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最後まで行く

ジャニーズ事務所、歌舞伎界、球界、乃木坂46といった具合に次から次へとパワハラ、セクハラ、性暴行の問題が告発されている。

信者的なファンや業界関係者は都合の良い時だけ推定無罪論を主張し、自分の推しや取引先を擁護するし、逆に告発した方を売名行為とかハニートラップ扱いして批判したりしている。

乃木坂コンサートでの演出家SEIGOによるパワハラ(ブスとか言っていたからセクハラ問題でもある)について、それをパワハラと取る方が悪いみたいな主張を展開するアイドルや元アイドルが多いのには辟易せざるをえない。

ジャニー喜多川の“性暴行”問題にしても、現役、元ジャニーズ問わず、現在、芸能界で活躍している人のほとんどがジャニーを擁護しているし、大手マスコミ、特にテレビ局がどこもかしかも、“様子を見守る”とか“タレントの仕事を奪わない”とか言って、実質、ジャニーズが問題を有耶無耶にして金稼ぎを続けることを容認していることにも呆れてしまう。

でも、どう見ても悪いのはジャニー喜多川だし、市川猿之助だし、山川穂高だし、SEIGOだ。

なのに、エンタメ業界やマスコミの対応はあまりにも被害者に目が向いていない。金儲けしか考えていない。欧米のキャンセルカルチャーは行き過ぎな面もあるけれど、今回の一連の騒動に関してはキャンセルカルチャーが発動されてもおかしくない案件ばかりだ。

猿之助の自殺未遂と両親の死は不自然な点が多く、警察の取り調べを受けているが、その猿之助が取り調べを受ける総理大臣を演じている劇場版「緊急取調室 THE FINAL」は今のところ公開を延期もしくは中止する予定はないようだ。

山川は書類送検されているのに(一般人なら即逮捕の案件では?だから、日本の警察は上級国民に甘いって言われるんだよ)、山川の活躍も取り上げられていると思われるWBC日本代表のドキュメンタリー映画は予定通り公開されるようだ。山川がファンだというあいみょんによる主題歌くらいは差し替えた方が良いと思うが、それすらしないんだから問題意識がないと言わざるをえない。

そして、本作「最後まで行く」は先代の“性暴行”を“隠蔽”していたジャニーズ事務所に所属する岡田准一が事件を隠蔽する刑事を演じる映画だ。普通に考えたら、多くの人がジャニーの問題を想起してしまうような題材はマイナスイメージだから、事件のほとぼりが冷めるまで公開を延期するのにそうしないというのは、結局、どんな問題があっても、マスコミは“恫喝”すれば言いなりになるし、ジャニオタは金を使ってくれるし、スポンサー企業はジャニオタの経済力が欲しいから黙認するというのが分かっているから、ジャニオタでもない一般人や一部マスコミの批判は無視しているってことでしょ。

KADOKAWAの会長だった角川歴彦が五輪汚職で逮捕された時、KADOKAWA映画を予定通り公開するのはどうかという議論もあった。
ただ、KADOKAWA映画に関しては全ての作品に角川歴彦がクレジットされているわけではないなら、公開延期・中止としないのも一理あるとは思った。

でも、ジャニーズ出演映画って、ほとんどの作品に現在の社長であり、ジャニーの姪である藤島ジュリー景子の名前がプロデューサーとしてクレジットされているんだよね。当事者の親族が関わっているんだから、事件を想起させるような作品は公開延期にするのが普通だと思うけれどね。

いくら、岡田准一がジャニーズという枠組みをこえて、今の日本映画界には欠かせない存在になっている。特に時代劇を含むアクションに関しては第一人者になっているとはいえ、今回の騒動も作品の内容を照らし合わせたら延期・中止すべきだと思うけれどね。

というか、かつては作品関係者にスキャンダルがあった場合、ハリウッドはスルー、日本の芸能界は過剰反応って感じだったけれど、ここ最近、すっかり立場は逆転したよね。

ハリウッドは行き過ぎたキャンセルカルチャーが蔓延し、日本はコロナ禍になり金がないのかなんなのか知らないが、意地でも予定通り公開しようとするからね。パワハラ・セクハラ・性暴行・薬物などのスキャンダルを理由にした公開中止なんて最近だと榊英雄作品くらいしか思い浮かばないしね。

それにしても、先代社長による“性暴行”が蔓延していたジャニーズ事務所所属の岡田准一と、撮影現場で共演女優と性行為をしたいがためにそういうシーンを入れようと監督に進言した公開性加害男の綾野剛(ガーシーとのバトルもあるし…)がともに事件を隠蔽しようとする警察関係者を演じる作品をどうやって冷静に見られるっていうんだ?やっぱり、公開延期すべきだったと思う。

それから、警察、政治家、宗教関係者を悪者として描き、ヤクザに正論っぽいことを言わせて、ヤクザの生活が苦しくなったのは世の中のせいみたいな主張を盛り込むのは、「新聞記者」や「ヤクザと家族 The Family」などでパヨクのアイドルになっている藤井道人監督作品ならではという感じが全開だ。まぁ、今回は東宝配給ということでいつもの藤井作品より規模は大きいけれどね。

あと、韓国映画のリメイクということで仕方ないんだろうけれど、新年を迎える瞬間のカウントダウンイベントと花火の風景に違和感あるんだよね。基本、日本ってテーマパークみたいなところを除けば、新年を迎えた瞬間に花火を打ち上げる習慣ってないしね。世界的にはほとんどの国や地域でカウントダウンイベントのメインは花火の打ち上げだから、世界各地の新年を迎えた瞬間の映像ってほとんどどこを見ても似たようなものなんだよね。違うのはニューヨークと花火を打ち上げる習慣がない日本だけだからね。オリジナル版を見てないから憶測で言うけれど、韓国の風習をそのまま、きちんと直さずに日本版にしてしまったって感じなのかな?

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