クチコミ

 最近、インターネットに書かれたクチコミや偽の情報に傷つけられたり、なんとかしろと怒ったり、そんなあれこれやりとりをよく見かける。インターネットってのは街の裏路地みたいなもので、その隅っこでつぶやいても誰も見ていないだろうと思っていた。アンダーグラウンドを楽しんでいた時代ははるか昔になってしまった。どんな場所も日で照らされて、何をしてもバレてしまう。どんなところで何をしていても神様に監視されているみたいだ。
 もともと人には、何か汚いことを言いたいだとか、誰かを蔑みたいだとか、そんなヘドロのような感情はあってそれらは身近な気心知れた人に吐いて自分の体の中に過剰に溜まらないようにしていたのかも知れない。あくまで仮説だけれど…。常に人の気持ちを考えるなんて聖人君子のようなことはとても普通の人にはできない。かといって、吐き出したヘドロを被って疲れたり傷ついたりする人がいていいわけでもない。そのヘドロを濾過するフィルターも限界なんだろう。
 こうして毎日吐き出している感情もどこかに流れていく。全くなくなってしまうことはない。なんだかうまくはいかないな。

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