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中心に向かい、そして解き放たれる。

【東京藝術大学 卒業・修了作品展2019】
スクリプカリウ落合安奈さん
(大学院美術研究科修士課程グローバルアートプラクティス専攻)の作品
「Blessing beyond the borders」

2015年に東京藝術大学油画専攻を首席で、同時に美術学部総代で卒業した
スクリプカリウ落合安奈さんの大学院修了作品。

日本とルーマニアにルーツをもつ彼女は
二つの祖国における「信仰」を紐解きながら、
「土地と人の結びつき」について、現地調査を進めてきたという。

彼女のステートメントは、こんなふうに始まる。
「遠く離れた土地や民族の景色を、静かにチューニングする。

空間の中で左右に連なりながら向かい合わせになった、
遠く離れた国々・民族の、風習や信仰、儀式の場面。
土地や民族の哲学が色濃く反映されるそれらの光景は、
触れ合わずとも重なり合いながら旋回を続ける」

私たちは、暗い部屋の中に、
人の気配で揺れ動く透けて見えるほどの布らしきものに導かれ、
中心点へと吸い寄せられる。
そしてその中心点に向かって溜め込まれた精神的なエネルギーは、

まさに「終わり」であり「始まり」でもあるその地点を境に
解放されていく。

中心点というターニングポイントは
螺旋の連続性の中にあり、実は何も隔ててはいない。
生が実は死に向かう行為であるように、
無意識の流れの中にアンビバレントな意味が存在しているのだ。

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