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モエカレはオレンジ色

キラキラ映画というジャンルの説明を大雑把にすれば、少女漫画を実写化した学園ものということになるのだろうか。まぁ、少年漫画やラノベ原作でも世界観が近いものは広義でこの枠にカテゴライズされたりもするが。

なので主人公は原則、女子中高生もしくは女子大生で恋のお相手は学校の仲間(同級生、先輩、教師など)が基本だ。校外の者が恋愛相関図に入り込んだとしても、せいぜい、OB・OGとか他校の生徒・学生といったレベルだ。

その一方で、校外の者、というか社会人との恋愛関係を描いた作品もある。警察官と女子高生の話「PとJK」や消防士と女子高生の話である本作がそのパターンだ。

ただ、校内恋愛ものに比べると本数は少ない。その理由は明白だ。高校生同士の恋愛なら妊娠・出産といった事態に発展しない限りは何の問題もない。でも、女子高生が社会人と恋愛すると、相手の社会人にとっては淫行になってしまう可能性があるからだ。
というか、警察官や消防士という世の中をクリーンにする立場の公務員が淫行しちゃダメでしょ!
だから、全然、リアリティがないんだよね。

まぁ、キラキラ映画って、主人公を中心とした友人や恋愛対象者、恋敵みたいなものしか出てこず、下手すると、きちんと役名や台詞のある大人の登場人物が出てこない作品すらあるくらいだから、そもそも、リアリティはないんだけれどね。

ヒロインを好きになる男が何人も出てくるとか、その後、仲直りするか否かはさておき、友人の女子と仲違いするというお約束もアキアキしてくる展開でいい加減にしろって感じではあるかな。

なので、例に漏れず、本作も突っ込み所満載の作品だった。

恋のお相手が消防士であることは先述した通りだが、このカレが勤務する消防署の連中がヒロインやその弟、友人とも仲良くなっているのもおかしいでしょ!公務員が特定の市民と深い関係になるのはダメでしょ!

しかも、ショッピングモールでガス爆発事故が起きた際に、この消防署の連中はヒロインの救助を最優先しているしね。公私混同すんなよ!

あと、あれだけの大爆発が起きたのに、ショッピングモール入口のガラスは1枚も割れていないし、玄関前には瓦礫一つも散らばっていないのはどういうこと?東映の特撮ヒーローものじゃないんだからさ!

そういえば、弟を見学に連れていくために消防士の連絡先を聞いたのに、それより前に別の用事で電話していたのも自分勝手すぎたよね。

消防署の一般人も入れるエリアに消防士の仮眠室があるのも謎だな。

それから、冒頭でヒロインが不幸を背負ったような顔をしていた上に、その後の買い物のシーンで弟と二人きりだったから、てっきり、事故で両親揃って失ったのかと思ったら、死んだのは父親だけなのかよ…。

しかも、父親の形見としてタバコの空き箱を持っているとか意味不明。欧米のような過度なポリコレは不要だけれど、現在が舞台の最近発表された作品が原作なんだから、現代的視点なら女子高生がタバコのニオイをかぐシーンはいらないと思う。まぁ、キラキラ映画の舞台になりやすい地方とか郊外のマイルドヤンキー文化の住宅街では、タバコは重要なアイテムなのかもしれないが。

それにしても、恋のお相手役の岩本照って老け顔だな

いくら、Snow ManはCDデビューするまでに時間がかかったのでアラサーのメンバーが多いとはいえ、キラキラ映画の主演としてはどうなのよって気はするかな。まぁ、ヒロインは亡き父のような頼れる存在として好きになったらしいから、オッさんっぽい男をキャスティングするのは間違いではないが。

それはさておき、Snow Manによる主題歌“オレンジkiss”はなかなか良い曲だよね。最初聞いた時は典型的なジャニーズアイドルソングで、カッコいい曲も多いSnow Manがやる必要あるのかなと思ったりもしたが、何回か聞くうちに好きになってしまった。
ちなみに、自分はSnow Manがこれまでに出した7枚のシングルと1枚のアルバム、全部を買っていたりする。
本作もSnow Manの曲が主題歌だから見たようなものだしね。

《追記》
「モエカレはオレンジ色」というタイトルって、“恋人はワイン色”(チャゲ&飛鳥)が元ネタだよね?

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