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セマグルチドの投与タイミング

セマグルチドって起床時服用になっているので、なかなか服薬順守が難しいんです。

Effect of Various Dosing Schedules on the Pharmacokinetics of Oral Semaglutide: A Randomised Trial in Healthy Subjects

pmid:36932262


アブストラクト
背景 セマグルチド(グルカゴン様ペプチド-1アナログ)は、処方情報では、空腹時に経口投与し、その後30分以上の絶食時間を設けるよう指示されている。本試験では、推奨される投与スケジュールを代替スケジュールと比較した。

方法 本試験は、セマグルチドを1日1回経口投与(3mgを5日間、その後7mgを5日間)した健常者を対象とした無作為化、単施設、多剤投与、非盲検、5群間、並行群間試験です。被験者(n = 156)は、5つの投与スケジュールに無作為に振り分けられました: 2時間、4時間、または6時間の投与前の絶食と投与後30分の絶食(治療群:2時間30分、4時間30分、6時間30分)、2時間の投与前の絶食と投与後の夜間の絶食(治療群:2時間-夜)、または夜間の投与前の絶食と投与後30分の絶食(参照群:夜-30分)。セマグルチド血漿濃度は、10回目の投与から24時間後まで定期的に測定した。エンドポイントは、10回目の投与後24時間におけるセマグルチド血漿濃度-時間曲線下面積(AUC0-24h)(主要評価項目)および10回目の投与後におけるセマグルチド血漿濃度の最大値(Cmax)(副次評価項目)だった。

結果は以下の通りです: 一晩の投与前絶食(基準群:夜間30分)に比べ、2時間夜間、2時間30分、4時間30分、6時間30分治療群では投与前絶食時間が短いため、セマグルチドのAUC0-24hおよび10回目の投与後のCmaxは有意に低くなりました(推定治療比範囲: それぞれ0.12~0.43および0.11~0.44、すべての比較においてp<0.0001)。セマグルチドのAUC0-24hおよび10回目投与後のCmaxは、2時間30分投与群および2時間夜間投与群で同様であった。

結論 本試験は、セマグルチドの経口投与について、空腹時の投与を必要とする処方情報に従って投与することを支持するものである。

www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。

PECOで整理してみます。

P(どんな患者に?)
 156人の健常者が対象
E(どんな介入を?)
 セマグルチド経口を、
 1:服薬前2時間絶食し、投与後30分絶食
 2:服薬前4時間絶食し、投与後30分絶食
 3:服薬前6時間絶食し、投与後30分絶食
 4:服薬前2時間絶食し、投与後一晩絶食
C(何と比較して?)
 5:服薬前一晩絶食し、投与後30分絶食
O(どのように評価した?)
 10回目の投与後24時間におけるセマグルチド血漿濃度-時間曲線下面積(AUC0-24h)

論文のチェックポイントは?

☑ランダム化は?
されています。
☑盲検化は?
されてません。結果の解釈に注意が必要です。
☑解析方法は?
FAS解析。ITT解析ではない。
☑真のアウトカム?
今回は薬物動態の論文のため、真のアウトカムとはいえない。

どう感じたか?

絶食時間がながければながいほど、つまり空腹時であればあるほどセマグルチドのAUCは高いという結果に。ただ、あくまで薬物動態の話で、A1cだったり、有害事象の発現などに影響があるかはさらに研究が必要だと思う。

ちょうど今日同じような症例に出くわした。
勉強しておいて良かった・・。

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