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なんでなん? その3、なんで動画広告なん?

3回目も日付をまたいでしまっていますが、がんばって続けます。

仕事柄、よく動画広告を作ってくれと言われることが多いのですが、なんでそんなに動画にこだわるんだろう?と考えることがしばしばあります。

そこで今回は動画広告について、なんでそんなに流行ったんだろうという部分と、動画広告とその他の広告の違いについて考えてみようと思います。

なんで動画広告が流行ったのか

なんで動画広告が流行っているのか、その背景について考えてみます。大きく分けて3つの理由があるのではないでしょうか。

一つ目は高性能端末の普及と回線速度の向上

ガラケー時代は動画広告ってそこまではやっていなかったように記憶しています。もちろんCMなど、テレビを媒体にしたものは多くありましたし、PCで閲覧するインターネット上に出始めていました。

その動きが加速したのは、スマホが普及し、4G回線やWi-Fiが普及したあたりのように記憶しています。

それまでテキストや画像に比べて容量の大きい動画は、視聴までに時間がかかりました。しかし、通信速度と端末性能が向上した今は、通信環境が良ければ画像と同等のスピードで、ストレスなく見ることができます。

これにより、広告を見てもらうという最初のステップを突破することができるようになりました。

二つ目は制作コストの低下

数年前までの動画制作には、高性能のPCや高額なソフトウェア、専門的な技術をもったクリエイターの存在が必要不可欠でした。

しかし、パソコンのスペック向上や価格の低下、ソフトウェアがサブスク化したりで初期コストがカットされたりと、参入障壁がなくなってきました。ソフトウェアも使いやすくなって、簡単に見栄えのいい映像を作ることができるようになったことも一因です。

結果として、テレビCMなどに比べ安価に制作、公開できるため、費用対効果が良いのではないでしょうか。

三つ目は広告媒体の増加

回線速度の向上やソフトウェアの発展もあり、動画広告を扱える媒体が増えました。

また、高速なインターネット回線の普及により、インターネット上のコンテンツに接触する人とその頻度が増えたため、広告媒体としての価値が上昇し、広告枠を取り扱う媒体が増えました。

インターネットという広い世界に存在する無数の媒体を用いることで、ユーザーとの接触頻度も向上するのではないでしょうか。

動画広告はその他の広告とどう違うか

動画広告が流行っている背景について少し考えてみましたが、今度はその他の広告とどう違うのかについて考えます。具体的には、チラシ、ポスター、記事広告、テレビCMと比較してみようと思います。

それぞれについての特徴をまとめ、こんな時はコレ!という選択の手掛かりになることを目指します。

動画広告の特徴

動画にはどんな特徴があるでしょうか。思いつく限り並べてみましょう。

情報量が多い / 動きがある / 目と耳に訴える / 情報提供の順番を決められる

あたりでしょうか。あんまり出ませんでした。

ストーリーを伝えたり、ものごとの順番を伝えるのには向いていそうですね。また、動くので注目を集めやすいのではないでしょうか。

インターネット上の動画広告の多くは、ユーザーの傾向などに応じて提供相手を多少選択することもできます。ターゲットに届きやすくなるかもしれませんね。

チラシの特徴

家に届いたり、街角やイベントで配られてるアレですね。これについても特徴を考えてみましょう。

それなりの情報量 / 動きはない / 目に訴える / 情報提供の順番をある程度決められる

動画に合わせた感じで考えてみました。

チラシは中身を見てもらえるかどうかが最初にして最大の難所です。中身が気にならなければ、受け取ってもらえませんし、無理やり届けても捨てられます。

その分動画よりも低コストで制作できますし、チラシの中の人が直接手渡すなどすれば、親近感を持たせたりすることもできそうです。折り方を工夫すれば、情報提供の順番を決めたり、情報量を増やしたりすることができます。

ポスターの特徴

駅や街中、飲食店などで見かけますね。特徴を考えてみましょう。

少ない情報量 / 動きはない / 目に訴える / 情報提供の順番は不定

ポスターは通りすがりの不特定多数に対して、情報を提供する媒体です。電車内などではない限り、立ち止まってじっくり見られることはほぼありません。一瞬で情報を伝え、記憶に残すことが求められます。そのため、情報量を削ぎ落とし、インパクトを強くするのが定石です。

そんなポスターは特定の場所に掲出されるものなので、地域性を持たせることができます。掲出場所のことをじっくり考えれば、面白い効果も期待できそうです。

こちらも動画に比べて制作コストは低いことが多いです。

記事広告の特徴

雑誌記事はもちろん、インフルエンサーとかがやるレビュー記事なども含めておきます。

多めの情報量 / 動きはない / 目に訴える / 情報提供の順番を決められる

記事広告はテキストで情報を提供できるため、伝えられる情報量が多く、またストーリー性を持たせることに向いています。広告主ではなく、記者やインフルエンサーがユーザーに近い立場で語られることが多いため、伝える強さが強めです。

しかし、能動的に接触するものになるため、そこまでの誘導を設計しないとなかなかユーザーとの接触ができないのも特徴です。

制作コストは記者にもよりますが、動画より安く、ポスターやチラシよりは高くなりがちです。

テレビCMの特徴

テレビ番組の合間に流れるCMですが、あえてインターネットの動画広告とは分けてみました。特徴はこんな感じかな。

少ない情報量 / 動きがある / 目と耳に訴える / 情報提供の順番を決められる

テレビは受動的なコンテンツです。視聴者が検索したり、探したりしなくでもコンテンツを提供できます。CMは番組の合間に放送されるため、比較的みてもらいやすいですが、注目してみている人は少ないです。

また時間的な制約が強いため、短い時間の中に情報を集約させる必要があります。

インターネット上の動画広告では、多くの媒体で音声はあまり有用ではありませんが、テレビでは音声の力が発揮できます。CMソングやサウンドロゴなど聞き覚えのあるものも多いのではないでしょうか。

多くの視聴者があり、かつ影響力も高い分、制作費用や媒体費用は他と比べられないほど高いことが多いです。

特徴を比べてみて

どれも一長一短に見えますね。動画広告は情報量も多くて注目もされやすいけど、能動的にコンテンツを取得しにいくユーザーが相手だから、嫌われやすい。チラシは物質として手元に残るものの、興味がなければ見る前に捨てられてしまう。ポスターは一瞬でハートを掴まなければならないし、テレビCMは高い。

どれをやったらいいのか、逆にわからなくなったのではないでしょうか。

ということは、組み合わせればいいのではないでしょうか。

それぞれの強みを生かして、弱みの部分を補い合う。特定の制作物のみに注目するのではなく、プロモーション全体としての流れや動きを考えることが重要といえそうです。

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