見出し画像

HKT48 春のコンサート2023~私たちの現在地~

本当は夜の矢吹奈子卒コンに参戦したかったが、なかなか卒コン日程が発表されず、既に同時間帯にパシフィコ横浜から比較的近い横浜スタジアムで開催される日向坂46のひな誕祭の方に当選していたので、HKTとしての奈子の最終日となる同日の昼のグループとしてのコンサートの方に参戦することにした。

横浜地区で地上アイドル、しかも、秋元系のハシゴをするとはね…。

自分の奈子に関する感情は複雑だ。

なこみくとして田中美久とのコンビ売りが始まった当初、自分はどちらかと言うた奈子派だった。

それはおそらく、当時、自分が指オタと呼ばれる指原莉乃のファンだったからだ。

奈子は元々、指オタで握手会に行った際にさしさんからスカウトされたのがアイドルになったきっかけだと言われている。

そうした経緯もあり、さしさんも指オタも運営もマスコミもみくりんよりも奈子の方に肩入れする傾向が強かった。

自分は指オタだったが、そういうのが嫌で奈子ではなく、冷遇されているみくりんの方に注目するようになってしまったが…。

そして、そうした運営に軽視されているみくりんという存在はオタク心を燃やすことになった。

現時点で最後の開催となっている2018年のAKB48グループの選抜総選挙で奈子は9位、みくりんは10位とほぼ同じレベルの成績をあげている(2017年はみくりんの方が順位が上だった)。

しかし、それでも運営の奈子贔屓は続いた。奈子がK-POPグループ、IZ*ONEの一員として国際的な活躍をすることになったのもその流れだろう。

そして、奈子が韓国行きとなったのとほぼ同時期にHKT48は大きな変革の時を迎えることになった。

事実上のプレーイングマネージャーとして活躍し、なおかつ、最大の人気メンバーだったさしさんが卒業。

さしさんに次ぐ人気メンバーだった宮脇咲良もIZ*ONEとして活動するために奈子と一緒にHKTを期間限定で離脱。

長いことセンターとしてHKTの顔を務めていた兒玉遥が長期の休業を経たのちに卒業。

これまでのHKTメンバーの中でAKB総選挙でトップ10内に入ったことがある者は5人しかいないが、そのうち4人がグループから離れるという緊急事態になった。

そのHKTを守ったのは言うまでもなく、残るただ1人の総選挙トップ10入り経験者であるみくりんだ。

ここ数年のグラビアアイドルとしての活動は目を見張るものがあり、去年はカバーガール大賞の音楽・芸能部門で1位に選ばれたほどだ。

ところが、運営のみくりんスルーは相変わらず続いていた。奈子がIZ*ONEへのレンタル移籍を終えてHKTに戻ってくると(さくらたんは復帰後すぐに卒業)、運営はあからさまに奈子をプッシュしはじめた。
勿論、ビジネスとしては間違ってはいない。IZ*ONEで奈子に注目したK-POPファンをHKTのファンにするためには、HKTを奈子中心のグループにする必要があるからだ。

とはいえ、奈子がいない2年半、しかも、この期間の半分はコロナ禍だったが、その間、対外的に最もアピールできる仕事をしていたのはみくりんであったことは間違いない。というか、奈子が戻ってきてからも奈子は東京での活動が多かったわけだから、グラビアなどの全国仕事をしながら、HKTの地元・九州での活動もしていたみくりんの方がグループへの貢献度は高かったはずだ。なので、みくりんに対する敬意は少しは払ってもらいたいと思ったのも事実だ。

にもかかわらず、運営は奈子が参加するHKTとしての最後のシングル“君はもっとできる”でみくりんの序列を5位というありえないポジションに配置してしまった。

なこみくコンビとしてのラストシングルなのだから、なこみくのWセンター、もしくは、卒業する奈子を単独センターとした上で2番手にみくりんを置くという形をファンは望んでいたのでは?

IZ*ONE経由で入ってきた人はともかく、IZ*ONE以前から奈子ファンだった人でもそう思ったはず。

勿論、奈子卒業でIZ*ONE経由で入ってきた新規ファンが離れる可能性は高い。新規ファンを繋ぎとめるには、みくりんのようなベテランでは難しい。

だから、4期の運上弘菜や地頭江音々、5期の竹本くるみ、石橋颯、6期の最上奈那華といったあたりのフレッシュなイメージのあるメンバーを表に出したいという気持ちは分からないでもない(なっぴがフレッシュかどうかは謎だが)。

でも、何度も言うが、ここ数年、誰よりもHKTという城を守ってきたのはみくりんだ。
だから、そういう新体制を試すなら、奈子卒業でなこみくコンビが解消してからで良かったのではないかと思う。

まぁ、奈子卒コン日程もなかなか発表されなかったので、現在の運営が奈子を贔屓しているというわけでもないんだけれどもね。

そんなわけで複雑な気持ちを抱いたまた奈子最終日のHKTコンサートを見ることになった。

というか、1万7350円(手数料含む)もする高額のプレミアムシートを購入したのに21列目ってなめてんのか!

応募者が多いからって高額チケット購入者に事前に発表していた席よりもグレードダウンした席を与えていたL'Arc〜en〜Cielや、グッズ付き高額チケット購入者を2階席に追いやった=LOVEとほぼ同じレベルで悪質な案件では?
ラルクのようにどこまでのエリアをプレミアムシートにすると発表していないから問題ないなんて言い訳は通用しないぞ!

まぁ、それだけ、奈子最終日だから少しでも良い席で見たいとプレミアムシートの応募者が多かったんだろうが。
26時のマスカレイドの解散コンサートの時も高額チケットを購入したのに1階席後方にされたからね。ラルクのように発表していたものよりランクが下の席を与える運営もクソだけれど、ニジマスやHKTのようにどのエリアまでがプレミアムかを提示せず、結果として微妙な席を与えるというのもクソだよね。

そして、自分の目の前に背丈の高いおっさんがいたせいでステージの全体を見ることは叶わなかった。やっぱり、プレミアムなシートではなかった…。

ただ、ライブ自体はコロナ禍になってから見たHKTのライブではベストかも知れないと思った。

また、今回のコンサートは「私たちの現在地」と題していることもあり、チャレンジグな試みも垣間見ることができた。

ユニットコーナーでは、なっぴの曲をくるたんといぶきが歌い、みくりんの曲をなっぴが歌うなど、“???”と思うこともあった。
また、この日はHKTの歴史の一つのチャプターの終わりを告げる公演であるのに、HKT初のオリジナル楽曲である“初恋バタフライ”も、HKTのCDシングルデビュー曲である“スキ!スキ!スキップ!!”もやらない。それどころか、フェスでやればHKTファン以外のドルオタも大盛り上がりになる“大人列車”もやらなかった。

そして、セトリは全体的にコロナ禍になってから発表された楽曲が目立った。コールやMIXの入れ方が定まっていないので、当然、観客はどうやっていいのか分からず、コール・MIX解禁なのに、ほとんどそうしたものは響かない。

まぁ、コロナ禍になってからの楽曲にも“3-2”とか“君とどこかへ行きたい”とか名曲は結構あるんだけれど、コール・MIX至上主義者には響かないのかも知れないな…。

それでも、あえて新しいことをやらなければHKTはこのままオワコンになるという危機意識を持ってセトリを組んだんだろうなというのは実感する。これまでは、ワンハーフ歌唱が多かったが、この日はフルコーラスで歌う曲が多かったのもイコラブやノイミー、坂道あたりが好きな女性ファンや若い男性ファンを取り込む狙いなのかな。

ここ最近のコンサートでは奈子経由で入ってきた新規ファンに媚びたセトリを組み、座席配置でも従来からのファンを迫害したりしたことなどから、かなりのHKTファンが離れてしまったようにも思える。

でも、奈子卒業でそうした新規ファンも離れてしまう可能性が高い。
今更、冷たくした中高年ファンに頭を下げても彼等からすれば、“ふざけんな”状態だ。

そうなると、さらに新しいファンを獲得しなくてはならないわけだから、まぁ、挑戦は色々としてみるべきだとは思うかな。

とはいえ、やっぱり、コール・MIX解禁で盛り上がるのはコロナ前にリリースされた楽曲なんだよね。観客が一緒に“ワンツースリーフォー”とやれる状態で“桜、みんなで食べた”を聞いたのって久しぶりだしね(自分にとっては2019年のTIF以来かな?)。
“最高かよ”とか“早送りカレンダー”のような観客のコールやMIXがあって楽曲が完成するようなタイプの曲はやっぱり、声出しありで聞いて初めてきちんとしたものを聞いたって感じになるので、思わず、聞いているうちにウルウルと来てしまった。

ただ、“12秒”は突然出てくるアンコール1曲目でなく、他のところでやって欲しかったはとは思ったかな。せっかく声出しできるのに、準備ができていない状態で出てきたから、観客はイントロの“よっ!”の声があまり出せていなかったしね。

とりあえず、“空耳ロック”はめちゃくちゃ良い曲だよね!この曲って、カップリング曲だし、チーム曲だから、HKTオタ以外にはほとんど知られていないけれどね。

一方、せっかくの声出し解禁ライブなのに、これがかつて、メンバーとファンの一体化による大盛り上がりでライブモンスターと呼ばれていたHKTのライブなのかと思うほどそんなにコールやMIXで盛り上がっていたようにも感じなかった。

やっぱり、コロナ禍に入ってファン層が変わったような気がするな。
奈子のHKT復帰後、K-POP風の楽曲を出したり、ライブのチケット当選者をIZ*ONE経由で入ってきたりした女性ファン中心にしたりしたことによって、かなりの中高年ファンが離れたのではないかと思う。

コールやMIXで騒ぎたくて仕方ない人たちは地下(アイドル)に潜ってしまったんじゃないかなって気がする。
地下はだいぶ前から声出し解禁していたし、まず、チケットが売り切れることもないから、中高年の男というだけで排除されることもないしね。

ファン層の変化を最も感じたのはアンコールの時だった。
これまで、HKTオタには業界かぶれのおっさんが多かったから、本編終了と同時にアンコールを発動してはいけないというワケの分からない決まりがあった。その理由はどうやら、水分補給したりして一息つく時間や着替えをする時間を与えなくてはメンバーがかわいそうだという心情から来ているらしい。そんなの観客には関係ない話だけれどね。

でも、本公演では洋楽アーティストのライブのように本編終了と同時ではないものの、一拍おいてすぐにアンコールが発動された。

また、コロナ前は先導隊が“HKT”と叫んだ後に、その他の観客が“48”と続くといった感じで、洋楽のようにアーティスト名を連呼する形だったが、今回は先導隊もその他も“アンコール!”と言うだけだった。つまり、邦楽的なアンコールの発動に変わったということだ。

こうした諸案件を考慮すると、おそらく、唯一の総選挙上位ランカーであるみくりんが卒業するまでがHKTに残された変革のための準備期間なのではないかと思う。
それまでは試行錯誤してみてもいいのでは?ツイッターみたいにコロコロ方針を変えるのはダメだけれどね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?