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胸が鳴るのは君のせい

先日、今泉力哉監督による女性観客を蔑視した発言が問題視されたが、本作のようなジャニーズ・メンバー出演映画を見に行くと、そうした発言をしたくなる気持ちも分かるんだよね。

いわゆるジャニオタと呼ばれる人たちに劇場が占拠されているから、お一人様の男の観客がいると、“何で、お前がいるんだよ?”とか、“痴漢目当ての不審者か?”みたいな目で見られるからね…。

共演者とか、監督とか、原作とかに興味があるとか、そういうジャンルの作品が好きとかいう理由で見に来る人だって多いのにね…。

ちなみに、自分は白石聖という共演者に興味があり、キラキラ系映画というジャンルが好きだから見ることにした。

今回に限っては主演(主役は白石聖だと思うが、クレジット上はトップの)美 少年の浮所飛貴にはほとんど興味がない上での鑑賞となった。
本当、ジャニーズ・メンバーって、こういう演技する人が多いよね…。
申し訳ないが、シネフィル的観点からは大根演技と言わざるを得ない。というか、平野紫耀もそうだけれど、こういう声質や発声の人って、何やっても、ド下手演技にしか見えないと思う。まぁ、ファンはそうは思わないんだろうけれどね。

そういえば、ジャニオタによって、“推し”って言葉の意味合いって変わった気がするよね。
AKBグループのオタが“推し”という言葉を使い出した頃は、「チームB推し」という曲のタイトルからも分かるように、ファン側が主語だった。この曲名を丁寧に言い換えれば、“チームBを推している私”だしね。

でも、ジャニオタが使う“推し”って言葉はメンバーが主語なんだよね。彼女たちが“推しの演技が…”と言った時の“推し”は“私”ではなく“メンバー”のことをさしているしね。

ジャニーズ関連の話をもう一つ。本作はジャニーズ主演映画ということで、本編上映前のCM予告タイムでは今後公開されるジャニーズ主演映画の予告編が複数上映された。
「かぐや様は告らせたい」(平野紫耀)、「ハニーレモンソーダ」(ラウール)、「ザ・ファブル」(岡田准一)と立て続けに流れたが、こうやって、まとめて見ると、岡田准一って、オッサンだな…。岡田准一単体で見るとそうでもないだけれど、キンプリやSnow Manのメンバーと比べると、やっぱり、オッサンだな…。

話を自分が推している白石聖に戻そう。
彼女に対する世間的な注目が増したのは、ネガティブな地下アイドルを演じた深夜ドラマ「だから私が推しました」だと思う。この時点で既に19歳の役を演じていた。

そして、去年放送された深夜ドラマ(正確には地上波放送に先行して配信されていたドラマ)「時をかけるバンド」ではガールズ・バンド(これも音楽もの!)のボーカルを演じていたが、作中でははっきりした年齢は明かされてはいなかったものの(多分…)、作品を見る限りでは、少なくとも高校卒業以上の年齢には達しているようだった。

ところが、現在放送中の(といっても、次が最終回だが)深夜ドラマ「ガールガンレディ」では高校2年生の役だし、本作ではそれより若い高1時代の演技も披露している(最終的には高3まで演じている)。

見た目は、「だから私が推しました」の時より大人になっているのに、特に髪を短くしてからはその傾向が強まったのに、演じる役は若くなっているって、どういうことなんだ?

深夜ドラマやキラキラ映画の常連だった若手女優陣に新鮮味がなくなり、制服姿がコスプレに見えてしまうようになったから、まだ、知名度がそんなに高くない彼女に制服役が回ってくるようになったのだろうか?
でも、顔付きが大人っぽくなってしまったから、ちょっと前のキラキラ常連よりも、AV女優や風俗嬢のコスプレに見えて仕方ないんだよね…。

キラキラ映画といえば、コロナ前の時点でかなり落ち目になりつつあったこともあったし、コロナ禍になると学園モノは多くの生徒・学生キャラが出てきて撮影現場が密になることから撮影が敬遠されがちだったけれど、ここ最近はまた、公開作品が増えつつあるようだ。

ただ、本作が他のキラキラ映画と違うのは、たとえば、高校3年間を描くとしたら、通常は1年生の時の描写にさく時間が長くなることが多いし、ゴールは卒業式あるいは、卒業までいかなくても、学年の終わりになることが多い。
でも、本作は1年から2年までは、まるでテレビドラマの劇場版で冒頭にテレビ版のダイジェストがつけられるがごとく、あっさりと紹介されるだけで終わってしまっている。
つまり、3年生の時の描写がほとんどを占めていることになる。にもかかわらず本作は、進路に悩む時期から卒業式のシーズンは描かれない。

キラキラ映画の定番である林間学校(修学旅行)、夏祭り、文化祭といったイベントを描き、その間にメインキャラたちの恋愛関係を進めているだけである。
学園モノとしては何のカタルシスも得られない映画というのが斬新といえば斬新なのかもしれない。

まぁ、ヒロインが憧れの彼と恋愛関係になるという点だけでいえば、きちんと話は完結しているから、ラブ・ストーリー目線で語れば何の問題もないんだけれどね。

それにしても、キラキラ映画ってツッコミどころ満載だよね。大人キャラがほとんど出てこないことにツッコむのは諦めるけれどさ、○○委員をやるような女子生徒が遅刻の常習犯っておかしいだろ!まともな担任だったら、普通はそんな生徒には○○委員なんてやらせないぞ。

あと、毎日、登校時に校門のところで、教師がチェックしているような規律に厳しい学校のはずなのに、茶髪やピアスが見逃されているのも意味不明。というか、先述した○○委員をやっている女子生徒(というか主役)も茶髪だしね。

日本の現場って、何故か、役者に髪を黒くしろって言えない風潮があるけれど、それっておかしいよね。他の仕事に影響するとかあるのかもしれないけれどさ、そんなの作品には関係ない話だしね。だから、日本の映画やドラマってリアリティがないんだよね。

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