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すくってごらん(ネタバレ含む)

最初のうちは、都会民には人間性がないとか、効率を重視した最近の仕事のやり方は人間味がないとか言いたいだけの、古い考えが捨てられない老害どもの戯言みたいな映画に見えて仕方なかった。

しかし、主人公は地方の左遷先で一目惚れした女性(百田夏菜子)にはふられるし、逆に好意を抱いてくれた女性(石田ニコル)とも関係を持たないし、人間的には腐っても、仕事はきちんとやっていたから最終的には都会に戻っていくという話なので、そういう都会批判、現代社会批判の作品でないことは分かった。

結局、都会だろうと、地方だろうと、人間関係を疎かにしてはいけないよって話なのかな?

余談だが、百田夏菜子に相手にしてもらえなくても、石田ニコルに言い寄られたら、自分はOKしてしまうけれどね…。

そして、本作は楽曲でストーリーが進んでいくミュージカル仕立ての作品だが、ミュージカルとしての出来もなかなか良かった。実写版「ヲタクに恋は難しい」の関係者は本作を見て反省して欲しいと思う。ミュージカル・ナンバーは笑える曲、名曲など色々揃っていたし、何より、きちんと、ストーリー進行に必要な楽曲になっていた。

ただ、物足りないと感じた点もあった。それは、百田夏菜子演じる“金魚屋”を経営する謎の女性の扱いかな。あれだけ、ミステリアスな存在として描いていれば、普通、観客は彼女の正体は金魚なのでは?って思ったりするけれど、実の姿は、ただ単にすぐ緊張してしまう、地元好きの娘だったっていうんだから、ガッカリもいいところ…。

でも、和装の夏菜子を見ているだけで癒されるよね…。主人公じゃなくても、実際にあんな女性に出会ったら一目惚れしちゃうよ!

ところで、途中で休憩タイムみたいなやつが入るのは福田雄一っぽい演出だからやめた方が良かったぞ。せっかく、「ヲタ恋」より優れた作品とほめたくなる出来なんだから…。

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