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枯れていく道

一本の白い糸を見つけた後、また一本の白い糸を見つけて、それからまた見つけて、糸が数十本になった。親指と人差し指で、その糸を擦り合わせると、太さのある紐のようになる。
真っ白な髪の束に、自分の命の衰えを感じる。

口コミが良い美容液を額に塗りこんでも、刻まれた皺が無くなることはない。眉をあげれば、いつでも、シワがこんにちはと挨拶をしてくる。ハリのない肌は、毛穴が重力に逆らわず、楕円に開いている。Photoshopで、迷わず消される毛穴がいくつも目視できる。
なんだこれと、知らぬ間にできた、肌に残る茶色い傷あと。
いつどこで、誰が、、と思いながらも、私以外に私の肌に触れるものはいない。いつの傷か思い出せない。

頭の中でさえ、はっきりしない。
毎日、妥協と赦しの連続で、自分らしさを追いかけることもない。誰かと争う闘争心もなく、可もなく不可もなく息をする。
昔みたいに、愛や青春を謳う歌手に、心動かされることもない。生理はいつから、来ないのだろう。この世界で、私は役割を終えつつあるのかもしれない。

生を終う準備を、私の身体は始めている。

私はもう、枯れることを許されたのだ。


40歳。
私の夢は、穏やかな死だけである。



 

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