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おばあちゃんのふるさと

去年12月の上映イベントに参戦してはいたが、開場から開映までの時間が短かったうえに、間もなく上映開始のアナウンスもなく突然上映が始まったので、改めて見直したいと思いイベント終了後に慌ててDVDの予約をしてしまった。

それから約4ヵ月経ち、やつとDVDが届いた。

予約件数が採算ラインに届くまでプレスをしなかったから明確にリリース日がなかなか明らかにされなかったのだろうか?
というか、一時期は公式ホームページに4月14日リリースと書いてあったのが最近では4月という曖昧な表記に変更されていたから、かなりの自転車操業でのDVD化だったであろうことは容易に想像できてしまう。

AKB48グループのメンバーを起用した地域おこしや特定の団体とのタイアップを目的とした映画が短編・長編合わせて何本も作られているが、本作はそうした作品のうちの1本だ。

これらの作品はAkibaScreeningやふるさと映画祭といったイベントで上映されたり、北九州映画実行委員会という団体が北九州のみならず都内でもイベントを開いて上映したりもしているが、一般の映画館でロードショー作品として上映されるものはごくわずかなため、映画ファンどころかドルオタにもほとんど知られていないのが現状だ。

まぁ、ほとんど死語となってしまったが要はVP(企業や団体、自治体のプロモーションビデオ)だから、映画館で一般向けに上映するようなものでもないしね。

なので内容もかなり酷い作品がほとんどだ。

基本、自治体などがアピールしたい名所や郷土料理などを見せることが目的だからストーリーなんてあってないようなものだ。
そうしたアピールしたいものが話の流れなど関係なく唐突に、しかも長々と映し出されるんだから、見ていて面白いわけがない。

本作でも「どきどきうどん」という北九州の名物が紹介され、キャストが店員に名前の由来を質問するというあからさまなパブ案件が盛り込まれている。生活情報バラエティ番組ならまだしも仮にも短編映画を名乗っている作品でそれはないでしょといったところだ。

また、客寄せパンダとして呼ばれた主演のアイドルのギャラに人件費のほとんどがさかれてしまっているせいか、共演者が公募で選ばれたらしいほぼ素人とか実際の店員などでかためられていることが多く、限りなく棒演技に近いアイドルが一番演技が上手いということも多い。

本作の主演、ODAも台詞を言っている部分は何とか合格点の演技を見せているが、モノローグというかナレーションの部分なんて酷いとしか言いようがなかったしね…。

まぁ、ODAの可愛いさは堪能できるとは思うが。特に制服姿のシーンは可愛い。

それにしても酷い映画だ。おばあちゃんっ子だった自分ですら、祖母が死ぬという話なのに泣けないんだからね…。
祖母が死ぬ前にうどんを食べながら過去の思い出を振り返り泣くとか意味不明だし、死んでからもまた回想シーンが入る。結局、自治体から入れろと言われている名所や料理などを全て消化しないといけないから無理矢理入れ込んでいるって感じなんだよね。

人気アイドルグループのメンバーが出ていなければこんな映画なんて関係者以外誰も見ないよね。

ところで、ふるさと映画祭の公式ツイッターを見ると、どうやら、また今年も年末にイベントを実施するようだ…。

どれだけ酷い映画が上映されるのか怖いもの見たさで参戦したいという気持ちもあるが、推しメンが出ていなければ多分、見ないだろうな…。

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