ漫画やアニメの性描写や暴力描写に対する規制から守ることができるとアピールする作戦は本当にズル賢いと思う。

まんまとオタクどもは騙されて、自民党を支持しなければ日本の漫画やアニメが滅びると思い込んでいるしね。

でも、そうした自民のやり方や、自民を盲信しているオタクを批判している自分だが、実はオタクだし、変態だ。というか、風俗とかも大好きだし、AVやエロ描写のあるアニメだって見る。

自分は単にTPOをわきまえろと言いたいだけなんだよね。

オタクしか見ない場で巨乳やミニスカートのキャラが提供されることにはなんの問題もないし、そういうのまで規制しろってなったら、“ふざけんな!”と声を大にして主張したいと思う。

要は、未成年やオタ属性のない女性の目にふれるところではやるなよって話なんだよ。

それは、表現の自由を奪うことでもなんでもない。公の場で人種差別的発言をしてはいけないことと同じなんだよ。
まぁ、ネトウヨ化しているオタクの中には公の場で韓国人の悪口を言うことも表現の自由だと勘違いしているのが多いようだが。

前置きが長くなったが、要は女子高生の性的な部分を強調した描写の多い本作が、いくらTOKYO MXとはいえ地上波で、いくらBS日テレとはいえ地上波キー局系のBSチャンネルで放送されるのはどうかと個人的には思う。

これが、同じBSでも有料放送のWOWOWだったら何とも思わないし、Netflixなど配信サービスの独占配信作品だったら、尚更、何とも思わない。

女子高生の胸や太腿を強調したシーンが多すぎるし、中にはトイレでパンツを脱ぐ描写まであったからね。ダメでしょ!

でも、このアニメが嫌いかというとそうでもないんだよね。

霊が見える主人公みこと、実は霊を引き寄せる能力がある大食いの親友ハナによる漫才みたいなかけあいは面白いし、さらに、この2人に絡むようになった霊能力者志望のユリアとのやりとりも面白い。

また、普段はギャグとエロが中心だが、時々、マジでホラーになる時があって、それは本当に怖い。最終回の提供ベースは単なる提供ベースではなく強烈に怖いオチがついていたしね。というか意味深なオチだった。

それから、時々、めちゃくちゃハートウォーミングになる話もあったりするから、これまた驚く。

かと思えば、産休に入った教師のかわりにやってきた教師が親から虐待を受けて育ったために変な性格になってしまったという社会的な描写もあるしね。

さらに、みこの身近な人物が実は「シックス・センス」的な存在だったなんていう大ネタもかましてくれたりする(いまだにこのオチを使う人いるんだな…)。

なので、一概に時代が変わったことを理解できないネトウヨ 老害オタクを満足させるためだけのエロアニメでないんだよね。

というか、みこ役の雨宮天の演技が結構良い!CMで言っている“へぇ、そうなんだ”という台詞の言い回し、かなり好きかも。
あと、OP曲とED曲を彼女がみことして歌っているけれど(要はキャラソン)、TrySail的立ち位置でいえば、雨宮天っぽい曲ではなく、夏川椎菜っぽい電波・サブカル系と麻倉ももっぽい可愛い系の中間みたいな曲調になっているのも面白い。
みこをライバル視しているユリア役のあやねるの演技も良い。何気に当たり役だと思う。

なので、なんだかんだ言って楽しむことはできたシリーズだとは思う。ただ、最終回としては物足りなさを感じたのも事実。

一応、これまで幽霊に対して見えていないフリをしていたみこが、身近な人物を救うために、ある幽霊に対しては見えていることを明らかにしたのは成長したあかしであり、最終回的展開ではあると思う。

ただ、シリーズを通じて提示されていた謎の中には解決されていないものも結構ある。
みこの危機を救った神みたいな存在は何だったのか?そして、この神みたいな存在が3回だけ助けるといったことの意味とは何だったのか?その辺が曖昧に終わった気がする。
3回チャンスをやるから、幽霊に自分の力で向き合えってことなのかな?

それから、みことハナの能力によって隠居を決意したゴッドマザー(占い師)は、その後もみこたちのことを気にかけているようだったが、結局、再会することなく終わってしまったしね。

そして、最大の謎といえば、ハナの霊を引き寄せる能力だ。これに関しても、本人は知らないままとなって終わってしまった。というか、みこやユリアが霊能力を持つことになったきっかけだって分からないしね。

原作がまだ続いている中、1クールのアニメとして原作の区切りの良いところで終えるとこうなってしまうということなんだろうけれどね。
まぁ、最近はとりあえず1期を放送して、話題にはれば2期をつくる。ならなければ、話が途中まででもそこで終了という海外ドラマ(特に米国製)のシーズン制に近い作り方のアニメ(特に深夜アニメ)が増えているから、アニオタの方も投げっぱなしで終わることにはすっかり慣れてしまってはいるけれどね。

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