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仮面ライダーギーツ ジャマト・アウェイキング

最近、仮面ライダー及び戦隊シリーズの劇場公開作品がやたらと増えている。
東映特撮版VシネマであるVシネクストの先行上映も含めた2023年以降の劇場公開作品は以下の通りだ。

23年2月
リバイスForward 仮面ライダーライブ&エビル&デモンズ

23年3月
シン・仮面ライダー

23年5月
暴太郎戦隊ドンブラザーズVSゼンカイジャー

23年6月
忍風戦隊ハリケンジャーでござる! シュシュッと20th anniversary

23年7月
映画 仮面ライダーギーツ 4人のエースと黒狐
映画 王様戦隊キングオージャー アドベンチャー・ヘブン
※2本立て

23年9月
爆竜戦隊アバレンジャー20th 許されざるアバレ

23年12月
仮面ライダー THE WINTER MOVIE ガッチャード&ギーツ 最強ケミー★ガッチャ大作戦

24年2月
仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド

24年3月
仮面ライダーギーツ ジャマト・アウェイキング(本作)

この後も
4月に
王様戦隊キングオージャーVSドンブラザーズ
王様戦隊キングオージャーVSキョウリュウジャー
※2本立て

6月に
特捜戦隊デカレンジャー 20th ファイヤーボール・ブースター

と公開予定作品が待機している。

春休み、GW、夏休み、年末年始といった子どもたちが休みになるシーズン以外の6月や9月の公開作品もあることから、完全に大きなお友達がターゲットのものが増えた結果だと言っていいと思う。



そして、本作も確実に大人の観客を意識した作品だ。

冒頭はホラーテイストで始まる。団地の外観の撮り方なんて完全にジャパニーズ・ホラーだ。

また、警察官などチョイ役の登場人物の言動に違和感を覚えるが、これが伏線となっている脚本も見事だ。

そして、ストーリーのベースとなっているのは80〜90年代に国内外で多く作られた人間と非人間(人外)の純愛物語だ。米国映画で言えば、「マネキン」とか「ボクの彼女は地球人」、「シザーハンズ」、「美女と野獣」などといった作品に通じるものがある。それらの作品同様、本作でも人間と人外のカップルを迫害する連中が出てくる。



こうした人間と人外の純愛ものは人種差別問題のメタファーである。わざわざ言わなくても普通は分かるとは思うが。

そして、そのジャマトと呼ばれる種族は植物を品種改良したものとされている。未来の世界ではこのジャマトが人類を滅ぼすことになっている。つまり、環境破壊を繰り返す人間なんて許せないという考えだろう。この設定はメタファーでも何でもない分かりやすい環境保護のメッセージだと思う。

人間に嫌気がさした母親のジャマトや子どものジャマトが暴走するものの、母親は死に、子どもは改心するというベタすぎる展開に関しては賛否両論あるとは思うが、でも、非常にエモーショナルな作品に仕上がっていたと思う。

仮面ライダー、戦隊含めたここ最近、劇場で見た東映特撮作品で一番面白かったし、一番感動的だったと思う。

最近の東映特撮の劇場公開作品は大人の観客を意識しすぎて、オリジナルのファンの不評を買うようなことばかりしているが、こうした内容なら評価されるのではないかと思う。

大人の観客を意識するというのは別にオリジナル版を無視するかのように主要キャラを退場させることでも、古くさいギャグを入れることでも、エログロを入れることでもないんだよね。

大事なのはストーリー!それに尽きると思う。





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