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散文詩

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そのまま。もうちょっと若いころ(十数年前)書き散らした散文詩です。短歌の収納は今後考えます…。
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2021年11月の記事一覧

【詩】 自戒

奇妙に気が焦るのは なにか 拾ってはならないものを拾っているからだと思う 例えば 己に向…

高梨 蓮
2年前
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【詩】 この季節の空の雲

そういえば 今日 空に 雲がよぎっていた 刻む 掛け合わせたような 空をよぎる雲 そん…

高梨 蓮
2年前
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【詩】冬が来る

冬が来る 今年は 春も 夏も 秋も 無かった ただ冬だけが来る 疫 そんな年だった 滅多に…

高梨 蓮
2年前
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【詩】 嘆きなど

熱い 鉄の塊を 喉の奥に飲め 口を噤め なにひとつ 足元には零すな 誰かが何かを拾う 嘆…

高梨 蓮
2年前
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【詩】 遠い道を辿る

遠い道を辿る 遠い道を辿る 遠い道を 道の行方は どこへ続いているのか 言える者はいない…

高梨 蓮
2年前
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【詩】 radio noise

かつてのメモ 読み取れない radioに流れた曲を 必ず忘れるので殴り書きでメモする 空中に…

高梨 蓮
2年前
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【詩】 うつくしいこのくに

白が近い 城が そこにある 橋も このくには うつくしい しろくけぶるやまのかなたも ぬれたこけのいろも そのこけのむしたいしのいろも とけゆくゆきのしずくも さえたふゆのくうきも そのあたりではしゃぐこどもらも さざなみたつかわも わらいさんざめくひとびとも さびゆくみちのあないのしるべも はをおとしたきぎのえだも うすくかげをおとしたつちのいろも なにもかもがうつくしい ありのままに うつくしいこのくに

【詩】指の節に年月を

老齢と 加齢を 人が思い知るのは どの瞬間だろう 例えばカードのサイン ペンを受取り 伝票…

高梨 蓮
2年前
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