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20200526 「1人1粒です」

私「鉄分のサプリ飲む?」
ももねこ「飲むー!」

との事だったので、私は自分の分も含めて2粒サプリを手のひらにのせて、渡した。すると、ももねこさんは2粒とも取ってしまった。
私は以前渡した時に、1人1粒であることを告げていたので今回もわかっているだろうと思い何も言わずに渡してしまった。

これは完全に私のサプリの配り方の設計ミスである。相手にわかりやすく何も言わずとも動作を促すためには、1粒だけ手にのせて「どうぞ」とすれば良かったのだ。2粒持ったまま例え言葉で「1粒にしてね」と伝えたとしても、耳と目というふたつの機能を使わせるのはスマートではない。相手がより何も考えなくても私が望む動作をしてもらうためには、案内の仕方を絞らなくてはいけなかったのだ。

正直、このようなサプリのちょっとした渡し方はどうでも良いのだが、Webデザインをするという事はこのような事をずーっと考えている。
例えば、サプリを限定1個ずつで販売するサイトを作る時に、購入フォームに個数を選ぶ欄があったり。商品の画像に、商品が何個も並んでいる写真が使われていたら、いくら注釈で注意書きが書いてあろうと間違いが生じるだろう。そのせいで購入できなかった場合ストレスが半端じゃない。買うのを辞めるどころか悪い印象を持たせてしまうかもしれない。こういう時の評価はゼロになるのではなくマイナスになる事が多い。

といった事が考えられるので、なるべくスマートにストレスを感じさせずに見る人を誘導するようなデザインを日々考えなくてはならない。
それは、ちょっとした文字の大きさだったりボタンの位置だったり矢印の向きだったりとささやかな事も多い。そんなことをどっちが良いかと地味に考え続けている。

職業デザイナーというと派手なイメージを持たれることもあるのだが、実際はこのような細かい事を試し続けている事が多い。特にWebサイトなどインターフェースの作成がメインになるデザインは誠に地味である。気が狂いそうになる事も多々ある。
もちろん派手なビジュアルを作る事や大きなコンセプトの作成に携わる事もあるが、それらを表現する際には結局細かい細かい調整があったりもする。そんな事を多分好きでやっている。

という事で、雨の日はダルイなぁと思いながら、今日も私は「ああでもないこうでもない」と言いながら、エリアを上に移動したり下に移動したりしてお仕事をしている。

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