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新型コロナウイルス後の未来へ。新世界の若き経営者「新世界援隊」の清掃活動を取材。

7月のある水曜日の朝。
ゴミ袋や火ばさみを持った人たちが続々と通天閣の下に集まってきた。
地元商店街の若き経営者で作る「新世界援隊」の皆さんは、毎週水曜日の朝、ゴミ拾いを続けてきた。
緊急事態宣言が出ている間は1か所に集合せず、それぞれが清掃作業を行っている。

通天閣がそびえる新世界は大阪を代表する観光地の1つ。
新型コロナウイルスの感染拡大によって大きな打撃を受けている。インバウンド客で賑わっていたころに比べ、人通りは8割~9割減少。
私もこんなに閑散としている新世界は見たことがない。
巨大なふぐの提灯で有名だった「づぼらや」をはじめ、多くの飲食店が閉店を余儀なくされ、新世界援隊のメンバーが営む店でも売り上げが9割ダウンしている。

そんな厳しい中でも毎週清掃活動を続けるのは「未来への準備」だと新世界援隊の南幸弥さんは話す。
「いますぐお客さんを呼ぶのは難しい。でも、いつかお客さんが戻って来てくれる時には気持ちよく迎えたい。そのための土台づくりだ」と笑顔で汗をぬぐった。

30℃を超える暑さの中、ゴミを拾いながら商店街をくまなく歩く。
新型コロナ以前は観光客が捨てたたこ焼きの容器などが多かったが、最近は路上で呑んでいたと思われる空き缶やビンが目立つようになったと言う。
道行く人から「ご苦労様」「ありがとう」と声を掛けられると疲れも吹き飛ぶ。1時間で8つの袋がいっぱいになった。

大阪城や通天閣を訪れたことが無い大阪人は多い。
府県をまたぐ移動の自粛が求められている今、これまで行かなかった地元の魅力を見つけに、敢えて大阪のホテルに宿泊して大阪土産を購入して帰る「マイクロツーリズム」も楽しいのではないだろうか。

苦しくても前へ進む人たちがいる。
「新型コロナウイルス後の未来」を誰1人欠けることなく笑顔で迎えるために。
感染症対策を徹底しながら応援できることがきっとあるはずだ。

この模様は8月16日(月)午後5時から全国ネットのニュース番組「ニュースパレード」で放送した。下のリンクからradikoのタイムフリーで是非お聴きいただきたい。

ニュースパレード | OBCラジオ大阪 | 2021/08/16/月  17:00-17:15 https://radiko.jp/share/?sid=OBC&t=20210816170000

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