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見られなかった横山由依卒業コンサート

2代目AKB48グループ総監督だった横山由依がついにAKB48を卒業する。

ゆいはんが高橋みなみから総監督を正式に引き継いでから4ヵ月ほどはたかみなもグループに在籍していた(ゆいはんが指名されてからだと1年4ヵ月)。そして、2019年春にゆいはんは総監督の座を向井地美音に譲ったが、ゆいはんはそれから2年半以上もグループに在籍していたことになる。

こうしたトップの肩書きを持つ者がその座を降りてからも現場にしばらく居座る状態というのは、個人的には自分が後継者の立場だと前任者に気を使わなくてはいけないのでやりにくいとは思うのだが、彼女たちはどう思っていたのだろうか…。まぁ、引き継ぎ期間ということなのだとは思うが。

たかみながゆいはんに総監督を引き継ぐと発表した2014年には、握手会で切り付け事件が発生したし、ゆいはんの任期末期にはNGT48の“事件”があった。何となくAKB総監督の交代というのはこうした騒動を有耶無耶にするためにメンバーのトップである総監督を引責辞任させているようにも見えてしまうよね…。

総監督としてのゆいはんは世間的にはどう思われていたのだろうか。

正式にゆいはんが総監督に就任した時期は現時点での世間的にAKB最後のヒット曲と認知されている楽曲である“365日の紙飛行機”がリリースされた頃だ(今年の“根も葉もRumor”は一部ファン画過大評価しているだけ)。
実際にはこの曲はカップリング曲、いわゆるB面曲で、本来のA面はたかみな卒業記念のセンター曲“唇にBe My Baby”だ。
たかみなが卒業を発表してから実際に卒業するまでに1年4ヵ月もあったこともあり(年は2回も越している)、世間的にはたかみなの卒業に対して興味が薄れていたことはよく分かる。
つまり、ゆいはんの2代目正式就任も世間的にはどうでも良くなっていたということだろう。

初代は“努力は必ず報われる”という根性論・精神論で知られていた。個人的にはこの思想は非常に危険だと思う。それは、成功できなかった、評価されなかったのは努力しなかったから、努力が足りなかったからだということになってしまうからだ。
成功した、評価された人には努力を重ねていった人が多いのも事実だが、上に媚びるのが上手で成功した人や、たまたま、ポジションに空きが出たなどの理由でチャンスをつかんだ人だっているからね。

ゆいはんは言うまでもなく努力家だ。総監督になる前は誰よりも練習する汗かきキャラとして知られていた。だから、たかみなの後任にふさわしいと思われたのではないだろうか。

たかみなの根性論・精神論は好きではないが、それでも個人的にはリーダーとしての資質は十分にあったと思う。
自分もチーフADを務めたり、事実上のチーフディレクターとして番組進行を担当したことがあるのでよく分かるが、人に嫌われる覚悟を決めるのって難しいんだよね。
自分の言う通りに動いてもらうには、下の人間にアメを与えた方がいいんじゃないか?厳しく怒ったら嫌われてしまい言うことを聞いてくれないんじゃないか?そう思ってしまうんだよね。

でも、たかみなはそんなことを気にせず、現代の感覚ではパワハラと呼んでもいいレベルでメンバーに注意をしていた。

少なくとも表に出ている部分では、ゆいはんにはそういう面は少なかったと思う。やっぱり、1期生であり先輩メンバーがいなかったたかみなとは違い、下っ端メンバーとしての経験もあるゆいはんにはそこまで厳しくできなかったというのはあるんじゃないかなとは思った。

その一方で、たかみなから引き継がれた路線もあったと思う。それは、いじられキャラという側面だ。リーダーをいじれるというのはそれは別に単に現場が仲良しこよしサークルになっているという意味ではない。リーダーに冗談を言えるような現場であれば、マジメな議論をする時でも下のメンバーは提案をしやすいからね。だから、いじられキャラ的な立ち回りをしたことは評価に値すると思う。

ここからは3代目のみーおんと比べてみよう。みーおんは、元々、子役出身だから芸能界の掟みたいなものには、下手するとたかみなよりも厳しい面もあるのではないかと思う。
また、彼女はAKB加入前はAKBのオタクでもあった。そういうオタク気質というのはたかみなやゆいはんにはなかったものだ。

そうした経験や気質からみーおんは事あるごとにAKB純潔主義とも言える思想を展開してきた。
要はAKBとして出す楽曲やAKBとして開催するコンサートに姉妹グループのメンバーを選抜する必要はないという考えだ。
コロナ禍になって、本拠地が異なるメンバーの行き来が難しくなったことや、各姉妹グループの運営会社が変わったことで、その思想は実現することになったが、ゆいはんにはこうした考えはそんなになかったのではないかと思う。

一時期、NMB48を兼任していたこともあったからね。しかも、その兼任していた時期はAKBグループ史上最強のユニットであるNot yetとしての活動もあった。

おそらく、NGT騒動発覚直後にゆいはんが総監督の座を退き、純潔主義を訴えるみーおんを後釜にすることにしたのは、姉妹グループに対して距離を取れる人間が欲しかったってことなんだろうね。

それにしても、総監督を退いてから卒業を発表するまでが長かった…。

たかみながジキソー(時期総監督)としてゆいはんを指名し、実際にゆいはんが就任するまで1年もあったのも長かったけれど、ゆいはんが総監督の座をみーおんに譲ってから卒業を発表するまでは2年半もあったからね…。
まぁ、それだけ長くいても摂政政治のような面を見せずに、いちメンバーとして活動したことは評価できるとは思うが…。

ただ、そのいちメンバーに“降格”された期間が長過ぎたせいで、ゆいはんの印象が薄まってしまったのも事実かなという気もする…。

よく考えたら、AKBのシングル表題曲でゆいはんのセンター曲ってないから、元々、世間的なインパクトの強いメンバーではなかったのかもしれないな…。在籍時のラストシングル“根も葉もRumor”だって、カップリングにソロの卒業ソングが入っているだけだしね。
やっぱり、良くも悪くも自己主張が強くないってことなんだろうね。

ところで、ゆいはんは歌手志望と言っていたはずだが、卒業したらどうするんだろうか…。ソロ曲は数えるほどしかないし、ソロコンサートだって1回やっただけでしょ…(見に行けていないが)。

ゆいはんと仲の良い山本彩ですら、NMB48卒業後のソロアーティストとしての活動は決して順調とは言えないからね。アイドル時代はさんざん無視していたJ-WAVEが卒業後にやたらとプッシュするようになったのを除けば、ほとんど印象は弱まっているしね…。しかも、体調不良で休業になっている…。

やりたいこととレコード会社や事務所からやらされること、ファンが望むものとの乖離があって悩んでいて、それがライブの動員などにも影響しているってことなのかな?
たかみなだって、歌手志望だったはずなのに卒業後はほとんど歌手活動をしていないしね。

AKB在籍時代から演歌歌手として活動していた岩佐美咲くらいだよね、AKBグループの卒業者でその後も音楽活動を順調に続けているのって…。
そりゃ、“根も葉もRumor”程度のダンスと楽曲で“最難関ダンス”なんて自画自賛し、オタクもそれをマンセーしているようじゃ村外に出て通じるような音楽活動なんて無理だよね。

なので、正直なところ、ゆいはんの卒業後の活動がどうなるのか心配でもある。ただでさえ、総監督の座を降りた途端、その他メンバー扱いになっているわけだしね。

といった感じで、長々とゆいはんについて語ってきたのは、実はゆいはんがAKBグループの2推しだった時期がかなり長かったからだ。ちなみに本店では彼女が1推しだった。
実は総選挙で彼女に投票したこともある。指原莉乃が初の1位を獲得した2013年は、まぁ、余程のことでもない限り、彼女の1位は間違いないから、1推しのさしさんではなく、2推しを応援しようってな感じで彼女に票を投じたりもしたんだよね。

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なので、ゆいはんの卒コンには行きたかったんだけれど、チケットが取れなかった…。悔しくて仕方ない…。

会場がパシフィコ横浜だから、そりゃ、チケットは取れないよねって感じかな…。フルキャパだとしても5000人程度だし、コロナ対策で座席数を絞っていれば、それよりももっと少ないキャパになるわけだからね…。
坊主騒動以降アンチも多い峯岸みなみの卒コンはぴあアリーナMMでの開催だったが、これはコロナ対策で観客数を従来のキャパの半分にした5000人にしていた。その時もチケットは取れなかったので、やっぱり、5000人程度のキャパの卒コンでは女子や若者、家族連れなどが優先されてしまうんだろうなという気はする。関係者席も多く用意されているだろうしね。

ちなみに、AKBグループ関連の卒コンで行ったことがあるのは以下の通りだ。

2015年 川栄李奈 さいたまスーパーアリーナ
2016年 高橋みなみ(正確には卒コン前日のAKB単独コンサート)横浜スタジアム
2017年 多田愛佳(HKT48) さいたまスーパーアリーナ
2019年 指原莉乃(HKT48) 横浜スタジアム

みんな、“大箱”なんだよね…。パシフィコとかぴあアリーナクラスではチャンスなんて巡ってこないってことなんだろうね。

今年、横浜アリーナで開催された乃木坂46松村沙友理の卒コンに入り込むことができたのは、キャパは5000人に設定されていても、2日間にわたって開催されたので、トータルでのキャパは1万人になった。しかも、自分は最終日、つまり完全な卒コンである2日目ではなく初日の方に応募したから、何とか席にありつけたって感じだったしね。

まぁ、コロナ禍になって、“大箱”で卒コンを開催するのを避けるようになったのは、横浜アリーナで予定していた峯岸みなみの卒コンが延期され、当初より1年以上遅れて会場規模を縮小して開催することになったこととか、東京ドームで予定していた乃木坂・白石麻衣の卒コンがコロナの影響で中止となり、無観客配信ライブに変更されたといったことが影響しているってのはあると思うかな。

コロナ禍になって、延期や中止、規模縮小などのリスクがいつ発生するか分からないから、単なる単独公演なら“大箱”でもできるけれど、卒業メンバーだと契約期間を延長したり、移籍先の事務所と調整したりという諸問題があるから、なるべく強行開催できる会場でやりたいってことなんだろうね。

それでも、乃木坂は高山一実の卒業コンサートとなる東京ドーム公演を一旦延期したうえで、11月に改めて開催したけれど、これはあくまでもコロナの感染が落ち着いたことをアピールするための政治的要素の面もあったと思うしね。2日間開催なのに、会場がドームなのに、多くのファンが落選したってことは、それだけキャパを抑えて安全運転していたってことなんだろうしね。

実際、乃木坂は来月開催の生田絵梨花の卒コン会場がさゆりんごと同じ横浜アリーナになっているというのはそういうことなんだろうなとは思う。
さゆりんごの時よりキャパは増やしているとは思うけれどね。
一般的にいえば、高山先生よりもいくちゃんの方が人気メンバーなはずなのに、高山先生の卒コンがドームとなったのは、高山先生の卒コンではなく、東京ドーム公演を行うことが至上命令だったってことなのでは?

最後に話はゆいはんに戻るが、ゆいはんって最近、舞台仕事が多いから、今後はそっち方面の活動が中心になるのかな?

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