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ハニーレモンソーダ

Snow ManとSixTONESのファンは対立しているとよく言われている。
また、私のような洋楽ロック好きには、SixTONESを許しがたいと思っている人間も多いと思う。
理由はいたって明快だ。彼らがストーンズと名乗っているからだ。

ストーンズといえば、日本以外の世界中の音楽好きのほぼ100%がロック界の生きるレジェンド、ザ・ローリング・ストーンズの略称として認識しているが、何故か、日本ではストーンズと検索すると、SixTONESの方が出てきてしまう。
しかも、SixTONESのファンがザ・ローリング・ストーンズのファンや洋楽好きに対して、“ストーンズという略称を使うな”などと言ってきたりする。

ただでさえ、ロック界の生きる伝説の略称と同じ名前を名乗るだけでも失礼なのに、ファンがそんなことまで言うんだから、SixTONESというグループも、そのファンも嫌いになってしまうのは仕方ないことだと思う。

邦楽ロック好きからは、“Imitation Rain”がX JAPANのYOSHIKI提供曲であることなどもあって嫌われていないようだが、洋楽好き、少なくとも洋楽ロック好きなら、ほぼ100%が嫌悪感、あるいは、そこまではいかなくても、“なんだかなな…”という感情を持っていることは確かだと思う。

でも、Snow Manに対しては、そこまでのネガティブな感情は持っていない。

ストーンズ呼称問題と同様に、短編アニメーション映画の傑作「スノーマン」に対するリスペクトがないと文句をつけることはできるが、こちらは比較対象が映像作品だから、そこまで目くじらを立てるほどのものではない。

また、E-girls屈指の名曲(だと個人的には思っている)“Mr.Snowman”を思い出してしまうという人もいるかもしれないが、これに関しては、“ミスター”がついていないから、何の問題もないと思う。

そんなわけで(どんなわけだ?)、何故か、Snow Manが出したCDシングルは全作買っていたりもする。SixTONES憎しの思いでライバルを応援しているみたいな感情なのだろうか?

ということで(どういうことだ?)、メンバーのラウール主演の本作を見てしまった。

とりあえず、少女漫画原作の青春映画(少年漫画やラノベ原作も広義では含まれる場合もあると思うが)、いわゆるキラキラ映画のブームというのはとっくに去ったのだなというのを実感した。

ジャニーズメンバー主演(まぁ、ストーリー上は主役ではないと思うが)で、しかも、舞台挨拶のライブビューイング付きなのにガラガラだったしね。あと、上映途中から入場する観客が結構いたが、これって、既に本編は鑑賞済みのファンがライブビューイングだけ見に来たって感じなのかな?
特典配布のアニメ映画の上映時に特典だけもらいにくるアニオタと同じようなことをジャニオタもやっているんだね…。

そして、観客の97%以上(推定)が女性って感じだったので、非常に居心地が悪かった。痴漢目当ての変質者扱いされそうだしね…。

それにしても、キラキラ映画って、不自然なほど大人のキャラクターが不在だよね。
本作なんて、通行人を除くと、終業式の日のホームルームのシーンと授業のシーンでチラッと教師が出てきただけ。
しかも、直接ストーリーに影響しない台詞しか言っていないし、名前すらも明かされていない。

主要キャラの両親や祖父母、年上のきょうだいも出てこない。

中には、ラウールが演じた三浦のように、母親は死亡、父親は失踪という設定のキャラもいるが、それだって、回想シーンで登場するとか、写真で出てくるとかあってもよさそうなのに、それすらもない。

本当、不思議。

というか、キラキラ映画に限らず、最近の日本の学園ものって、映画でもドラマでも大人が不在の作品って多いよね。
まぁ、予算も時間もないというのが大きな理由なんだろうね。きちんとした演技のできる大人の俳優と見た目重視の若手キャストが一緒に芝居をすると、どうしても、若手のNG連発になって、なかなか撮影が進まないけれど、若手だけなら、それほど、演技力を重視でせずに進行できるからね…。

まぁ、そもそも、原作に大人のキャラが出てこないってのもあるのかな?
それだけ、自分たちの半径○メートルにしか興味がない若者が多いってことなのかな?

そう考えると、つい先日まで放送されていたドラマ「ドラゴン桜」は、きちんと、教職員も保護者も出てきたから、予算や時間が他のドラマや映画よりは余裕があったってことなんだろうな。
さすが、日曜劇場という好視聴率番組を多数輩出している枠だ。

それにしても、ジャニーズ若手がキラキラ系などコミックの実写化作品に出た時の演技って、なんで、毎回こんな感じなんだ?
はっきり言って、下手…。

まぁ、多忙な人気アイドルだから、台本を読み込んだり演技プランを練ったりする時間もないし、現場でも台詞や動作を間違えなければOKにされているんだろうなってのがよく分かる。でも、最近のアイドルはキス・シーンはちゃんとやるんだと、そこは感心した。

そして、このラウール演じる三浦が突然、ヒロインの池森を避けだしたりしたのも唐突だった。
まぁ、池森が三浦に家族構成を聞き出したあたりから不機嫌になったから、それが理由だというのは分かるし、実際にそれが理由だったんだけれど、でも、もう少し何かあってからの方が良かったのではないだろうか?

構成が不自然なんだよね。

ところで、三浦が石森の面倒をみることについて、“いしもりがかり”と言っていたが、これって、やっぱり、いきものがかりから来ているのかな?

それはさておき、この陰キャ女子の石森は、オタク気質を持っている男なら誰でも好きになるキャラだよね。演じた吉川愛は全く異なる性格らしいが…。

それから、この石森が進路に迷っている時に持っていた入学案内パンフレットだが、茶髪でブレザーも着ていない生徒たちが表紙に写っていたことが気になって仕方なかった。普通の高校って、そういうのを容認している学校でも、パンフレットの表紙は正装・黒髪にするよね。
まぁ、三浦の金髪が許されているから、服装などに関しては厳しくない校風なんだろうねと好意的に解釈しておく。

というか、この映画ってキリンレモンのステマか?ハニーが学校名の八美津から来ていることと、レモンソーダがいつも三浦が飲んでいるもの(プラスどうやら三浦の髪の色や性格も関係あるらしいが)ということは見れば分かるけれどさ、もう少し説明してもいいんじゃないのかって気がする。これだと、単なるキリンレモンのステマだよね…。

《追記その1》
舞台挨拶のライブビューイングで、作品名にハッシュタグをつけてツイッターで呟いてくれと司会者が言っていたけれどさ、だったら、写真撮影くらいOKしろよって思う。
というか、マスコミ向けのフォトセッションもなかったけれど、中継されていなかった時間帯でやっていたのかな?

《追記その2》
Snow Manの楽曲というと、和製K-POPみたいなカッコいい曲のイメージが強いが、今回の主題歌“HELLO HELLO”はジャニーズ的王道アイドル系ポップ曲って感じだな。まぁ、嫌いじゃないけれど。


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