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映画 妖怪ウォッチ♪ ケータとオレっちの出会い編だニャン♪ワ、ワタクシも~♪♪

妖怪ウォッチというコンテンツに関して誰もが思うことは、“一時はポケモンをこえるコンテンツになる勢いだったのにオワコンになってしまったな…”というものではないだろうか?

何しろ、2014年に公開された劇場版1作目「映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!」は「劇場版ポケットモンスター」シリーズ最大のヒット作である「ミュウツーの逆襲」の約72億円を上回る興収78億円を記録している。

さらに、翌2015年の劇場版2作目「映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!」とその次の年の3作目「映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!」は「スター・ウォーズ」シリーズの新作(2016年はスピンオフ作品。ディズニーはスピンオフという呼び方をさせないようにマスコミに圧力をかけていたが)を押し退けて観客動員数の首位に立ち、映画業界関係者や映画ファンを呆れさせたくらいだった。

もっとも、この2作品も劇場版1作目に比べると興収は大幅にダウンしていたし、そもそも内容は問題だらけだった。
2作目はオムニバス形式だったし、3作目は実写とアニメのハイブリッド作品だった。

つまり、2作目にして既に劇場版用のネタ切れを起こしていたってことだからね。同じ東宝配給の子ども向けテレビアニメの劇場版シリーズである「ポケモン」や「コナン」、「クレしん」、「ドラえもん」のように毎年純粋な長編映画を公開するだけのアイデアがないってことだからね。

まぁ、「ポケモン」や「ドラ」にはリメイク作品もあるし、「ポケモン」、「コナン」、「ドラ」には新作が公開されなかった年もあるけれどね。
そう考えると、公開日程が変更されたことはあっても、主要キャストの変更やコロナをモノともせず、1993年以降、29年連続で新作映画を発表している「クレしん」はすごいな…。

妖怪ウォッチが迷走していったのは劇場版だけではない。テレビシリーズでも途中で主人公が変わるなどありえない現象が多発していた。
ポケモンは新シリーズになっても、サトシとピカチュウは登場し続けたが、妖怪ウォッチはシリーズが変わるとケータとジバニャンが出てこなかったりするし、最初のシリーズなんかは途中からケータでないキャラが主人公になったりもした。

「プリキュア」とか実写の戦隊シリーズ、仮面ライダーシリーズみたいに、1年ごとに一旦リセットし、別の主人公による新シリーズになるというものなら分かるけれど、そうではないんだから、ファンはついていけないよね。

なので、劇場版もさらに迷走することになった。

2017年の4作目「映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活」はケータとジバニャンが登場しないテレビシリーズの前日譚的な立ち位置の劇場版となった。
かと思えば、2018年の5作目「映画 妖怪ウォッチ FOREVER FRIENDS」は、ケータたちが登場するオリジナルとも、その時点でテレビ放送されていたシリーズ「シャドウサイド」とも関係ない妖怪ウォッチの世界観だけを利用したテンプレ的なノスタルジー路線のアニメ映画になっていた。
さらに、2019年の6作目「映画 妖怪学園Y 猫はHEROになれるか」は「シャドウサイド」とも異なるケータやジバニャンが登場しないテレビシリーズの前日譚となっていた。

もう、迷走するのもいい加減にしろという感じだ。何しろ、ここまでの劇場版6作全てが統一されていないコンセプトのもと作られているんだからね。

そして、約2年ぶりの7作目となった本作「映画 妖怪ウォッチ♪ ケータとオレっちの出会い編だニャン♪ワ、ワタクシも〜♪♪」はテレビシリーズ2話をまとめたものに、新作映像をおまけでくっつけただけというありえない作りの作品になった…。

しかも、配給はこれまでの東宝からイオンに変わっている。

なかなか、新たな劇場版公開のアナウンスがされないのは、コロナ禍になって公開スケジュールがたびたび変更されている同じ東宝配給作品のファミリー向け定番シリーズである「ドラ」、「クレしん」、「コナン」、「ポケモン」との調整が難しいためかと思ったりもしたが、結局、東宝がサジを投げていたってことだったのか。

まぁ、劇場版シリーズの興収は下がる一方で6作目の時点では1作目の10分の1以下になってしまったから、そりゃそうなるよねって感じだよね。

というわけで、ジバニャンやウィスパーとケータの出会いを描いたシリーズ初期エピソードをまとめた本作を見たが、やっぱり、長持ちするコンテンツではないというのが改めて実感できた。

ウィスパーは190年の封印からとかれたばかりなのに、何故、外来語を知っていて、タブレットを使っているのかも謎だしね。
それから、猫時代のジバニャンの飼い主が死んだジバニャンをダサイって言ったことには変わりないわけで、それを感動ストーリー風に描いても無理があるよね。

あと、冒頭に登場人物たちが映画館に行くというメタなおまけシーンがあったけれど、今回の上映用に追加した場面なんだから、全くコロナ禍の描写がなく、観客たちが映画館で騒いでいるのはどうかと思うな。

この妖怪ウォッチというシリーズが途中で主人公が退場するなど迷走するようなものになっていなければ、ケータ役の戸松遥は、TARAKOや、矢島晶子、高山みなみ、松本梨香、水田わさびのような存在になれたのにねとは思うかな。戸松遥が結婚・出産しても、いまだにアイドル声優的な活動をしているのは、妖怪ウォッチで国民的声優になれなかったから、結局、アイドル声優路線を続けているってことなんだろうしね。

ところで本作をイオンシネマ板橋で見たが、23区内にある映画館なのに、チケット発券時に車で来館したかどうかを聞かれるってのはなんだかなって気がするよね…。やっぱり、板橋区って東京というよりかは車社会の埼玉なんだなというのを実感した。

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