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朗読劇「海辺の街でもう一度、あの日の彼女に会えたなら ~Diary~」

果たして、馬嘉伶というのは人気メンバーなのだろうか、あるいは実力がきちんと評価されているのだろうか思ってしまうことが多い。

AKB48のCDシングル表題曲で選抜メンバーに選ばれたのは“ジャーバージャ”たった1曲しかない。
しかも、これは27人選抜といういつもよりも大所帯となっている楽曲だ。
通常の16人選抜なら選ばれていなかった可能性は高いと思う。

さらに、カップリング曲などを含めても彼女がレコーディングに参加した曲は数えるほどしかない。
彼女が中心となっている楽曲なんて、“ジャーバージャ”のカップリングで「まちゃりんと仲間たち。」名義で発表された“友達ができた”くらいしか思い浮かばない。

台湾人メンバーという他のメンバーとは異なる“属性”があるということを差し引いても、彼女は注目メンバーだと個人的には思っている。

彼女は2019年9月にレギュラー放送が終わったグループの冠バラエティ番組「AKBINGO!」の終盤を盛り上げたメンバーの1人だと思う。

“ジャーバージャ”で選抜入りを果たしたのは、同番組で注目度が増したことによるものであることは間違いないと思うしね。  

台湾人メンバーということで、どうしても、人気とか実力とかは別の基準で判断されてしまう要素もあるし、日台、日中、中台それぞれの関係を考慮して、外に出しにくい面もあるとは思う。

勿論、大家志津香や宮崎美穂などバラエティ担当メンバーは選抜されにくいという“伝統”がAKBにはあるが(指原莉乃は例外)、大家はそれでも世間一般的な知名度は高いので、まちゃりんには大家のようにAKBのメンバーとして音楽番組に出なくてもバラエティ番組などで注目される存在になると判断しているという側面もあるのかもしれない。

実際、業界内での注目度は高い。

台湾人メンバーであるにも関わらず、時代劇映画、しかも角川春樹がメガホンをとった「みをつくし料理帖」にチョイ役とはいえ、起用されたのもその注目度の高さの象徴だと思う。
自分は同作を劇場で見た時にどこに出ていたか分からなかったが…。

また、短編とはいえ、イベント上映のみとはいえ、「サンタクロースをいつまで信じてた?」では主演を務めている。
ちなみに、「みをつくし」でも「サンタクロース」でも日本人と思われるキャラクターを演じている。単に台湾人メンバーを起用という話題性だけなら、留学生とかハーフみたいなありがちな役を与えるはずだから、これは彼女の持つキャラクター性やビジュアルなどをトータルで評価した上でのキャスティングなんだと思う。

朗読劇である本作「海辺の街でもう一度、あの日の彼女に会えたなら」では、“まぁ”と呼ばれるキャラクターを演じているが、登場人物名はいずれも演者の名前にちなんだものになっているので、彼女が演じたキャラクターの国籍などは分からない。ただ、日本の高校に通う女子生徒という設定であることは間違いないと思う。

ところで、本公演は昼公演と夜公演で内容が異なる上に、夜公演も2パターンのエンディングがあるようだ。
まぁ、アイドル主演舞台などでは固定ファンに全公演を見させるために、そういうことをやることはよくあるから、これの是非については語るのをやめておこう。

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ちなみに自分は昼公演のみを鑑賞した。
でも、上演時間が1時間もないのに一般席で8000円プラス別途必要なドリンク代600円(しかも、出てくるのはスーパーで安く買えるペットボトル飲料)というのはぼったくりもいいところだ。
しかも、昼の部だけでは完結していないので夜の部も見るとなれば、1万7200円でしょ…。
合わせて約2時間の朗読劇に支払う額ではないね。

まぁ、コアなファンからぼったくって儲けようという魂胆なんだろうね。
Cool Japan TVという、いかにも中抜き案件の臭いが漂ってきそうな会社が関わっているし、そういうことなんだろうなという気はする。
イマイチ、どういう会社かは良く分からないけれどね。

作品自体の感想も記しておこう。

タイトルやポスターなどのビジュアルから、“あの花”っぽい雰囲気を感じていたが、実際に見てみると、その感覚は間違いではなかったようだ。
昼の部の最後は誰かが事故死したらしいという描写で終わったが、仲良しグループのメンバーが亡くなるというのも“あの花”と同じだ。
おそらく、夜の部というのは事故後、生き残った他のメンバーが何かを抱えたまま再会するという話だと思うが、それも“あの花”と同じだ。
というか、堂々と挿入歌として“secret base”が使われている。これは、確信犯的に“あの花”っぽくしているんだと思う。

テレビアニメでも劇場版でも、単発の実写ドラマでも、舞台版でも、どの“あの花”を見ても泣いてしまった自分としては、ウルウルしてきて仕方なかった。

それから、仲良しグループのメンバー同士の微妙な関係に関する描写があったのも良かった。
たとえば、A、B、C、Dという4人のメンバーがいて、自分がAだとした場合、Bとは話が合うが、Cとは合わない。でも、BはCと話している時の方が楽しそうだと感じることがある。
あるいは、DはCと仲が良いからグループに加わってきたけれど、自分とはほとんど接点がなく、何を話していいか困ることもある。
そんな感じの仲良しグループ内の微妙な人間関係が描かれていて、リアルな描写だなと思った。

ただ、本作を朗読劇と呼んでいるのはどうなんだろうかと思った。
朗読ではなく、明らかに全身を使って芝居するシーンも多かったしね。
あえて言えば、カンペ(台本)を見ながら演技する会話劇って感じでは?
スケジュール的にきっちり稽古やリハをする余裕もない。ましてや、演者の中には日本語がネイティブでない者もいる(実際、噛みかけた箇所もあった)。そういう諸事情をごまかすために朗読劇と銘打って公演することにしたように思えて仕方ない。

まぁ、制服姿のまちゃりんがめちゃくちゃ可愛いので、それを見ているだけで満足なんですけれどね。

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