Computed Valueは算出値? 計算値?
CSSには"Computed Value"という用語があります。これは、スタイルシートで指定された値や継承された値や既定値から、諸々処理して、実際に描画に使用する算出した(計算した)値です。厳密には"auto"とされた値を描画に使用するピクセル値に変換するといった重い処理の前の値ではあります。
この"Computed Value"の日本語訳には、算出値を当てているものと、計算値を当てているものの2つが見受けられます。どちらが適切と言い切れるものではありませんが、統一されると混乱が生じないように感じます。ちなみに筆者は算出値を当てるようにしています。
16年前にも問題提起があったようです。potappo氏によるはてなダイアリーの記事『computed value の訳語は、「計算値」 or 「算出値」?』でこの問題が取り上げられています。
どちらが適切なのかと言ったところまでの議論はしたくないので、インターネット上でどちらが用いられているのかを調べたので、ざっくりですがここに貼って置きます。
算出値が用いられているWebサイト
算出値はCSS仕様書の日本語訳など、様々なWebサイトで用いられています。
triple-underscore氏による"CSS Values and Units Module Level 4"の日本語訳「CSS の値と単位」
もんど氏による"CSS Values and Units Module Level 3"の日本語訳
國仲 義則氏によるCSS仕様書について解説した記事「仕様書の読み方 CSSプロパティ編 第1回 仕様表を読んでみよう」
Ziphil氏によるCSSでの値の取り扱われ方について解説した記事「CSS で指定されたプロパティ値が描画の際に使われる値になるまで」
計算値が用いられているWebサイト
計算値が用いられているWebサイトはあまりありませんが、Googleで"CSS computed value"を検索したらMDNが1位(2024年3月現在)に表示されましたので、今後、この日本語訳が主要なものになっていく可能性はあります。
Mozillaプロジェクトの技術文書を扱うサイト「MDN」
コンピュータやプログラミング関連の記事を書いている「アセンブラの魔女」のCSSの解説記事「指定値・計算値・使用値・実際の値」
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