ボーはおそれている/感想と考察

ネタバレありの記事です。



アリアスター監督とホアキン・フェニックスのタッグで話題になった映画、ボーはおそれている

さっき見てきたんですけど、思い出すだけで頭を抱えてしまう。
すっげえこれ。アリアスター監督、狂気を描くのが上手すぎる。

最初はとんでもねぇゴミカス治安のところでお金もなく不遇なりに頑張っている主人公かと思った。
でもどうも様子がおかしい。
ちゃんとしてそうな医者にかかってるし、クレジットカードを持ってるってことはそれなりの社会的な信用があるってこと。
物語の最初から精神疾患であろうことは明かされてるので、本当に治安が終わってるのか主人公の妄想なのかもわからない。
とにかく最初はわからないんですよ。なにも。
静かにしてるのに投げ込まれるメモとか、主人公が住んでる部屋にぞろぞろなだれ込んでいく人たちとか、妄想では!?て思ってた。

中盤の夫婦とか森の孤児たちとかも、現実と妄想の境目がわからんな……と思ってた。

んですけど。

終盤のあのネタバラシですよ

え??????と、やられたー!!!!!が同時にきた。
主人公が住んでたあの治安が終わってる一帯は更生施設プログラムとしてお母さんが運営していて、夫婦もお母さんの会社の人で(お母さんの葬儀の顔写真たくさんあるところに夫の顔写真があるのは確認した。多分よく見たら他の人も写ってる)、森の孤児の人たちもたぶんそうよね。そもそもみんなボウの名前も出自も知ってたし。株主総会が……て言ってた奥さんはたぶんお母さんの会社の株主総会なのかな?わからん

森でお父さん役演じてた人もたぶん会社の人かな?
あの中に、患者と会社の人と、両方いるんだよね。
主人公のあの家のまわりは患者がたくさん住んでて、全員精神疾患か障害を抱えていて、しかも放置されてる。
だから現実に治安が最悪なことになってる。
妄想は恐らくはっきりしていて、トニーと車に乗ったあとから家に戻されてるまでの間と、森の孤児のお芝居に自分を投影してたところ、ラストの裁判のシーン。他にもあるかもだけど、あとはほとんど記憶。フラッシュバック。(ただトニーの車に乗ったあとの夢見てるようなシーンで、のちのち出てくるお母さんの家で棺桶を眺めながら縁側みたいなとこに座ってるシーンがあるんですよね、あれはなんだろうね?もしかして一回自宅に帰った?それともただ家の構造覚えててあそこに座る妄想をしただけ?)
あのちん……の化け物も、直前に見た監禁されて痩せ細ったお父さんを、セックスをしたら死ぬっていう刷り込みを長年されてたことへの恐怖心で上書いてしまったのかな?あのつっこんできた元軍人はたぶん妄想。あそこ屋根裏だし。
記憶のなかで屋根裏に連れていかれてたのは主人公自信で、自分を守るために別人としての記憶にしてたってことだよね、たぶん。

いや~一番怖いのまじでお母さんだって こわい こわい……
あの医者夫婦の奥さんのほうだけが、ヤバさを感じ取って監視カメラのことを教えてあげてたし、自分を責めないでっていうメッセージも残してくれてた。自分を責めないでっていうメッセージ、いっちゃんラストのあの話よね。○歳と○日でこういう罪を犯した。これ、恐らく主人公が幼い頃からお母さんに何度も言われてたことなのかな?と。潜在意識に罪として刷り込まれてる。
先生にも最初「罪悪感」て書かれてた。たぶんここが全部繋がってるのかな。

先生、先生じゃなかったけどな……なに、弁護士?医者ですらなかったかんじ?
全ては母親の手のひらの上……いや序盤から結構な所謂毒親の表現はあったけど。電話のシーンとか。
結局誰が盗んだんだろうね、鍵……親子像は戻ってきてたので妄想の可能性もあるんだけど、でも主人公視点では鍵は盗まれて鞄もなくなったっていうのが真実なのに信じようともしない。母親もまた精神的におかしくなってる……っていうパターンだろうか。いや母親の狂気はまさしく本物なのだけど。
エレインだけはずっといい女だったね。若くてもかわいい、年取っても綺麗。

こう……過去作よりグロは控えめだけど精神的にグワーてなるところが凄く多かった印象。

因みに一番ウワーッてなった死因はやっぱりペンキがぶ飲みかな!あの子もしかしたら薬物中毒が原因の患者で本当の娘じゃないんじゃないかと思っておる

あとね!!!!モザイクちゃんとして!!!!!全部見えてるから!!!!!!!笑

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