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カタールW杯をざっくり振り返る ~前編~

先にお詫びです。この記事を書いている時に3000文字に収めようと思いましたが、書いていくうちにどんどん文字数が多くなることに気づいて今回は前編と後編にわけたいと思います。イブに前編をあげていますが後編は年をこす可能性が大です。ご興味のある方は前編を読んで色々質問とかしていただけると幸いでございます。
#ざっくりとは

因みに決勝のリンクはこちら→https://note.com/takanoriyui/n/n4019c90b48ac

 前回の投稿は決勝の振り返りをしました。僕個人的なテーマとしてはサッカーを初めて見た方でもわかりやすいようにと書いていたんですが、だんだんサッカー見てきた歴10年くらいの文章で、サッカー指導者としては浅いし、初心者向けにしては受けにくいという中途半端な結果で終わってしまいました。今回は、大会全体を振り返ってみます。因みに決勝の記事を書いた翌日に書き始めましたが、いつ上がるかは分かりません。2日後かもしれませんし、2023年になっているかもしれませんし、なんなら2026年のW杯の前日かもしれません。因みに目線としては指導者4年目の目線で少し踏み込んだ内容で話していきたいと思います。

 この大会をサッカーファン目線と指導者目線として一言ずつで。まず、サッカーファンとして振り返るなら、
「ロシア大会の流れをより高度な状態で継承した」
という印象で、指導者としては、
「自分のスタイルの大まかな点では間違いではなかった」
ということでした。

 今大会のW杯は初モノづくしということで、過去大会でもかなり注目度が高いのと同時に、「え、W杯始まるの?」という自覚が全然ない状態でした。平然とした顔でプレミアやってるし、そもそも冬だしとか色々なイレギュラーな状態で行われた大会な分夏開催(日本人にとっては)に馴れた人種にとっては、まあ実感がわかなかったわけですよ。いざ始まるまでは。

ただ、始まってしまえば何のその。今回もまた多くの話題を呼んだ大会となりました。アディショナルタイムの長さVARを始めとするテクノロジーに驚嘆しつつ、試合に関しては強豪国の早期敗退及びジャイアントキリングが多く起こった上でのアジア・アフリカ勢。
そして日本目線で言うなら、ドイツ、スペインを撃破して首位通過して前回ファイナリストにあと一歩のところまで追い詰めつつ、それでもベスト8に向かっては足りないというのを改めて痛感したという大会でした。これがカタール開催ということによってのサポーターの空気感などもあると思いますが、欧米列強国との差は間違いなく縮んでいるというのが証明された大会でもあったと思います。その上で、ファン目線と指導者目線としての一言の背景について語っていきたいと思います。

 まずファン目線として言った
「ロシア大会の流れをより高度な形で継承した」
というのは、近年騒がられる、

”個が戦術を上回る”

”ボール保持するチームが勝つ確率が低いのでは?”

という主な2つの説が立証されてきたという大会でしたね。まあ厳密に言うととある条件を満たせばの話しではあると思いますが。まず、ボール保持について話してみます。

 南ア、ブラジル大会ではボール保持を主な目的にしたスペイン、ドイツがジュール・リメ取ったという結果で終わりましたが、前回ロシア大会ではドイツがグループステージ敗退、スペインはベスト16敗退という結果で終わりました。スペインは開催国のロシアに敗れるという波乱が起こりましたが、前回大会の優勝国フランスも決勝Tでは、ウルグアイ戦除いて保持率では相手を下回っていました。ボール保持をすることこそが勝利への近道かと言われれば、そうでもないよねというのが前回大会でした。

 そして今大会それを大きく証明したのが、他でもなく僕達の日本代表でした。ドイツ、スペインとの対戦でも(前半は難しかった)ボール保持率は圧倒的に低くても、より効率的に攻めて且つ組織的に守備ブロックを敷いても勝てますよっていうのを証明できたという点では日本の未来からの観点では、良かったのではないかなという感じがします。

ただし、これの発動には条件があるように思えます。1個目は、ボール保持側に問題があるケース。今回のドイツやスペインには明確な”ストライカー”がいませんでした。南ア、ブラジル大会の場合は明確なストライカーがいるというよりも、色々な選手が点を取って勝ってきました。それに対抗すべく、ボール保持に対しての守備をどうするかという世論が巻き起こりました。そしてプレッシングやブロック守備及びプレスとブロックのグラデーションでボール保持に対抗していました。

これによって近年のサッカー界では、ボール非保持側になりうる地力で劣っている(以降敢えて弱者と呼びます)チームが強者を食う可能性が高くなりました。更に交代枠が3枚から5枚になったことによって、弱者の試合の運び方の方法が増えました。強度の高い守備を遂行することを長い時間行うことが可能になり、攻撃時では主に少ない人数でカウンターを主体にしつつ、スポットで相手の質を上回る個を置くことでそこから相手を破壊するシーンも多見されます。そして先制点を奪われることが、以前に増して試合を決定づける要素になりえないということになっています。実際前半1-0で折り返したケースが20回ありましたが、そのうちの7回つまり、約半数は引き分けまたは逆転勝利で試合を終えています。そしてそのうちの3回(クロアチア戦も含む)に日本が絡んでいるということから、前半を最小失点差で折り返して後半の選手交代でチームをガラリと変えて流れを一気に持ち込んで同点・逆転を狙うのが1個のゲームプランとして浸透していくのではないのかなっていうのを感じ取れました。以上上記のことが、
”ボール保持するチームが勝つ確率が低いのでは?”
と感じた理由の1つです。そして、それを達成するために必要なのが、

”個が戦術を上回る”

ということです。極端な話2010年の日本代表だとしたら、ドイツやスペインに勝つことは不可能だったと思います。事実、今大会までは逆転勝利がなかったわけですから。では何故そんな日本が2度も逆転勝利を、しかもドイツやスペインというW杯優勝経験国相手に成し遂げられたかというと、それは試合の流れを変えることの出来る相手の戦術を破壊することができる”個”が居るからこそできたのです。いくら交代カードが5枚あろうと、切れ手札がなければ、達成することはできないわけです。今回の代表には三笘や堂安、南野など海外でバリバリ磨かれている強力な手札があったからこそ達成で期待業なのです。

 実際に決勝のカードは”メッシ”のアルゼンチンvs”ムバッペ”のフランスでした。それが意味するものこそ、、、(後編に続く)

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