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機動戦士ガンダム 水星の魔女 Season1

分割2クール放送とアナウンスされていたが、まさか、4月から放送される2クール目をSeason2と呼ぶとは思わなかった…。
いくら、1クール目と2クール目では放送開始時点での年が違うとはいえ(1クール目は2022年、2クール目は2023年)、1クール目最終回と2クール目第1話の間は、その間に放送されるプログラムに休止などがなければたったの11週間しかない。それで、Season2って呼ぶのか?普通に第2クールでよくないかと思った。

今回のSeason1の最終回、一応、主人公・スレッタが戦士としての本能を開花させ、実は無垢な者ほど何かのきっかけで闘争本能を目覚めさせると残忍だというのを表現する良い場面であったとは思う。ピュアな人ほど、簡単に洗脳され悪事が良い事だと思ってしまうということも良く描けていたと思う。

ただ、クール制でなくシーズン制としたのであるならば、もう少し、これまでにはられた伏線とか散りばめられた謎とかを全部とは言わないが、もう少し回収してもいいのではないかと感じた。

というか、Season1に先駆けて放送されたPROLOGUE(以下、プロローグ表記。先行配信版の途中にCMを挟んだだけのものかと思ったら、エンドロールに手を加えられていて驚いた!)との間でも色々と話のつながりがどうなっているのかよく分からない疑問点が多数あったが、それらのほとんどが解消されていないので、尚更、シーズン制にしていることに疑問を感じずにはいられなかった。

放送形態について言うと、途中で総集編が入ったのは、やっぱり、アニオタが言うところの“万策がつきた”ってヤツなんだろうね。説明はないけれど、コロナ感染がスタッフ間で広がったのか?それとも別の理由か?

プロローグは9月最終日曜日に放送し、本編(Season1)は10月第1週からきちんと放送開始となったのは、12月第3週に報道特番が入り休止になるのが分かっていたからだと思う。
年明けて最初の日曜日は元日だから、レギュラー放送のアニメなんて、まずはオンエアされない。そんな編成で10月2週目以降から放送となると、最終回が1月第2日曜日なんていう中途半端な時期になってしまうからね。
だから、年内にSeason1全12話を消化するには、プロローグは9月に放送するしかなかった。でも、結局はその中途半端な1月第2週に最終回を迎えることになってしまった。

また、Season1放送開始時点では、Season1と2の間に「閃光のハサウェイ」などガンダム関連の劇場公開作品などをTVシリーズとして再構築したものを3種類、それぞれ全4話構成でオンエアするとアナウンスされていたが、このうち、「サンダーボルト」は全3話構成に変更されている。
おそらく、Season1で放送日程に狂いが生じた分をこれで調整したのだと思う。イチから作る作品で1話減らすのは大変だけれど、再編集作品なら何とかなるでしょって判断なんだろうね。

そして、内容に関しても中途半端だった。
正直言って、面白いのか面白くないのかよく分からなかった。

過去にも若者や女性に見てもらうことを意識したガンダム作品はあった。
ファーストガンダム原理主義者に趣味に金を費やすことを厭わない40〜50代が多いとはいえ、彼等に媚びて古臭いものばかり作っていたら、そのコンテンツは衰退していくだけだ。
だから、本作のように女性キャラを主人公にし、学園生活の場面が多いガンダムがあっても何の問題もないと思う。

ただ、Season1に関して言えば、終盤に入るまでは何かトラブルがあると、モビルスーツによる決闘が学園内で行われるという展開の繰り返しで正直なところ単調に思えた。
何しろ、学園内の決闘での敵は学友であり、殺し合いではないので、どうしても描写にバリエーションがなく面白味に欠けるところはあるしね。

その一方で、プロローグと本編の間で話がつながっていないところがあったり、スレッタの生い立ちやスレッタの乗るモビルスーツに隠された秘密があると思われる描写があったり、ガンダムと搭乗者が一体化することでパイロットの心身に悪影響が及ぶことがあるというエヴァンゲリオンっぽい要素が含まれていたりするのは、つい考察したくなるので面白いとは思った。

それから、スレッタとミオリネの百合的関係や、出身地や親の職業などによる階級差別のようなものがあったり、ガンダムの技術が障害者支援の義手などの延長線上にあるという描写も興味深いと思った。

まぁ、主人公とその仲間たちが株式会社ガンダムという企業をおこしたり、そのプロモーションとして体操動画を作ったりするのはちょっと寒い展開には思えたけれどね。

個人的には本作の最大の収穫は富田美憂かな。チュチュ先輩はハマリ役だね。というか、「最近雇ったメイドが怪しい」のナツメ役の時も思ったけれど、マイルドヤンキーみたいな役が合うよね。

あと、YOASOBIによるオープニング曲“祝福”も収穫かな。ここ最近、YOASOBIの楽曲はパッとしないなと思う楽曲が多かったけれど、これは久々の良曲!というか、“怪物”もそうだけれど、YOASOBIはアニソンをやらせると見事にハマる!非オタ向けの曲やボカロ系の流れを組む曲よりもこういう路線の方が好きかも。
そして思った。YOASOBIが今回の紅白歌合戦に出られなかったのって、やっぱり、Ayaseのタトゥーのせいなのかな?ikuraは“おもかげ (produced by Vaundy)”のパフォーマンスにはゲストとして出ていたしね。となると、NHKがAyaseを出させたくないと思っていたとしか思えないんだよね。

そんなわけで、謎の大部分は持ち越されてしまったので、きちんとした評価はSeason2終了までお預けって感じかな。

※画像は公式HPより

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