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一(ひとつ)に曰(い)はく、和(やわらぐ)を以て貴(たふとし)しとし、忤(さか)ふること無きを宗(むね)とせよ。人皆党(たむら)有り、また達(さと)る者少なし。是(ここ)を以て、或いは君父(きみかぞ)に順(したが)はず、乍(また)隣里(さととなり)に違(たが)ふ。然(しか)れども、上(かみ)和(やわら)ぎ下(しも)睦(むつ)びて、事を論(あげつら)ふに諧(かな)ふときは、事理(こと)自(おの)づからに通(かよ)ふ。何事(なにごと)か成らざらむ。
九(ここのつ)に曰(い)はく、信(まこと)は是義(ことわり)の本(もと)なり。事毎(ことごと)に信(まこと)あれ。其れ善悪成敗(よさあしさなりならぬこと)は、要(かなら)ず信(まこと)にあり。群臣(まえつきみたち)共に信(まこと)あらば、何事(なにごと)か成らざらん。群臣(まえつきみ)信(まこと)なくば、万(よろず)の事(わざ)悉(ことごとく)に敗れむ。