銀座の地中に花あり、虫飛び交う。

【第13回 「shiseido art egg」展】今村 文展「見えない庭」
今村さんは、金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科絵画専攻油画コースを修了した、愛知在住の作家。

今村さんは、どうやら意味や感情をもたない
植物や昆虫の世界に惹かれているらしい。
神経節の連なりが、内外からの刺激に反射・反応して生きている
という植物や昆虫のありように関心があるというのだ。
「感情」がないのだとしたら、
苦しみや悩みとは無縁のはずだ。そういう存在に惹かれるという。
・
資生堂ギャラリーは、銀座の地下に密やかにある。
それは都会の原っぱを掘り進めた地下空間のようでもある。
そこに根を張る今村の植物たち。
そしてそれに引き寄せられる昆虫たち。

人間も惹きつけられて地下の不思議な世界へ迷い込む。
そこには密やかで猥雑な世界が広がっている。
何かを孕んでいることを予感させる蠢きのようなもの。
饒舌なのに不確定な怪しさ。

そんなものに包まれる世界には、
彼女自身が持ち込んだ調度もあるらしい。
作家の日常と銀座の地下でリンクしてしまう不思議さ。

・
ほんの少しだけ、冨安さんの世界を思いながら
その空間に浸っていた。
・
#art #shiseido #shiseido_art_egg #shiseido_art_egg_2019 #imamura_fumi