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【保護犬と暮らす】門脈シャント2回目の手術をしました。

2023年11月3日、愛犬レインは、シャント血管を結紮する2回目の手術をしました。

はじめましての方は、レインの紹介記事も読んでいただけるとうれしいです。

ペットが門脈シャントと診断されて悩んでいる方の不安解消、病気があっても他の子と同じように幸せに暮らせる希望となりますように。


門脈体循環シャントとは?

レインに出会うまで知らなかったのですし、聞き慣れない方もいらっしゃるかと思います。
簡単にいうと本来ない「シャント血管」があるために、肝臓を通るはずの血液が全身へ流れてしまう病気です。

栄養素・毒素などが肝臓を通らずに全身へ流れてしまうため、肝臓へ栄養分が供給されず、さらに解毒されなかったアンモニアが全身に回ってしまいます。

※素人による考え方も含まれているため、正確な情報は下記リンク先をご覧ください。
参考:ALL動物病院行徳

うちの子の場合(先天性門脈体循環シャント)

倉敷市保健所収容〜1回目の手術まで

【2021年】
2月26日:雨の日に倉敷市保健所に保護
3月29日:不妊手術
4月13日:ごはん・チュールを食べない
4月14日:立ち上がるが状態が悪い、変な寝方をするため病院へ
倉敷市保健所ボランティアteamKAR ボランティア譲渡
4月15日:急変して夜間診療。脳炎を起こし、瞳孔萎縮・よだれ・脱力
4月28日:点滴で様子を見ていたが、症状が悪化したため二次診察病院へ
6月14日:CT検査 門脈シャント確定
7月12日:手術
7月16日:退院

譲渡時にボランティさんから受け継いだ「レイン日記」愛の詰まった記録が残っています

4月28日に門脈シャントの疑いありと診断されてから、6月14日のCT検査までの間は、肝臓サポートの食事と薬(ラクツロース)、サプリ(ヴェルキュア)の治療が中心だったようです。

また、門脈シャントを疑われる要素のひとつとして、アンモニア数値が高いことがあげられます。

レインのアンモニア数値も記させていただきますので、参考にしてください。

【2021年〜2022年】参考正常値16〜75
4月28日:689(門脈シャントの疑い)
5月14日:109
6月14日:143(CT検査)
7月12日:137(手術)
7月14日:96
8月9日:50(術後1ヶ月)
6月5日:46(術後1年)

※その他、血中尿素量、アルブミン、血糖値、コレステロールなどの数値も見るそうです。

2回目のシャント血管結紮手術

術後はしばらくは元気がなく、食欲も低下

門脈シャントは、シャント血管を閉鎖することで、完治することが見込めます。

シャント血管の太さや、数によって手術の回数が決まり、レインの場合は、1度で閉鎖できなかったため、再度手術が必要でした。

1回目の手術後にアンモニアの数値は下がり、今回のCT検査では、肝臓が2倍程度成長していることが確認できました。

前回強めに結紮していたため、劇的な変化は見込めないかもしれないとのことでしたが、事前のCT検査で腸の近くに肉芽腫があることが分かり、そちらの切除とシャント血管の再結紮をお願いしました。

今回の手術でシャント血管を閉鎖することができ、先天性門脈シャントの治療は終了。外科的な治療は、これで最後です。

今後は、後天性多発性シャントが発生する可能性もあるそうですが、こちらは薬やサプリメントによる内科治療がメインになります。

さらに肝臓への血液の流れが悪いことで、肝硬変になっている可能性もあったため、手術時に肝臓の一部をとり病理検査もしていただきました。

こちらの検査結果は、「肝臓の繊維化は起きているものの、肝硬変の状態とは異なる」ということで、現時点での健康面に影響はないそうです。

手術をしないという選択

1回目の手術から時間が経っていたこと、発作もなくアンモニア数値も122と驚くほど高いわけでもなく、日常では元気そのもの。

「肉芽腫が発見されたから手術を決めた」というのが本音で、CT検査の結果によっては「手術をしない」という選択肢も考えていました。

人でも動物でも同じですが、治療の選択を託された側は、やってみないと分からない正解を探すために決断しなければなりません。

時にはその選択に後悔することもあるでしょう。

保護されて2ヶ月後に容態が悪化したことも、肉芽腫が発見されたことも、すべてはレインが生きるために繋がっていたのではないかとさえ思えます。

人よりずっと短い命、これからも大切に日々を過ごしたいですね。

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