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脱コロナ花咲く口元 高級ルージュ脚光

世の中の様々な値段がどうやって決まっているのかを解き明かす「値段の方程式」。今日のテーマは脱コロナ花咲く口元 高級ルージュ脚光』。5月8日には新型コロナの法律上の分類が季節性インフルエンザと同じ、「5類」に下げられます。マスクを外す機会はさらに増加します。口元を鮮やかな色でオシャレをしたい消費者も増えますね。口紅の平均価格がすでに上昇しています。どのくらい上がっているのでしょうか?


マスク規制が解除 3月の平均価格12.9%高

調査会社のインテージによると全国のスーパーやコンビニ、ドラッグストアで販売された口紅の平均価格は3月が1133円。前年同月に比べ12.9%高くなっています。

化粧品の他のジャンルと比べるとどうでしょう。こちらが日経POS情報でみた口紅とアイシャドウの平均価格です。

マスクをしての外出でも欠かせない目元周りの化粧品。代表格のアイシャドウがコロナ禍の3年間、値動きが安定していたのに対し、口紅は昨年後半から上向いています。

売れ行きも回復

売れ行きも回復しています。インテージによると販売個数は2019年に3528万個。2020年には半分以下になって、2021年には1292万個まで落ち込みました。それが一転、2022年の販売個数は1761万個と前年比36%増えました。
口紅の需要はマスクの着脱に連動する傾向にあり、徐々にコロナ前に戻っています。外出の増加で会食などの際にマスクを外す機会も増えています。消費者の気分の高揚感から少し高めの口紅を買う動きがあるようです。

変わり始めた口紅の販売現場を佐藤美樹さんと取材してきました。訪ねたのはコーセー直営店のMaison KOSÉ銀座。売り場の担当者は「人と話しをする機会が増え、少し表情が明るく見えるようなリップを探したり、肌から浮かないような明るめのリップを探したりする人が多くなっている」と話します。この日、2本の口紅を買った女性は「マスクを取ったら、ツヤ系が使えるので最近はそっちの方を使っています。リップがすごく好きなので嬉しいですね。友達と外に遊びに行く時とかに使いたいと思っています」と明るい表情でした。

鮮やかな色味が人気に


マスクを外した女性たちの口紅の好みにも変化が表れています。2021年ごろまではマスクに色移りしても目立たない「ヌーディー」と呼ばれる落ち着いた肌の色に近いタイプが人気でした。今年に入ると鮮やかな色味の口紅が好まれるようになっています。久しぶりに口紅を買うので「高級品で気分を盛り上げたい」という消費者心理も口紅の平均価格の上昇につながっているようです。

買い替え時期にも重なる

化粧品には使用期限があります。保存状態にもよりますが未開封で3年、開封後は半年が一つの目安になっています。コロナ禍の3年で触らなかったり捨ててしまったりした口紅も増え、買い換えている人も増えています。

ここで今日の方程式です。

口紅の平均価格上昇=脱マスクで需要が回復➕高価格品が人気

女性だけではなく、男性のマーケットも広がっています。インテージによると男性向け化粧品の市場規模は5年前に比べておよそ1.3倍に拡大しています。コロナ禍のオンライン会議で自分の顔を改めてじっくり見る機会が増えました。気になる部分を見つけ、男性向けスキンケア用品を中心に売れています。リップクリームを愛用する人は多いかと思いますが、今10代、20代のメンズに人気があるのは色つきの口紅のようです。私も実際に口紅を試してみました。目立たない色の口紅ですが、唇の色が変わるだけで顔全体も明るくなった気がしました。
今回取材したコーセーは広告に大谷翔平選手や羽生結弦選手を起用し、ジェンダーレス、「同じ化粧品を性別を問わずに使える」というメッセージを発信しています。若い人を中心に男性の化粧への抵抗も薄れています。脱マスクの世界では新たな表情で迎える人が増えそうです。

https://txbiz.tv-tokyo.co.jp/author/175




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