【実話】 およそ3センチメートルの光点

詳細は省いて、その時、私は夜に外を歩いていた。

暗い山並みの遥か向こうに星が見えた。

暗いけれど、明るい夜だった。

何の気なしに山の稜線の方向に視線をやったその瞬間、その光の点は現れた。

さほど大きなものではない。

白っぽい光の点は、月よりは小さく、明けの明星よりは大きく輝いて、そのまますーっと、私から見て右方向に水平に、体感で3センチメートルくらいに感じられる(山の稜線の上なので実際は多分何キロもの)距離を動いて、フッと消えた。

飛行機か?
と思ったが、そもそもその辺りを飛ぶ路線はないはずで、突然に現れて消えたのは奇妙だった。

人工衛星かとも思って後で調べたが、その日、人工衛星が見えるのどうのというニュースはなかった。

突然現れて、横に動いて、音もなく消えた光の点がなんだったのか、今でも分からない。


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