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Maroon 5 WORLD TOUR 2022 12月3日(土) 東京ドーム

来日アーティストのライブということでいえば4月にTWICEを見ているが、これはK-POPだし、しかも、日本人メンバーがいるし、日本語で歌っている楽曲もあるので洋楽とは言いがたい。
なので、純粋な洋楽のライブを見るのは2019年4月に日本武道館でペット・ショップ・ボーイズを見て以来3年8ヵ月ぶりとなる。
本来なら先月、ジャスティン・ビーバーを見るはずだったが、体調不良で時期未定の開催延期となったため(ライブを延期しておきながら、本来のライブ開催予定時期に来日するのはどうかとは思ったが)、これがコロナ禍になって初めて見る洋楽ライブとなった。

久々の洋楽ライブということで最も気になったことは声出し問題だ。

地下アイドルでは、ディナーショーでの利用が多いホテルや、アイドル、ロック以外のジャンルで使われることが多いイベントホールでのライブを除けばほぼ全面解禁となっている。

地上アイドルは、全般的には声出しNGの現場が多いが、秋元康系でもSKE48が解禁しているし、虹コンとかたかねこのよな半地下グループも解禁している。その一方でイコノイジョイは慎重路線を続けている。
また、男性アイドルではジャニーズが声出しを解禁している。

地上・地下問わずアイドルに関してまとめると固定層以外のファンが少ない現場は、騒ぐことを主たる目的としているファンの現場離れを防ぐため、声出し解禁というアメを与えているように見える。

一般邦楽に関しては、ロック系も固定層に支えられている面が大きいから解禁の現場が増えているようだ。

そして洋楽に関しては事実上、ルール無視状態になっている。夏フェスあたりから洋楽アーティストを日本で見る機会も復活しつつあるが、どうやら、招聘側が声出し禁止をアナウンスしても効果はないようだ。
そりゃそうだ。おそらく、招聘側はアーティスト側に声出しNGとはきちんと伝えていないから、アーティストは客を煽るよね。
それに観客には外国人や何かというと“海外では”と主張するような連中が多い。はなから守る気なんてない奴ばかりだしね。


それにしてもカップルや家族連れだとほぼノーチェックなのに、自分みたいなのが来ると不審者扱いして手荷物検査やボディチェックが厳重になるって明らかに差別だろ!自分みたいなタイプはマルーン5を見てはいけないのか?

というか、客層が若い!
他の洋楽ライブとは明らかに客層が違う!
洋楽ライブでここまで客層が若いのってテイラー・スウィフトを同じ東京ドームで見て以来だ。
さらに今回は、家族連れも多いからテイラーよりも日本のお茶の間に浸透していると言えるのかも知れない。
しかも、男子トイレも女子トイレも均等に行列ができているからメタル系のように野郎だらけとか、テイラーのように女子だらけということもない。

開演時間ほぼ定時で前座のMRMAILBOX(表記はこれでいいのかどうかはよく知らないが、というか本公演の公式ページだとDJ MAILBOXとなっていた)が登場したが、こうした若い層中心の客層では盛り上がらないよね。彼等は洋楽を知らないんだし。
かといって、中高年の洋楽ファンは最近の若手アーティストによる洋楽曲を好まない人が多い。
だから、彼がかける幅広いジャンルの楽曲では会場全体をあたためることができないんだよね。
しかも、ビヨンセとかデュア・リパとか複数曲をかけるアーティストもいたりして統一感がない。

そして、呆れてしまったのが、a-ha“テイク・オン・ミー”、ザ・ウィークエンド“ブライディング・ライツ”、ハリー・スタイルズ“アズ・イット・ワズ”をつなげるというベタベタな選曲…。
ど素人じゃないんだからさって言いたくなってしまった。
というか、45分もプレイする前座っているか?

それから、マルーン5のライブが1時間オシで始まったのは入場が遅れたせいで、観客が悪いとか、運営が悪いとか言っている連中がいるが何言ってんだ?
こういう人たちって、洋楽のライブに行ったことないからオープニングアクトこみで開演時間が設定されているってのを知らないんだろうね。だから、DJを場繋ぎで出てきた人扱いしているんだろうね。それだけ、マルーン5が普段、洋楽を聞かない人にも興味を持たれているってことなんだろうけれどさ…。

そういうのから推測すると、コロナ禍になって初めてとなる洋楽をあまり知らない若者でも知っている洋楽アーティストによる来日公演ということで、若者がコロナ禍でたまっていたものを吐き出すために押し寄せたって感じなのかな。

そして、オープニングアクト退場後、しばらく待たされた後にマルーン5が現れた。

予想通り、声出しやシンガロングがやり放題のライブになっていた。
キャパ制限も何もしていないのに声出しもシンガロングも容認されている洋楽のライブを見ていると、ワンオクのTakaではないが、何故、邦楽アーティストは制限を受けなくてはいけないんだとブチ切れたくなる気持ちも分かるよね。
邦楽はジャンルを問わず、①声出しNG②キャパを減らせば声出しOK③声出し可能な時間帯を制限した部分的な声出しOKのどれかだからね…。

それにしても、マルーン5ってライブで見ると、きちんとロック・バンドなんだねというのを実感した。

マルーン5がアダム・レヴィーンと愉快な仲間たちによるポップ・プロジェクトと化して久しいし、そもそも、彼等がロック扱いされていたのは最初のヒット曲“ハーダー・トゥ・ブリーズ”くらいで、すぐにポップ・バンド扱いだったけれど、こうやって、ライブで聞くと、最近のトロピカルな曲も含めて、きちんとロック・バンドの曲に聞こえるのだから不思議だ。

それから日本のファンの応援の仕方が邦楽アーティストっぽい。ほとんどの観客が揃って腕を左右にウェーブさせたり、腕を前に出すようにしたりする応援の仕方は邦楽ライブでおなじみの光景だし、物販に長い列ができるのもアイドルを含む邦楽ライブの現場っぽい。

まぁ、バリバリなロック・サウンドでないところも邦楽バンドっぽいしね。だから、洋楽をあまり聞かない若い層にも人気があるんだろうね。

ロックロックしていない幅広いジャンルの音を鳴らしているバンドということで言えば、サザンみたいな存在なのかな?

そうそう!アンコールが4曲もあるのも邦楽っぽい。洋楽アーティストだと1曲だけなんてことも多いし、本編のコンセプトをガッチリと決めている場合なんかだとアンコールはなしなんてこともあるからね。あと、マルーン5のライブのノリが邦楽っぽいってのは客層もそうだけれど、花道があるってのも大きな理由のような気がする

2000年代前半にブレイクし、ヒット曲を連発していたロック・バンドのほとんど(ニッケルバック、ザ・キラーズなど)が2010年代になってヒット曲を放てなくなってしまった。コールドプレイですら、BTSとのコラボ曲を除けば、ここ2作のアルバムからは全米トップ40ヒットが生まれていない。
でも、マルーン5は去年出した最新アルバムからもトップ40ヒット(というか“メモリーズ”なんて2位を記録した)を放っているんだから感心してしまう。
まぁ、それはロックに、バンド・サウンドに拘らないという節操のなさのおかげだとは思うが。

それはさておき、デビュー曲“ハーダー・トゥ・ブリーズ”がポップ・チャートに顔を見せるようになってから19年か…。そんなに経ってしまったのか。そして改めて思った。“ディス・ラヴ”とか“シー・ウィル・ビー・ラヴド”、“サンデイ・モーニング”といった初期のシングル曲が今でも好きなマルーン5曲のトップ3を占めているんだなと。この3曲全てが聞けたので満足できた。

《追記》
どうでもいいけれど、規制退場に時間がかかりすぎる。結局、東京ドームのアリーナ席ってスタンド席を下っていかなくてはならないから出るのに時間がかかるんだろうね。
というか、アリーナ席の中央の、しかも高い位置にカメラ席が配置されているから、全然、アリーナ席の効果を堪能できなかった。
これなら、スタンド席の方がマシだったな。


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