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るろうに剣心 最終章 The Final

前作同様今回の最終章も2部作構成となっている。こうした2部作商法って、実写映画では久しぶりだなと思った。「るろ剣」前作の頃はやたらと邦画実写作品にあったけれど、最近はアニメを除くと2部作とか3部作みたいに続けて公開するパターンって、すっかり減ってしまったよね。

それから、最終章を2部作構成にすることに関しても、「ハリー・ポッター」シリーズなど洋画大作でもやっていることなので、別にどうということはない。

ただ、今回の2部作、見てきたばかりの前編が「The Final」で、今度公開される後編が「The Beginning」ってのは、“は?”って言いたくなってしまう。
どうやら、時系列的には、後編の方が前の時代を描いているようなので、サブタイトルに偽りはないのだが、普通の感覚だと過去の時代の話で完結ってのはなんだかなという気もする。

時系列的には、今回の最終章前編が完結編なのだろうが(後編に前編より後の時代のシーンがあるかどうかは知らないが)、でも、もう1本あると考えると締まったって感じはしないし、なんかモヤモヤする。まぁ、今回のエンディングは一応、ラストシーンっぽい締め方になっているとは思うけれどね。

そして今回、久々に「るろ剣」関連のコンテンツに接して改めて思った。腐女子に媚びた少年漫画の走りって、「るろ剣」なんだよなと。
正直言って、ジャンプを毎週買っていた頃って、飛ばして読んでいなかったしね。テレビアニメはたまに見ていたけれど、せいぜい、ジュディマリとかSIAM SHADEによるテーマ曲が良いよねって思う程度だったしね。

90年代当時、今でいうところの腐女子と呼ばれる人たちが一番夢中になっていたのが「るろ剣」だったんだよね。

ここ最近の劇場版「名探偵コナン」シリーズが腐女子に媚びたせいでつまなくなったと揶揄されているけれど、それって、女性には作品全体のストーリー展開とか整合性を気にせず、カッコいいキャラクターがカッコいい台詞を言ったり、カッコいいポーズをとっていれば、それで満足という人が多いからなんだよね。

だから、「るろ剣」の女子人気が高まった頃に、そうした女性たちが好む作品がヤマなし・オチなし・イミなしの“ヤオイ系”と揶揄されることになった。まぁ、最近の劇場版「コナン」ほど酷くはないが、それでも、その片鱗は既に作中に存在していたよねとは思うかな。

それから、ネトウヨ思想の形成にも寄与している幕末から明治(場合によっては大正、昭和20年頃まで)あたりの“古き良き日本”を舞台に、史実と創作の世界をミックスさせたようなパラレル的世界もの(なろう系含む)の走りも「るろ剣」のような気がする。
「るろ剣」同様、腐女子人気のある「銀魂」や「鬼滅の刃」も広義には同路線だしね。

その一方で、前回の2部作より7年ぶり(本当は去年公開予定だったけれど)の実写作品となったことで時代の変化を感じる要素もあった。それは、女優陣のポジションだ。

ヒロイン役といえば武井咲だが、実写版1作目が公開された2012年は、事務所のゴリ推しもありつつも、アイドル的人気も確実にあった存在だった。
事実、この年は「るろ剣」を含む3本の映画に出演し、いずれもがヒロイン役や主役だった。
さらに、この年には大河ドラマを含む連ドラ4本にも出演し、その中にはアイドル女優を演技派女優ポジションに進めるための登竜門的題材でもある「Wの悲劇」もあった。

ただ、2016年のクソ映画「テラフォーマーズ」あたりから作品に恵まれなくなり、人気も失速してしまった(まぁ、演技的な限界もあるとは思うが)。そして2017年、結婚したことよって、完全にアイドル的人気はなくなり、過去の人扱いになってしまった。ぶっちゃけ、今回の続編で久々に見たって感じだった。正直、シリーズものの「るろ剣」だからヒロイン役続投ってなっただけって感じで、時代の流れを感じずにはいられなかった。

逆に2012年当時も今も変わらぬポジションなのが、蒼井優かな。
2012年当時、アイドル女優的な人気があったことは事実だけれど、ミニシアター系映画への出演も多く、曲者女優とか演技派女優のイメージは既にあったので、結婚してからも、極端に男性ファンが離れるようなことはなかったし、最近でも「スパイの妻」など賞レース向けの作品にも出ていて、演技面でも評価されているので、非常に安定したキャリアを積んでいると思う。

2014年の前の2部作から参加した土屋太鳳は、その後、一気にアイドル的人気も兼ねた人気女優になったけれど、あの声と胸のせいで、どうしても演じられるキャラクターが限られてしまうせいか、学園系キラキラものを演じられる年齢でなくなってしまった最近は失速気味で、「フード・ラック!食運」とか「哀愁しんでれら」のような落ちぶれた感のする作品への出演が目立っているって感じかな。

そして、今回の2部作からの参戦となったのが有村架純。映画でもドラマでも出演作品のほとんどが、主役かヒロイン役だから、助演ポジションで彼女が参加するのは珍しいんだけれど、今回の2部作に関しては裏ヒロインって感じだし(後編は予告編を見た印象で推測するが、ヒロインって感じなのかな?)、出演者のクレジットでも、主演、助演、脇役等々を紹介した後の、「and ○○」ポジションだから、単なる助演ではないし、だから、出演したんだろうねって感じかな。

とりあえず、過去作も含めて、実写版「るろ剣」シリーズって、セットや衣装、エキストラ、VFX、アクションなどが他の邦画のようにちゃちく見えないってことには感心する。まぁ、ワーナーという外資系だから予算があるんだろうけれどね。
ただ、ポリコレ的描写に気を使う外資系のはずなのに、明らかに中国人や中国人と内通している日本人を悪役にしていて大丈夫なのかなと、ちょっと不安になった。
まぁ、外資系って何故か日本に来ると、ポリコレ理念がなくなってしまうことが多いけれどね。

あれだけ、ポリコレ全開の作品で海外映画賞を賑わせているNetflixが、日本オリジナル作品ではネトウヨ思想全開で、倫理的に問題とされる言動も多い村西とおるを天才カリスマとして描いた「全裸監督」なんてのを配信しているし、「テラスハウス」では出演者に誹謗中傷が集まる演出をして、その出演者を自殺させてしまったからね。
それから、海外ではリベラル思想全開のTwitterが何故か日本では、自民党政権に批判的な人のアカウントを凍結したりしているしね。なんなんだろうか、こうした現象って…。

最後に一言。やっぱり、実写版「るろ剣」シリーズには、ワンオクが欠かせないよねって思う。でも、歌詞の途中に中途半端に日本語がまじるのってダサいからやめようよ。
英語で歌うか日本語で歌うかどちらかにしようよ。というか、他の邦楽アーティストみたいに基本は日本語で、サビで英語がまじるくらいにしとけばいいのにって思う。

洋楽好きの人間からすると、邦楽アーティストが英語で歌った楽曲って、変な発音のせいで聞きにくくて仕方なく、ワンオクは他のアーティストよりはマシだけれど、それでも聞きにくいと思っている。
全米アルバム・チャートの200位内に入ったことがあるくらい、海外でも活動しているっていうアピールなんだろうけれど、K-POPやベビメタを見ても分かる通り、英語で歌わなくても欧米で受け入れられる時代になったんだから、無理しなくていいんじゃないかなって思う。

個人的には邦楽アーティストの英語歌唱曲を聞いてイライラしないのって、the HIATUSとかMONOEYESくらいかな(どっちも同じか…)。あとは、赤西仁かな…。

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