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岬のマヨイガ

顔出し演技を活動のメインにしている俳優をはじめ、タレントや芸人、アイドルなどがアニメや洋画の吹替版などで声優を務めると、ブーブー文句を言う連中がいる。

はっきり言って、こういう連中は大嫌いだ!

こういう連中は、本業ではない声優には文句をつけるくせに、声優がアーティストとしてCDをリリースしたり、コンサートを開いたりすることに対しては文句を言わないどころか、絶賛しているからだ。

その矛盾・ダブルスタンダードを指摘すると、大抵、こういう連中は、“演技がうまければ文句を言わない”と言い訳する。
じゃ、劇中歌でもキャラソンでもないのに、アニメ声で歌っている声優アーティストだって、決して、きちんと歌手活動しているとは言いがたいのだから、そういうのも批判しなくてはいけないのでは?
でも、彼等はマンセーしまくりなんだよね。

だから、当然、こういうことに対しても、矛盾・ダブルスタンダードだと指摘されてしまう。

すると、彼等は、“声優演技も歌手活動も喉を使う仕事だから問題ない”と言うんだよね。
だったら、顔出し演技がメインの俳優が声優を務めるのだって、“同じ演技をする仕事”なんだから、何の問題もないのでは?

本当、本業でない人が声優を務めるとブーブー文句を言う連中ってのは、結局、五輪パラの開催を批判しているくせに、フジロックとか、@JAMやアニサマの開催を絶賛している連中と一緒なんだよ(逆もまた然り)。

結局、自分の好きなもの以外は認めないんだよね。
ちょっとの自民党批判でも許さないネトウヨや、ちょっとでも自民党の政策を認めると攻撃してくるパヨクと一緒!

本作「岬のマヨイガ」の主人公の声を担当しているのは、そうした非本業声優否定派にも評価してされる数少ない人材である芦田愛菜だ。

中川翔子や、キスマイ宮田、Snow Man佐久間なんてあたりも評価されているが、このあたりはアニオタだから、ある意味、身内みたいなものだし、福原遥は女優と声優、両方が本業みたいなものだから、否定的な声は聞こえてこないし、ということを考慮すると、芦田先輩の演技は特筆しているということなんだろうとは思う。

本作でも本当、芦田先輩は素晴らしい声優演技を披露していたと思う。

それから、精神的なショックのために話すことができない血のつながらない“妹”の声を粟野咲莉が担当していたが、これも非本業声優だからこそ、出来た役柄重視のキャスティングだと思う。

人気声優をキャスティングしていたから、終盤以外は話さないという設定がうまく活かせていたんだと思う。

人気声優を起用していたら、禰󠄀豆子ではないが、ずっと、“ムームー”言っていたと思うし、飲食するシーンでは、深夜アニメでおなじみの不自然な“ハムっ”て口に出して飲み食いする演技だらけになっていたと思うしね。

というか、芦田先輩と粟野咲莉って、実写映画「星の子」では同じ役の成長バージョンと幼女バージョンを演じていたよね…。

一方、血のつながらない“祖母”役の大竹しのぶに関しては、最近、本当に彼女は演技派なんだろうかという気がしていて仕方がなかったが、本作はそうしたマイナスイメージを払拭してくれる演技だったと思った。

五輪開会式のつまらない宮沢賢治を題材にしたパフォーマンスを見たら、もしかすると、大竹しのぶって、たまたま、年齢を重ね、重いテーマの作品にも出るようになったから、演技派にカテゴライズされているだけで、結局、いつまで経っても吉永小百合と同じようにアイドル女優なんじゃないのかって思えてしまうしね。

なので、本作へのキャスティングは彼女の演技力を再認識させてくれる良い機会だったと思う。

あと、こちらは本業扱いでいいと思うのだが、座敷童の声って22/7のメンバーだったのか…。

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作品自体に関しては、アニプレックスとフジテレビが組んでいるせいか、ノイタミナっぽいテイストだなと思った。
まぁ、テレビシリーズにできる内容ではあるよね。毎回、悪さする妖怪が出てきて、それを血のつながらない家族3人が解決するって展開にすればいいんだしね。

テレビシリーズといえば、同じく東日本大震災を題材としている朝ドラ「おかえりモネ」とも共通する要素があるなと感じた。

それは、謎をいったん提示して、その謎解きを回想シーンで説明するというパターンが多いということだ。

もっとも、本作は直接的な回想よりも、昔話という形での説明シーンが多いんだけれどね。

東日本大震災というまだ記憶に新しいデリケートな出来事を扱っているから、直接描くよりも回想のような描き方の方が被災者心理に配慮できるってことなのかな?

それにしても、本作に限らず、他の創作作品でも、著名人のコメントでも、一般人のSNS上での発言でもそうなんだけれど、東日本大震災を単に“震災”と呼ぶ人が多いことには違和感があるんだよね。

東日本大震災以降の国内で発生したものに限定しても、熊本県などで大きな地震はあったし、仮に震度1の地震だって、その揺れで棚からモノが落ちて、そのモノに傷がつけば、言い方は悪いが、立派な震災だと思うんだよね。

東日本大震災だけが“震災”みたいな言い方は良くないと思うな。

とはいえ、全体的には良かったと思う。終盤は感動的だったし。まぁ、ご都合主義だらけだし、ツッコミどころ満載だけれどね。
“祖母”が強引に血のつながらない“孫”2人を子どもにできたのは何故?普通は未成年略取で逮捕だよね…。
ふしぎっとと作中で呼ばれている妖怪たちの力を借りて、役所のデータとか書き換えたのか?

面白いし、ジーンとくるシーンも多いからいいんだけれどね。

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ところで、主題歌“マヨイガ”は羊文学が担当しているが、本当、日本ほど多くのガールズバンドが活躍している国ってないよねって思う。 

しかも、色んなタイプのバンドがいるしね。

完全にアイドルといった存在ではザ・コインロッカーズがいる。

アニソン関連ではBanG Dream!のプロジェクトから生まれた一連のバンド。

そして、ポップなバンドでは、アイドル的人気を誇り、BanG Dream!から生まれたバンド、Poppin'PartyともコラボしているSilent Sirenがいる。

最も一般受けする適度にロックで適度にポップな存在としてはSHISHAMO。

SHISHAMOよりはロック度の高いバンドとしてはリーガルリリーやHump Back。

そして、そこからさらにサブカル度を高めた東京初期衝動。

サブカルではなくハード・ロック、ヘヴィ・メタルの方にベクトルが向いたバンドであれば、LOVEBITES(活動休止を発表)やAldious(ボーカルが脱退)といった具合に多くの嬢メタル系バンドが存在している。

そして、この羊文学は、90年代USオルタナに近い方に舵を切っているといった感じかな。

SHISHAMOはポップすぎる、かといって嬢メタルは苦手って人には羊文学はいい塩梅かな。

洋楽ではビーバドゥービーが似たような音楽性だけれど、彼女の音楽性に邦楽的なワビサビやメロディを混ぜると羊文学になるといった感じかな。

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