No.156 KG-2000に行って、感じたこと
こむぎこ2000さんの個展にこの度行ってまいりました!!!
こむぎこ2000さんはアニメーターであり、ずっと真夜中でいいのに。の「勘ぐれい」やneeの「不革命前夜」といった楽曲のMVをたった一人で作り上げるという天才的な人物なんですが、今回はそんなこむぎこ2000さんについて語っていきたいと思います。
自分がこむぎこ2000さんを初めて知ったのはルワンの「ジャイアントキリング」のMVを見た大学1年生の時であったと記憶しています。そこでまず、ストーリー性のある映像やざっくばらんではあるが不思議と魅力的な画に惹かれました。
ただ、自分がここまでこむぎこ2000さんに傾倒したのはその生い立ち、経緯にあると思っています。彼は自分とほぼ同世代であり、アニメを描き始めたのもほぼ3年程前だったのです。
たった3年でこれほどまでに完成度の高いアニメーションをつくれるものなのか、自分も努力すればその境地に至れるかもしれない、そういった感動と羨望がこむぎこ2000さんへの関心を高めていきました。
こういったこむぎこ2000さんの作ったアニメーションの影響力は凄まじく、彼の作った#indie_animeというtwitterのタグは様々な波及を見せ、その作品だけでyoutuneの広告に取り上げられたこともあるほどですし、twitterを見ていると明らかに彼の影響を受けたであろう色調や線の描き方の、いわゆる「こむぎこフォロワー」も少なくない数目にしてきました。
今回こむぎこ2000さんの作品群を見て、どれも素晴らしいと思ったのは当然として、特段自分の目を引く作品が1つありました。
それが、彼が少額6年生の時に描いた作品です。その作品は、忖度なしで言ってしまえば「少し絵がうまい小学生」くらいのものでした。しかし、その作品の中には、風景の中に明らかに現実では存在しえないような形状の建造物を見ることが出来ました。
彼の創作がなぜ魅力的に見えるか。それは彼自身の技術ももちろんあるのですが、それ以上に「自分が魅力的に感じる空想、想像をそのまま形にしている」点にあるのではないかと思いました。
自分は最近、なんとなく「絵がうまくなりたい」と思い、それ自体を目的として創作をしていたように感じます。しかし、本当に目的にすべきなのは「自分が感じている魅力的なこと」を形にすることであり、技術はその目的にたどり着くのに必要なツールに過ぎないのではないかと思いました。
自分が表現したいのは、何でもないような日常でふと足を止めてしまうような、惹き込まれてしまうような路地の隙間のような風景、そしてそこに生きる人々。そう考えると、風景画のパースや人物を思ったような比率で描けるようなデッサンといったように、技術を会得する重要性も見えてきます。
自分はこれまで創作をしてきて、2回こむぎこ2000さんに大きな原動力を与えられています。1回は彼のアニメーションを初めて見て、個人で、自分に近い年齢で、短い期間でこれほどまでの創作が個人で作れるのかという希望。デッサンなどの技術を、基礎から学ぼうと思ったターニングポイントはここだったと感じています。
そして、今回の個展で気付いたことは、自分がなにを表現するために創作をしているのかということ。今回の個展では、ただアニメーションを楽しむ以上の、自分自身の創作にも影響を及ぼすようなものが得られたように感じます。
ただ、それを理解したからと言ってこれからの創作物が劇的に変化するということはたぶんないので、そういう心情の変化があったんだな~ぐらいに思っておいてください。
あと、ポスター買いたかったけど1000円だけ足りなくて結局買えなかったことをいまだに後悔しています。