記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密

「魔法ワールド」シリーズの映画作品は「ハリー・ポッター」シリーズの全8本(最終第7章は2部作)、「ファンタスティック・ビースト」の本作を含む現時点の全3本、計11本全ての邦題が「ハリー・ポッター(or ファンタスティック・ビースト)と○○の✖︎✖︎」となっている。

原題は「ハリー・ポッター」シリーズは全て“Harry Potter and the △△△(その後にof □□□とつく場合もあり)”と主人公名とサブタイトルの間を“and the”でつなぐ形となっている。

しかし、「ファンタスティック・ビースト」シリーズに入ってからは、原題でファンタスティック・ビーストとサブタイトルの間に“and”が入っているのは1作目のみだ。しかも、“and”の後に“the”は入っていない。

なのに、邦題では引き続き、「ファンタスティック・ビーストと○○の✖︎✖︎」という邦題のつけ方が踏襲されている。

そんなわけで、つい、本作の邦題も「ファンタスティック・ビーストとアズカバンの囚人」と言いたくなってしまう。
というか、「魔法ワールド」シリーズ全ての作品の邦題を「ハリー・ポッター(or ファンタスティック・ビースト)とアズカバンの囚人」と言いたくなってしまう。

「アズカバンの囚人」は「ハリー・ポッター」シリーズの3作目で、その後、「魔法ワールド」シリーズの映画は本作を含めて8本も作られているのに、いまだに「アズカバンの囚人」と言いたくなるのだから、いかに、「アズカバンの囚人」という語感のインパクトが自分にとって強烈だったか分かってもらえるのではないだろうか。

ところで、本作は「ファンタスティック・ビースト」シリーズの前作「黒い魔法使いの誕生」からは3年5ヵ月ぶりの続編となる。

「ハリー・ポッター」シリーズから「ファンタスティック・ビースト」シリーズに移行するまでに5年4ヵ月も空いてしまった時期はあったが、それぞれのシリーズで見てみると、「ハリポタ」シリーズは2年というのが最大のスパンだし、「ファンタビ」シリーズも1作目と2作目の間は2年だった。

今回、そんなに時間がかかってしまったのは、新型コロナの影響で公開スケジュールが延期されたというのもあるが、過去2作にゲラート・グリンデルバルド役で出演していたジョニー・デップがDV問題で批判され降板せざるを得ない状況となり、その役をマッツ・ミケルセンが引き継ぐことになったことも大きな要因だと思う。

関係者を巡るトラブルとしては、最近、原作者のJ.K.ローリングのジェンダー観を巡る発言に対して批判の声が高まっている。米国で本作の興行成績が過去作に比べるとパッとしないのは、ローリングの発言内容を嫌う米メディアが彼女の関連作品のプロモーションに非協力的になっているという面もあるのだろうとは思う。

また、本作を含む「ファンタビ」3作品にクリーデンス・ベアボーン役で出演しているエズラ・ミラーがたびたびトラブルを起こし逮捕までされていることも興行成績やマスコミ露出に影響しているのは間違いないと思う。
キャンセルカルチャーが蔓延している最近の米国の状況を鑑みると、次作は別の俳優が演じる可能性も高まったのではないかという気もする。
実際、彼が出演しているDCコミックス原作映画に関しては、色々とプロジェクトの見直しがされているようだしね。

まぁ、そういうゴタゴタも色々あるけれど、本作の公開まで時間がかかった最大の原因は前作がとてつもなくつまらなかったことにあるとは思うけれどね。

何しろ自分は鑑賞中にあくびが出てしまったくらいだからね。

そんなわけで本作については、期待もせずに見ることにしていた。
過去作を一通り見ているから、付き合いで今回も見てあげようというその程度のモチベーションだった。

そして実際に見終えた感想としては予想通り、退屈な内容だった。

前作より内容はあったけれど、それほどストーリーは進んでいないし、何よりも暗い画面のシーンが多すぎる!若干、睡眠不足気味で鑑賞した自分にとっては拷問でしかなかった。そもそも、この程度の内容で上映時間が2時間23分もあるのは長すぎる!結局、最近のハリウッド映画って配信でダラダラと一時停止とかしながら分割して見る人の生理に合うような作りになってしまったから、映画館で集中して見たいという人からすると、退屈にしか思えないんだろうね。

あと、中国でBL的要素が“問題視”され、該当シーンがカットされて公開されたというニュースが伝えられたが、始まってすぐ、BLシーンだったので驚いてしまった。

というか、ダンブルドアとグリンデルバルドのBL的な誓いに関する台詞をカットしてしまうと、明らかにその後の話とつながらなくなると思うのだが、どうカットしたんだ?

それから、舞台となっている時代背景を考えれば、当然なんだけれと、グリンデルバルドは明らかにヒトラーのイメージで作っているし、優生思想的な考えでマグルを排除しようとする動きが魔法界で高まりつつあるという描写も、ナチスによるユダヤ人虐殺を意識したものであるのは間違いないと思う。

そして、現時点ではグリンデルバルドは死んでいないということは、おそらく、予定通り4作目、5作目が作られたとしたら(本作の全米での興行成績や最近のローリング発言を考慮すると打ち切りの可能性も否定できないが)、ニュートと愉快な仲間たちとグリンデルバルドの戦いは続いていくはずだから、そうなると、今回の終盤で魔法界のリーダーを決める選挙でグリンデルバルドが敗れ、女性が選ばれたということは、次回以降はグリンデルバルド一派以外の魔法界はマグル側につくということなのだろうか?そうでないと、女性をリーダーにした意味ないしね。“女性が悪役なの?”って話になってしまうしね。

とりあえず、クリーデンスは体調不良という設定らしいから、次作で出番がなくなっても、写真1枚出して死んだと言えば済みそうなので、エズラ問題はそんなに今後には影響しなそうだとは思った。

それから、麒麟を出したり、リーダー候補にアジア人と思われるキャラを出したり、選挙が行われる場所をブータンにしたりと、中国の観客に媚びたような設定を盛り込んだのに、BL要素にイチャモンをつけられ、カットされてしまったんだから、なんだかなという気もする。

あと、字幕で麒麟を“キリン”と表記するのは違うと思う。翻訳者は映像を見ないで、スクリプトだけで訳したのかな?
世界同時期公開作品だから見られなかったのかな?

それにしても、エンド・クレジットに歌ものが流れるって、「魔法ワールド」シリーズ作品にしては珍しいよね。しかも、歌っているのがグレゴリー・ポーターって…(ポッターでなくポーターなのが少々残念…)。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?